子供のころ購読していた学研の科学、多分広告かなんかが掲載されていたんじゃないかと思うのですが、電子ブロックという響きにはいやに科学的な含みがあって、欲しかった。いったいこれでなにができるのか、そもそもどういうものであるのか、昔の私はちっとも理解できていなかったのですが、それでもなにかすごそうだぞという予感があったものだから、内心憧れていたものでした。
でも、一度もねだったりしたことはありませんでしたね。きっと自分の手に余るものと思っていたのでしょう。実際電子ブロックは友人のおもちゃ箱の中にばらばらになって転がっていたのですが、私はちょっとさわるだけで、組み立てて回路を作ってなんて風にはちっとも考えませんでした。回路というものを作るものだという、そういう認識がなかったのです。
けど、私はハンダごて持って、市販のラジオキットを組み立てたりする少年でありましたから、もしかしたら電子ブロックで回路に目覚めたかも知れないのです。キットの中には、ハンダ付けの失敗でトランジスタを壊したりして組み上がらなかったものもありましたが、電子ブロックならきっとそういう心配もなく、いろいろな回路を組んではばらし組んではばらしで、きっと楽しいおもちゃになったろうなと思います。
私がこのキットを思いだしたのは、私のギター絡みの知り合いがプリアンプの故障時に電子ブロックを使って部品交換の下調べをしたというそういう話を読んだからで、そういや、ずいぶん前に電子ブロックが復刻発売されていました。で、調べてみたらまだ売っていて大喜び。
多分これって、昔、子供のころ欲しかったんだけど、貧しい時代ゆえに手にすることができず、大人になってその夢を果たそうという大人が多いんじゃないかと思います。ええ、私なんかも、なんだかちょっと欲しいと思っていますもんね。これでギターのエフェクターとか作れたら、それはそれでちょっと受けるよなあとか思いながら、なかなか踏み切れずにいます。
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