2005年12月22日木曜日

5-A(ごのえぃ)

  渡辺純子さんの描く漫画はなかなかいい感じかも知れないなあと思った時期があって、以前にもいったと思いますが、こういうときの私の行動はまず既刊を全部買いそろえてみる。ええ、買ったんです。すでに絶版していた『ああっ御主人様!!』も、絶版しているかと思われた『無敵のファニー・ドール』も! ただ、『ファニー・ドール』に関しては発注しかたを間違えたおかげで、二冊も手もとにあるのですが……。しかも両方成年向けの漫画で、背表紙には逃げも隠れもできない成年コミックマークが。まあ、私はそんなのちっとも気にしないのですけど!

(画像は渡辺純子『まゆかのダーリン』第1巻,第2巻)

さて、一通り読んでみた感想ですが、どうも私はこの人の漫画は好きでも、この人のエロはあんまり肌に合わない感じで、例えばそれはこの人独自の特殊設定とか、そのへんが性に合わんのだと思います。で、こうした傾向は四コマ漫画においても多少はあるようで、小さな姪っ子まゆかちゃんに翻弄される高校生叔父さんを描いた『まゆかのダーリン』よりも御曹司せのお様とお屋敷付メイドのハートフルな交流を描く『ことはの王子様』(ハートフルって実に便利な表現ですね)のほうが好ましく、それでもって『ことはの王子様』よりも小学五年生のクラス風景を描く『5-A』のほうが好きだという。そういう構図ができあがっています。

  1. 『5-A』
  2. 『ことはの王子様』
  3. 『ああっ御主人様!!』
  4. 『まゆかのダーリン』
  5. 『無敵のファニー・ドール』

こんな感じ? ちょっと序列が違うような気もするけど、小さなことは気にしない!

上位に向かうにつれて、あざとさの隠蔽が進んでいるんです。あざとさについては作者も意識的であることは間違いなく、『まゆかのダーリン』第1巻おまけにおいて、そうした要素がばっちり指摘されていて、そのあざとさを共有しているという共犯感覚がたまらんのでしょうな。で、私はというとどうにも気が弱いもんでありますから、そうしたあざとさがきれいに払拭されているほうがいいわけですよ。それがつまり『ことはの王子様』で『5-A』なのです。

『5-A』。いいですよ。『まんがタイムスペシャル』の目次横漫画から連載に昇格して、目次横時代から大好きだったからこれはもう本当に嬉しいことで、年上好みのクール系美少年とか隠れショタ(?)の眼鏡先生とかほんでもって優等生系美少女? 完璧ですね。完璧じゃないですか。え、あざとさがどうしたかって? え、かげもかたちもないじゃないですか。隠れた共犯感覚がたまらないだなんて思ってませんよ。

今の好調が続くなら、いずれ『5-A』も単行本化されると思います。そういえば、渡辺純子さんはダウンロード販売されている雑誌にも漫画を描いているのですが、いずれこれらも単行本化されたら嬉しいなあなんて思います。

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