2009年4月13日月曜日

『まんがタイムラブリー』2009年5月号

私が四コマ誌を読むときは、朝の通勤電車の行きで半分、職場は昼食時に数本、帰りに残りを読む、そんな段取りであるのですが、今日発売の『まんがタイムラブリー』は様子が違いました。なんと、行きの車内、まだ乗り換え駅につかないという段階で、ほとんど読み終わろうとしていた。なんと、ものすごいいきおいで読めているぞ、いったいなにがどうしたんだと我ながら驚いていたら、なんてことはない、電車が遅れていただけでした。それも、五分十分なんてレベルではない。淡路到着時点で25分の遅れというアナウンス。ええーっ!? 遅刻確定じゃんか! というか、電車に一時間乗ってたわけで、そりゃ『ラブリー』も読み終わるってもんです。しかし、朝からまいりました。

『まんがタイムラブリー』は、私の四コマ誌の入り口となった雑誌で、もしこれを知らなかったら、今の私の四コマライフはなかったであろう、そういってもいいような雑誌。ちょっと特別なのです。ですが、その雑誌は今まさに誌面を刷新しようとしている最中で、はたしてどうなるのだろう。そんな不安におののいておるところです。ですが、こうしたことは以前にもあって、それは『サクラ町さいず』の記事にて書いたこと、かつてはあんなに好きだったはずの雑誌が今ではそれほどでもないと思う、そんな状況を思い起こさせます。けど、あの時も乗り越えられたんだ、きっと今回もいけるはず。だから、徐々に親しんでいければよいかなと思いながら読んでいます。

『天使な小悪魔』、私も反省からスタートです。実際、ちょっと金銭感覚がマヒしているところがある。っていっても、マリリンほどではないですけど、でも段々に酷くなっていっていて、反省しないといけない。まあ、外食しない、缶やペットボトルも買わない、だから贅沢しているわけではないんですけど、そのぶん本買ってるからなあ。もともとの稼ぎが薄いところに、本という道楽。しかも今日はBlu-ray Discとやらを予約してきてしまった……。ズボラーにはズボラーな金しか残らんのやで。はい、反省しました。

しかし、こうしたホステス稼業している人は、稼げる期間の限られていることを考慮にいれて、がっちり堅実に貯金している人があれば、逆に日頃のお勤めでどかどか溜るストレスを発散させるべく、無茶な買い物してみたりする人もあるなど、いろいろタイプがあるとか聞き及びます。でもって、マリリンは後者なんでしょうなあ。そういえば、先日もストレスの溜りそうな同伴のあとで、高いお寿司を食べていらっしゃいました。しかし、この倹約生活の破綻は、次回に持ち越されて、いったいどういう風に決着するのか。きっと、いい方向に向かうんだろうな、そんな風に思うのですが、だからこそその筋道がどう描かれるか、楽しみです。

『だんつま』は、ひなよさんの夫婦ゲンカから馴初めにまで話が膨らんで、しかし、あれは普通は成り立たんよな。まさしく割れ鍋に綴じ蓋的カップルであるということが描かれて、変は変でも変だからこその縁がある、そんな話が面白かったです。しかし、学生時分より主婦になってからのほうがひなよさんは可愛いな。

千里唱子の『Making OF 結婚式』が終わり。まさか、女性スタッフの誰も結婚に漕ぎ着かなかった、実に衝撃で、しかし実にらしいと思えるラストに、なんだか安心したというか。ほんと、最後までいつものテイストで、ほっとしつつも本当は実は寂しい。千里唱子や九月乃梨子の漫画が読めたころの『ラブリー』、あの頃の雰囲気はどんどん薄れていって、それはしかたがないのかとも思いながら、好きだった時代の終わっていく、それが本当に寂しくてたまりません。

リカってば!』が掲載されて、実に久しぶり、けどこれは嬉しいなあ。好きな漫画です。今は亡き増刊誌『まんがタイムポップ』に連載された漫画で、人気があったんですよね、こうして今も残って、しかし本当にリカと塚田の間は埋まらないな。好きな人とのデートにどきどきして、あれこれ思い悩んだり、当日失敗してみたり、そうした不器用さ、慣れない感じ、それが見ていてもどかしく、そしてそのもどかしいところがよいんだなあと思ったり。しかし、慣れず、落ち着かない安曇に対して、それとなくリラックスできるような雰囲気を作ってあげる、本当に塚田はいい男だなあ。なんか駄目なところも散々描かれてる男だけど、トータルで見るといい男だと思う。それはやっぱり姉と妹によってしつけられた結果なんでしょうか。

『ただいま勉強中』は学校図書室の様子を描いて、しかしとんでもない生徒にとんでもない教師。しかしそれを見てほほ笑ましい、あるいは可愛いと思わせるのは辻灯子の持ち味ゆえであろうと思います。個性的、一筋縄ではいかない、そして人間臭い。それが魅力的で大好きです。あ、今号で『ラブリー』での連載は終了。『オリジナル』に移るんだそうです。『オリジナル』が実に素敵な状況になっていく、そんな状況にくらくらします。

『ネコキャバ!』は、まだはじまったところであるけれど、そんなに嫌いではない感じであります。キャバクラからネコ喫茶ならぬネコキャバクラに鞍替えした、そんな話なんですが、基本は気ままな猫に翻弄されるオーナーの様子を楽しもうという漫画のようです。しかし、あの寿司ネタを食べた猫ですが、山葵は平気なんだろうか。

先生はお兄ちゃん。』は、身体測定を巡るあれこれ。背の高さにコンプレックスがあったりする人にとっては、なんともいわれん嫌なイベントなんでしょうな。しかし、夜は早く寝る、そんな妹があえて昼寝ても、きっとそんなに違いは出ないはずで、それでも試さずにはおられない、その必死な頑張りが健気でよいんですね。

