2014年12月28日日曜日

『まんがタイムきららキャラット』2015年2月号

『まんがタイムきららキャラット』2015年2月号、発売されました。表紙は『ひだまりスケッチ』です。ゆのと宮ちゃんが、着物で羊でお正月です。ゆのの着物が割と挑戦的ですよね。襟や裾にファーがついてたり、それから足元はブーツ? 宮ちゃんの着物もファーはついてるなけど、こちらはゆののものとは違ってミニ丈ではないっぽい? 足元も下駄のようです。なんか鼻緒がえらくモコモコしてますけど。そして特筆すべきは、ふたりの頭についてる角、それから羊耳。なんだろう。妙に調和して、おかしいんですね。ゆのも宮子も、やたら似合っている、そう思える可愛さであります。

『純情乙女骨董店』、ゲストです。骨董品店ねじまき堂にて店番をする女の子、つむぎが接客をする漫画でありますよ。店主は姉なんだけど、世界中をめぐって買い付けしている。なのでひとり残された妹が、ぬいぐるみのくまちゃんと一緒に店番をしているってわけです。品物には全部姉による解説がついていて、和綴じの冊子になってるんだけど、結構なカタログだなあ。今回のお客さんは、これもまた女の子、青っていう子なんですね。硯を探している。祖父が墨を残してくれた、ってこれもまた結構な古墨だったりしそうだなあ。それに合う硯が欲しい。ピンときたのが陶製の硯、陶硯。青の記憶にあるお爺さんの湯呑み、それに似た模様が青の気持ちをつかんだんですね。この硯、つむぎによると200円。安いけれど、安いから駄目だと、値段だけで決めてしまわないで欲しい。この時のせりふ、表情、とてもよかった。ものとそれを持つ人、それがぴったりとするのがいい。そうしたモットー、実によく、けどつむぎ、店番としてはあんまりよろしくないっぽいですよ。いやあ、POSがあってよかった。その硯、なんと20万円。買えない、けれど欲しいので、この店で働いて買います。そうした流れがあって、そして青、硯を使ってみる。ああ、すらっと書いてみせた自分の名前。その筆の流れ、よいじゃないですか。ええ、次回からはつむぎと青のふたりで店番でありますね。あ、くまちゃんもいるのか。

『マリアの林檎』、これ、おかしかった。ボランティア部員のまりあさんにお願いが、そういって屋上にやってきたのは生徒会長の林檎。とにかく非のつけどころのないお嬢様なんだけど、それがどうにも不安らしい。だからまりあに罰して欲しいという。罵ってほしいという。と、ここまではいいんだけど、客観的に見る限りにおいて、罰とかどうとか別にして、そういう性癖なんですよね、林檎さん? 意図せざるまりあに、じっくり言葉で責められて、思わずぞくぞく。辱めでまたぞくぞく。うーん、変態だ。ふたりの友情ものなんですよね。まりあのこと気にいった、友達、そういう林檎だけど、まりあと友達だなんて恥ずかしい。その言葉にちょっとまりあは傷ついた。けど、林檎の真意は違うんですね。ああ、はじめての友達がまりあなのか。その事実が恥ずかしく、また嬉しくて、それで会長、思い余って、全校生徒の前で大好きな友達、まりあさんだなんていっちゃうんだ! まりあ赤面、林檎はぞくぞく。変態だーっ! 罰だなんていってるけど、いや、ほんと、不思議でおかしな読後感。これはちょっと癖になっちゃいますよ。

『いろはよしなに』、これとても素晴しい。伝統深き白鳥女学校。そこに入学してきたいろはは、育ってきた環境のせいで女性が苦手だっていうんですね。なのにこの女の園。出会う人出会う人にドギマギして、逃げ出して、けれどお嬢様にしつこく言い寄る不埒な男性、男だったら怖くないと、ずいと前に出、撃退してしまうんですね。なるほど、これが一条美代といろはの出会い。優しくたおやかなお姉様で、まあいろはは逃げちゃうんだけど、なるほどこの人との友情なのかなんなのかをいろいろ深めていく漫画なのね。そう思っていたら、あらあら、早合点。まだあるんだ。さらに上乗せしてくるんだ。ええ、もうひとりお姉様がいるんですね。下級生の振る舞いに毅然と注意する、凛々しくも気高いお姉様、それが仁科鏡子。本来なら上級生、下級生、ふたり一組となるはずが、手違いで美代、鏡子、いろはの三人が同室になってしまった。さあ、ここからですよ、ここから。この一年で、ふたりの上級生から、ひとり、お慕いするお姉様を決めなさい。そうなって、ああ、いろはの争奪戦? ああ、これいいよ、これ素晴しいわ。この状況を成立させる展開の見事さ、そしてお姉様、ふたりともに素敵で、わあ、これはいい。見事に期待の第一回でした。

『フタリグラシィ』、ゲストです。あ、『ボドゲde遊ぶよ!!』の人! こいつは嬉しいなあ。女の子ふたりの同居ものなんですね。物静かで黙々と本呼んでるりなと、なんだか落ち着きのないしぇるのふたり暮らし。ほんと、しぇるのキャラクターがたまらんですよ。ひとり、わーっとなんか盛り上がったと思ったら、たいしたことなかった、すっと沈静化してみたり、なんか思い付いてヒゲとか作り出して、こうとやる気出したら熱心なんだけど、出るゴミはあたりかまわず放置して、それをりなが片付けてくれてる。この盛り上がりそうで、全然盛り上がらないコミュニケーション。腕立て伏せどころか腕伏せになってるりなとか、夕食のおかずのリクエスト、聞くだけ聞いて関係ないの出すしぇるとか、微妙に噛み合ってるんだかどうだかわからない、その合間、遊びとでもいったらいいんだろうか、そこに不思議とおかしみが湧いてきて、いやあ、面白かったです。ふたりの関係いいですよね。自由すぎるしぇる、りなもか。家事は分担してる。しぇる、ご飯作る。りな、片付ける。基本的にアクション起こすのがしぇるで、それを片付けて安定させるのがりなって感じ。仲良くて、あのプレゼントのくだりとかね、わお、りなが高揚している。うん、よかったですよ。ふたりとも可愛い。チャーミングなのです。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第11巻第2号(2015年2月号)

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