2014年12月18日木曜日

『まんがタイムきららミラク』2015年2月号

『まんがタイムきららミラク』2015年2月号、一昨日の続きです。

城下町のダンデライオン』は、修と花のその後ですよ。奏の誕生日のプレゼントを選びたい。なので買い物に付き合って欲しいっていうんですが、なるほど、修は花の気持ちにちゃんと答えようと思った、その気持ちを固めたっていうんですね。この漫画、茜様をメインにしながらも、兄弟姉妹それぞれをきちんと描いて、その丁寧さが素晴しいと思ってる。王になること、積極的な子もいれば消極的な子もいるわけだけれど、そのひとりひとりの気持ち、思惑、やりたいこと、なりたいこと、それが王位争奪という大きなイベントを軸に展開される。今回の修の気持ちなんか、本当にそうだったと思う。好きになった子に気持ちを伝えたい。できればずっと一緒にいたい。当たり前の望が、けれど王家の人間である修には簡単には決められない。その簡単には踏み切れなかった気持ちを、今しっかりと前へ進める、その修の思いが本当によく描かれて、伝わってきて、素晴しかったです。父王と母に似てるふたりとかね、ああ、先日の父母の出会いのエピソードとか、すごくよく生きてる。またあるいは、宮殿が描かれたことで、父王の望んだものがなんであったか、わかる気がした。ええ、しみじみ沁みいるものがありましたよ。

ゆずりはコーポレーション』、ゆずりはたちがテレビデビューですよ。例の静流との対決番組。そこで現時点の売上を発表することになるっていうんですが、楽屋でのいざこざから、新たに発生した約束。ゆずりは、挑発に乗っちゃったなあ。もし負けたらなんでもいうことを聞く、なんていっちゃった。そして7月8月の売上が発表されて、あー、100万近く差があるのかあ。もちろんゆずりは達が負けていて、給料も払えてないでしょうって、ほんと、そうだよなあ。大変だよ。中間発表で負けて、それで追加された条件っていうのが、最終結果で負けたら社員を引き抜かれるというもの。ということは、静流たちはゆずりは側の誰かを欲しがってる? そうかと思ったら、最後の静流とジニーの会話が謎そのもので、あれ? 彼女らは最後で逆転負けをするつもり? となると、なにが目的なんだろう? うわあ、なんか一筋縄ではいかん感じになってきたよ。うわあ、静流の意図、全然わからなくなっちゃいましたね。

『ミソニノミコト』、面白かったなあ。ミソニノミコトとサンタクロースの出会いとか。けど、そこからまさか神仏習合に話が流れていくとか、まったく予想外でした。神道と仏教の混じり合い。まさかそれをうどん屋とカレー屋で例えるとか、それもまったく予想だにできない展開で、いやはや圧倒。でもって、なんだかためになる。うん、面白くてためになる、そんな漫画に極端に弱いのです、私は。もう、今回、めろめろでしたね。もちろん簡単に描かれることで、神仏分離の意図するところとかは明確にはされないんですけど(おそらくは意図的に)、でもまさかそこで落ちがカレーうどんになるとかね、この発想、ほんとしびれました。あと、ミソニノミコトが蚊帳の外とかね、うん、なんか楽しい感じでした。こういうノリ、好きなんですね。そして後半のアイス争奪、これも面白かった。キャラクター、よく動いて、その魅力が発揮されてますよね。そしてここでも神仏習合。うん、ミソニノミコト、なんか楽しい神様であります。

『きしとおひめさま』、つくよと速人の昔の話。子供の頃の夏休みの思い出が語られて、しかしここで印象的なのは、つくよの能力ですよね。つくよの本当と嘘を見抜く眼力? いろいろと見抜き見分ける力が仇になったと思える話に、迷えるつくよを速人が救った。ああ、なんだろう、この回想はつくよと速人の関係、その発端を描きつつ、さらにいろいろ、多くを語っている、そのように感じます。いや、ほんと、この漫画は、こうして語られた多くの中にこそ、次に繋がって生きるものがあると思う。だから追って、拾って、把握していくの大変なんですけど、きっとそれをしっかり掴めると、より以上の面白さを発揮するんだと思うんですね。

  • 『まんがタイムきららミラク』第4巻第2号(2015年2月号)

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