パニクリぐらし☆』は携帯電話事情が描かれて、あの電話を探す描写、わかります。今、本当に公衆電話は少なくなってしまって、もう携帯があるのが当然な時代になってんだなあと痛感させられることも多くなってきました。けれどそれでも私が携帯電話を持たないのは、いつでも呼び出される、その縛られる不快のためでして、だからみつきの選択はしてやったりでした。

『たたかえ!WACちゃん』は、以前レディーズコミック『You』に掲載された漫画を思い出したりして、それは自衛隊を除隊後、予備自衛官として訓練に参加する女性を描いた漫画で、結構面白かったんです。知らない世界のことを知るというのは面白いことだと思います。だから、この漫画が私のよく知らない世界を知らせてくれるのだとしたら、それはすごく楽しみかも知れない。などと思っています。でも、あのヒロインには共感しにくいなあ。

『ミニっきえにっき』は、今回も実に飛ばしていて、ミニ様かっこいいなあ。ああいう凛々しく健気に振る舞う少年、大好きです。しかし、そうしたミニ様をふりまわすエリス嬢のパワフルというか、自分を中心に据えた世界形成力、実にすばらしい。実際女の子の方が早熟だっていいますが、こういうませた女の子は実際にいくらでもいそうで、それで男の子は太刀打ちできないのもよくある話で、こうしたリアルをファンタジー込みで描く漫画の面白いことったらもうないですね。さっぱり噛み合わん! ミニ様の心の叫びには笑わずにはおられない。もう素晴しすぎ。大好きです。

『縁側ごはん』は、どうにもマイペースな青年のごはんに関する興味? 関心? を描いた漫画で、エッセイっぽいのかも知れない、ちょっと懐古趣味的であるのかも知れない、そうした趣味は嫌いではない。強烈には働きかけてはこないけれど、じわじわとくる、そんな味わい、素朴な風味は結構気にいっています。

『ココロノミカタ』はちょっと気になる漫画で、それはヒロインの造形がためなのか。そうかも知れません。華奢な人形的体型、リボン、金髪、眼鏡、疑懐古趣味。嫌いではないけれど、腹にたまるようななにかのある漫画ではなく、それはスフレが舌の上にふわりと融けて消えるような、そんな雰囲気に似ています。甘さを残してほろりと崩れて消える。がつんとはこない。それが物足りないかも知れない。けれど、それがよいのかも知れない。ストーリーさえも添えもので、中心には雰囲気を演出する仕掛けがある、その仕掛けが嫌いでなければ、悪くない。そんな漫画だと思います。

『MISHIMAデパートメンズ館』は、この漫画のおかげで、阪急百貨店のメンズ館を見て笑うようになってしまった……。

Information about men's palace

デパートの若社長の傍若無人、行き当りばったり、自分の趣味を満足させることしか考えていない馬鹿さ加減が持ち味の漫画ですが、松山花子らしいシニカルさがたっぷりとあって、それがもう面白くて、気にいっている漫画です。今回はフランスを扱って、しかもそれがいい加減な扱いで、それで迷子のフランス人もいいように扱われて、そのいい加減さ、ひねた感じ、やっぱり面白い。私にはどうも松山花子は合うようです。この漫画も雑誌を移ります。『スペシャル』にいくそうです。

スタミナ天使』はもう佳境。実際、次号が最終回で、だから今回は次回に向けての繋ぎという印象が強かったです。とはいえ、天河の酷さ、ろくでもなさは健在で、彼は本当にいいキャラクターだったなと思います。そして、緑。彼女の真実が垣間見えて、そしてそれは次号、どのように広がっていくのだろう。馬鹿な話に、馬鹿にできない話が浮き上がってくる。そんなところがあなどれません。

『カフェらった!』は、オーナーとの復縁を迫る元夫の話。実はこのふたりの関係、好きなんです。片や変態、片やそんな変態を毛嫌いして、寄せ付けず、酷いあしらいかたして、けど実のところはそんなに嫌いでもなさそうな感じもある。そうしたふたりの微妙な距離感の感じられるところが面白いです。

『エナポゥ』のコラム、私はこれが好きで、今回はなんか無茶な酒の飲み方して……、ひどい話でしたが、まあ若いということは無茶をするってことなんだなあって思いました。この人の苦労時代であるとかの話、それからレコーディングやステージの裏話、ちょっといい話なんかもあって、毎号楽しみにしています。

そして、山田まりおの目次漫画。毎回タイトルが変わる漫画ですが、というかタイトルがなくて、サブタイトルがついてるのか、これが面白くて、個性的な友人知人家族、身の周辺におこる珍奇なこと、もう面白くて、大好きです。しかし今回の英会話、これはやな例文だけど、覚えておくと役立つこともある? というか、これが役立ちそうなシチュエーションに身を置いた時点で、すでに旅は失敗のような気がします。

『サクラ町さいず』、この漫画が雑誌の最後を守っていてくれる。それが嬉しい。実際、今の『ラブリー』もそんなに嫌いではないけれど、状況が安定して私自身も馴染むまでは、こうして馴染みの漫画があってくれるということが、とても安心させてくれます。

  • 『まんがタイムラブリー』第16巻第5号(2009年5月号)

引用

  • こととねお試しBlog: サクラ町さいず
  • 芳原のぞみ「天使な小悪魔」,『まんがタイムラブリー』第16巻第5号(2009年5月号),11頁。
  • ナントカ「ミニっきえにっき」,『まんがタイムラブリー』第16巻第5号(2009年5月号),116頁。

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