2005年12月20日火曜日

究極超人あ〜る

    中学二年生だったな。同じクラスになった川口が『究極超人あ〜る』を貸してくれて、今まで漫画といえば藤子不二雄くらいしか知らなかった私の視野は一度に広がったのでした。おたくへの一歩は友人が切り開くというのはよくいわれる話で、小田中や田嶋、宮崎といった川口周辺の友人たちが私に及ぼした影響は大きく、私はゆうきまさみのファンになり、アニメも見るようになり(ああ、栄光の『アニメ大好き』よ!)、いや、本当に人生が変わりました。いいように変わったのか、あるいは悪くなったのか、けれど私は彼らに感謝しこそすれ、恨んだりなんて気はさらさらありません。

最初は借りて読んだ『究極超人あ〜る』。けれど、その後私は全巻を買いそろえて、高校受験の帰り、駅前の今はもうなきブックス・リードで買ったんだっけか。足りない巻は駸々堂(この書店ももうない! 過ぎゆく時の残酷さよ!)で買いそろえて、アニメイトで売ってるコアデのブックカバーをかけた。そういう時代だったんです。なんか、漫画は今よりもずっと貴重なもののように扱っていて、でも対し方は今よりも鷹揚で、なんかもう取り戻すことのできない懐かしさを感じさせます。

なにが変わっちゃったんだろう。なにがどう違っちゃったんだろう。

実は今晩すき焼きだったんですよ。それで、『あ〜る』を思い出したわけです。なんですき焼きといえば『あ〜る』なのか? まあ、それは私が昭和の子であるといえばわかっていただける方にはわかっていただけるんじゃないかと思います(つうか、『あ〜る』読んでない人にはわかんないですね)。

でも、今から思えば『あ〜る』はばっちり昭和の、それも八十年代の漫画だったんですね。あれから二十年が過ぎて、私もすっかりおっさんになって、私にとってのゆうきまさみの季節はとうに過ぎ去ってしまって、それで、その二十年は私のなにを変えたというのでしょう。世相は変わって、漫画もアニメもすっかり様変わりして、けれど本当のところはどうなのか。本当に変わったものとはなんであったのか。そもそも、変わったものがあったのかどうかさえ、私にはよくわからないのです。

今度、『あ〜る』のイメージアルバムが復刻されるみたいですね。買ってしまいそうです。今となっては異様に豪華なスタッフ、キャストが驚きのアルバム。私は『BOY’S SICK』が好きでした。『わたしのアンドロイドくん』も好きでした。

買ってしまうかも知れません。

  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第1巻 (小学館文庫) 東京:小学館,1998
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第2巻 (小学館文庫) 東京:小学館,1998
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第3巻 (小学館文庫) 東京:小学館,1998
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第4巻 (小学館文庫) 東京:小学館,1998
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第5巻 (小学館文庫) 東京:小学館,1998
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第1巻 (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉) 東京:小学館,1991
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第2巻 (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉) 東京:小学館,1991
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第3巻 (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉) 東京:小学館,1991
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第4巻 (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉) 東京:小学館,1992
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第1巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1986年。
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第2巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1986年。
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第3巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1986年。
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第4巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1986年。
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第5巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1986年。
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第6巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1986年。
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第7巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1987年。
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第8巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1987年。
  • ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』第9巻 (少年サンデーコミックス) 東京:小学館,1987年。

CD

DVD

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