2009年4月30日木曜日

まん研

 まん研』2巻が出ました。これは嬉しい、そう思う私は、うおなてれぴんのファンであるのだろうな。『まん研』はそのタイトルが示すように、漫画研究会を扱った漫画。部長、副部長、そして下級生、三人が所属する第2まん研が舞台でありますね。けれど、2巻表紙は第1漫研の部長くーちゃんがクローズアップされて、これは嬉しいな。赤のゴスコス、咲は縞パンツ。ちょっと困っちゃってるところがいい。巻頭カラー描き下ろしでは、くーちゃんが如何にしてゴスコスをするにいたりし乎が描かれ、そしてカバー下、裏表紙折り返しにいたるまで、この表紙の流れがいきわたっていて、その顛末から各人の思惑、そうしたもろもろが面白くて、それはこの特別な機会を充分に楽しもうといった、そんな趣向であるのだと思われます。

そうした趣向は、連載でのカラーページでもたびたび見られて、それが単行本になると、ほら白黒で収録されてしまいますから、いわば台無しになっていて、それをどうしたかといえば、雑誌にはカラーでの掲載でしたと注釈を入れて対応。これは実に素晴しい。掲載時はカラー、掲載時は二色、そうした注釈は昔の漫画には多かったような気がします。今すぐに思い出せるものといったら、『究極超人あ〜る』くらいしかないのですが、カラーだ二色だといった特別な機会に、その特別であることをネタにして楽しむ。そういうのりはもしかしたら昭和のものであるのかも知れませんね。そして、単行本では味わえないその楽しさ、それを注釈にて対処するというのもまた昭和のり、なのだとすると、この平成生まれの女子高生があれこれやっている漫画、その背骨はというと昭和そのものなのかも知れません。

いやね、そんなネタもちらほら出てくるものですから。実際、この漫画を面白がる人ってのは、平成生まれよりも昭和世代の方が多いんじゃないだろうか、なんて思ったりして、いや、でも、しかし、そもそも『まんがタイムきらら』系列誌からがそうした感じだったりするんだけど、それって私の偏見? でしょうかね。でも、高校生くらいで四コマ誌読んでるって、あんまり想像できません。

そんな具合に、昭和生まれの私には妙にここちいい漫画です。でもって、やってることっていったら、ブルマはスソ出し、スソ入れ、どちらが萌えかなんて話でして、うーん、私は完全にブルマ世代ですが(もちろんはいたことはありません)、スソ出しだなあ。あの、腰のゴムのところ、あれが許せないんですよね。さらにいえば、ジャージの方が好きです。学校じゃないんだけどさ、外ではおしゃれしてるけど、自宅では中学時代の名入りジャージを愛用していて、冬は綿入れ半纏装備とか最高じゃないですか? で、度のきつ目のダサ眼鏡とかだったら、もう完璧だと思います、なんていうような馬鹿な話が楽しい漫画であるんですね。で、部長しいなと副部長レイコの話は、全身タイツや貝殻水着といった際物に向かいがちで、こうした馬鹿というよりもアホといいたい、そんな会話のどうしようもない感じ、それがもうじわじわと効いてくるのです。

第2巻では、第1漫研の面々との交流も深まり、そして顧問の先生も出てきて、しいなと第1の顧問友里先生の窓際での会話なんか、味わい深くて大好きです。第1漫研との交流では、素直じゃない部長くーちゃんのあしらい、後輩がそれとなくフォローしてあげたりするところ、理解されてるなあ、好かれてるなあ、すごくいい感じで、そういうところも好き。なんか、楽しそうで、いいなあって思う。うん、『まん研』という漫画全体に漂う楽しそうなところ、ちょっと悪のりで、それを互いに受けたり流したりする、その絶妙な関係、それが好きなんだなって思っているようなのですね。

  • うおなてれぴん『まん研』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • うおなてれぴん『まん研』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。

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