2014年12月23日火曜日

『まんがタイムスペシャル』2015年2月号

『まんがタイムスペシャル』2015年2月号、昨日の続きです。

どろんきゅー』、めちゃくちゃ面白いですよ。クリスマスの夜、人気のケーキ屋でバイトをするっていうんですが、ここからがすごい。まるでこれまでの総決算思わせる陣容で、いつぞやのガイコツ兄貴が出てきたかと思ったら、謎のおっさんが出てくるし、佐倉目当てに集まる霊たちを自転車でひく佐倉母のパワフルさもすごくて、ほんと、霊たちのあたふた、すさまじかった。水道から吹き出る暖かなワイン。血の涙流すストーカー幽霊。もう最高。強烈でした。そして最後に泣いてるおっさん。ああ、お父さん。ああ、なんだ、ちょっといい話なんじゃないですか。

『うぶコメ!』、活き活きしてますね。かなでとなかなか会えない力斗が、なんとかかなでに接近しよう。そう考えて選択したのがマッサージ。いやあ、これが面白かった。先輩の肌に触れてもドキドキしない力斗なんですが、これ、あくまでもマッサージという意識が強いからなんだろうなあ。母で練習。ボランティアで出会うお婆さんもシャキッと健康に。そしてこの技術がかなでに炸裂するんですね。もう、笑った笑った。かなではマッサージという言葉に下心感じているというのに、力斗は見事に職人の顔。あんまりにストイックにマッサージを追求したせいで、もうまるでお店みたい。いやもう、最初の目的見失ってしまってる彼がいかしました。それで、最後にはやっぱりいつもの力斗くんで、いやあ、ほんといかす彼です。

『銀河系女子高生ありすちゃん』、なんと、次回で終わっちゃうんですね。その前段階として、将来の夢を語りあう。人はただ大人になるだけじゃない。どういう仕事に就きたいか、どんな将来像を描いているか、そういう話をするんですね。そこでわかる、意外と世俗に馴染んでるありすちゃんとか、自分の正体隠してるつもりでいたゆせとか、こういうの面白くて、そしてありすちゃん、ついに自分の夢を見出すっていうんですね。銀河と人間、時間のスケールがまるで違う両者が折り合える、そんな可能性を見出したのでしょうか。そしてありすちゃんの髪飾りが光っているそのわけは? 次回最終回! もう必見じゃないですか!

『アテナの初恋』、これ、いかしましたよ。合コンの現場で不穏なことを思っている男。ああ、これ、ゼウスが化けてるのか。ということは、ちょいと遊ぼうと姿を変えていった先で、娘のアテナに出会ってしまったというのかー。と思ったら、ちょっと違いました。ヴィーナスに誘われる娘を見て、心配のあまりついてきちゃったっていうんですね。呼ばれてないのに、堂々とまざれば疑われんって、ゼウス様、さすがに慣れたものです。そして娘との会話、なぜか自分の妻のこととなって、ええ、ゼウスはちゃんとヘラのこと愛してたんですね。そしてはじめて知る娘の表情。それと卑屈さ。父としては、ほんと、なんとかしてやりたい、そんな気持ちになろうってものだろうなあ。けど、正体がばれて、妻にぼこぼこにされた父にアテナが加えた罰。ああ、嘘はついてないよね。ちょっと怒って、けど父のことは嫌ってはいない、そんなアテナのいい娘らしさが見えて、とてもいいラストでした。

メェ〜探偵フワロ』、もうたまんねえなあ。ミスレモンからのおさそいでオペレッタにいくっていうんですが、まさかそこでヴィヴィ孫に遭遇するっていうのね。なんだかレモンさんとアーサー、いい雰囲気になっちゃったりしてる? とか思ってたところにガシィッでしょう。もうたまらん。フワロ氏はというと、ヴィヴィアンにがっしり捕まっていて、そのサブタイトルが「絡みつく女達」。もうたまらん。最高に面白かったです。ヴィヴィ孫とレモンさんの駆け引き、鞘当てがもう最高で、ミスレモンの闘牛面。おお、闘う女性というのですか。そしてついには、男の方にイライラしてきた。ついに加えて、親戚の男性とデキてるんじゃない? いや、オペレッタの話なんですけどね、それが実はアーサーとその周辺がモデルになってる。ラウール作のオペレッタという落ちで、いやもう、これはもうマスターピースですよ。こんなに面白いものもなかなかないってくらい激烈に面白かった。フワロ氏がアーサーに、めちゃくちゃいい顔でするアドバイスの酷さもすごい。最後の落ち、おじさん捨て身の救済もたまらん。いやあ、ほんと、親戚のおじさんとデキてるんじゃない? もう、転げまわる面白さでした。

  • 『まんがタイムスペシャル』第24巻第2号(2015年2月号)

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