2005年12月19日月曜日

ヘラクレスの栄光

シリーズ中最も難易度の高い『ドラゴンクエスト』といえば、それはもう断然ファミコン版のIIであるといっていいのではないかと思うのですが、なんといっても、バランスが悪くてですね、敵の攻撃が容赦ない上に仲間の死にやすさはシリーズ随一。けど、そんなでもみんな文句をいわずにプレイして、クリアして、だって当時はあれくらいのバランスで普通だったんです。それに、ドラクエIIを上回る難度、バランスの悪いゲームなんてのもざらでした。

バランスの悪いRPGといえば私には『ヘラクレスの栄光』が思い出されます。主人公は神話上の人物ヘラクレスであり、ヘパイストスやアフロディテ、ゼウス、ポセイドンといった神々の力を借りて、冥界の王ハデスを倒すのが目的だった、ような気がします。いや、ちょっと待って、確かアフロディテがハデスにさらわれてたんだっけ。ああ、ちょっと思い出せません。

なにがバランスが悪いといっても、敵の出現率の高さはかなりのもので、通常時でロンダルキア地下一階級のエンカウントを数えます。途中で敵の出現率を下げるアイテムというのも出てくるのですが、これを使ってようやく通常のRPGのレベルに落ち着く。しかし、敵に出会うとアイテムの効果は消えてしまうから、また使用して、敵とエンカウントしたらまた使用して。面倒くさくなってもういいやって思うんですが、そうすると十歩も歩かないうちに敵に出会ってしまうから、面倒でも道具を使わないではいられない。

いかに忍耐力のためされるゲームであったでしょうか。私にとってこのゲームは、忍耐系ゲームとして記憶されているのです。

けど、リアルというかおどろおどろしいというか、コミカル系のドラクエとは一線を画した世界観、ヴィジュアルは実にいい味を出していて、また武器には耐久力があり、定期的に鍛冶の神ヘパイストスのところに詣でて直してもらう必要があるなど、なかなかシビアなシステムでもありました。そういえば、陸の敵、海の敵、空の敵それぞれに武器を使い分ける必要があって、泣かされるのは空の敵に有効な矢の数が足りないということ。ヘパイストスを専属で雇えば、毎回戦闘後に武器の耐久力は最大値まで回復するのですが、これはつまり戦闘中には回復しないということ。ラストの冥界の空飛ぶ中ボスを始末するのに、どうしても矢がぎりぎりで足りず、ここでもやっぱり忍耐ですよ。堪え難きを堪え、忍びがたきを忍ぶ。

私にとって『ヘラクレスの栄光』とはそのようなゲームだったのです。

ですが、こうしてまざまざと思い起こして、ちょっとばかりでも語れるというのは、それだけ好きだったということなのでしょうね。おそらく、というか、きっと、今の私は当時のRPGをクリアすることはできないでしょう。ですが、思い出の中にはあれらに費やした時間や気持ちがしっかり残っているから、機会があったらまた遊んでみたいなあなどと、無謀なことを考えてしまうのです。

まあ、遊ぶのは勝手ですが、クリアはきっと無理ですね。時間が足りなければ、忍耐も足りません。今やクリアは至難であると思われます。

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