2014年12月11日木曜日

サンタクロース・オフ!

 季節のものでありますよ。『サンタクロース・オフ!』。タイトルからもわかるようにサンタクロースものなのでありますが、おお、これはまた独自のサンタクロース像を打ち出してきましたよ。サンタクロースというと、赤い衣装を身につけて白い大きな袋を担いだ白髭の爺さまが思い浮かぶところでありますが、この漫画においては、小さな、妖精を思わせるような女の子として描かれて、しかもプレゼントを届けないときた。ええ、まったく新たなサンタクロースを創出してきたというのですね。そんなサンタクロースたちと、人間の女の子たちの交流を描いたクリスマスもの、というか、クリスマスが終わっても普通にいるし! ええ、とにもかくにも一般的なサンタクロースものとは一線を画している漫画なのであります。

サンタクロースのありよう、それがなによりまず違うんですね。最初にいいました、プレゼントを届けない。爺さんでもなければ、そもそもひとりでもない。じゃあ、なにをやってるかというと、人にサンタクロースの気持ちをもたらす、そんな儀式をやっているというんですね。だからプレゼントをくれるのは、たいてい親です。それで子供の夢を壊しちゃってね、けど、こうしたサンタがいる、っていうことがまた別の夢なのだと思います。

鳥に追われて逃げ込んだ先が、睦月の部屋だったんですね。サンタクロース、雪降る子の日雫湖と同化せし頃夜明けと共に生まれし光、略して、雪の子の日、さらに略して雪日がベッドで寝入っていまって、それを捕獲されてしまうんですね。人に触れられると、その力を失ってしまう。また三年ほどを人の世界で謹慎? させられることとなって、すなわちここで睦月と一緒に暮らすことになるってわけなんですね。

雪日の目的は、サンタクロースの備える4つの力を取り戻すこと。けどなんだかのんびりしてましてね、人の世界のいろいろを経験して、楽しんでいる、そんな様子が悪くないのですよ。睦月と雪日、サンタはこのひとりだけかと思いきや、他にもいろいろ出てきまして、おやおやこの世界には結構サンタがいるんだ。人と一緒に暮らしているのがあれば、結構気ままに出歩いてるようなのもいるようで、人との交流あり、また人と人との交流もあって、そのコミュニケーションに面白みを、あるいはほのぼのとした優しげな感触を得るのですね。

登場人物、最初は睦月と雪日だけだったのだけど、サンタも人も増えていきます。それに伴い、彼女らの行動、気持ち、感情もぐーんと広がるようで、それはやっぱり個性と個性の出会い、その関わりあうところに発するものなのでしょう。ええ、コミュニケーションに発する面白み、であるわけです。

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