2011年10月16日日曜日

ロウきゅーぶ! オリジナル・サウンドトラック

 『ロウきゅーぶ!』は人からすすめられて見たアニメ。最初は、女の子いっぱい出して、その可愛さで押す、そんなアニメなんだろうと思っていたら、どうも違うらしい。結構真面目にバスケやってるよ、っていうので、見てみたら、ああ確かにそのとおりだ。特に2話なんて顕著だったのですが、バスケが描かれると俄然面白い。これは確かにスポーツものだなあ、そう思わせるところ大でして、そして原作を読めば、アニメ以上にバスケシーンがしっかり描かれていて、これいいな、すっかり魅了されたのでありました。といったわけで、その音楽編。キャラCDともまた違う、サウンドトラックについてです。

『ロウきゅーぶ!』の魅力は、可愛い女の子たちもさることながら、バスケがきちんと描かれていること。そういっていましたように、音楽も、ほのぼのコミュニケーションから緊迫した試合にいたるまで、幅の広い曲調揃えて、結構な充実したアルバムになっています。私が聴きたかったのはバスケの試合中によくかかってた音楽、果敢に攻めて点数をとっているとか、特に動きが大きい時のBGMなんですが、これタイトルが「開眼」ってついてて、えー、開眼なのか。なんか思ってた印象と違うな、そうは思うけど、サントラの曲名どおりに曲があてられてるわけでもないでしょうから、まあ、とにかく「開眼」です。

この曲、シンセ主体で、かっこいいんですよ。悲しいことに、私にこうした音楽を説明するだけの語彙や基礎知識がないので、かっこいいとしかいいようないんですが、擦過音といったらいいのか、こすれるような音で作られた短かなフレーズが、畳み込まれるように次々演奏される、その息詰まるような感覚がいい。そう思っていたんです。

ところが、もちろん「開眼」もよかったのですが、コミカルな曲、そいうのもすごくいい。結構覚えてるんですよね。もちろん、あのSNSのBGMは覚えてます。ありゃ、絶対耳に残るでしょう。ED曲の『Party Love』のインストということもあるけど、それだけじゃなく、昔のゲーム、それこそ8ビットとか、そのくらいの時の雰囲気を出して、面白い。この他のコミカルな音楽も、シンセ主体だったり、そこにヴァイオリンを加えたり、聴いていてすごく楽しい。この、楽しい音楽というのを作れるというのはいいな。そう思ったのですね。

そして、結構しんみりとさせる、メロウな曲。多いですね。驚きました。確かに、このアニメは、そうしたしんみりしたシーン、多かった。バスケと友達、バスケも大切だけど私は友達を選ぶと智花がいう、それからの一連の流れとか、壁があるんですよね。ひとつ壁がつくられて、その前でいったん悩んだり苦しんだりして、乗り越える。その時の心情を静かに支えていたのが、これら音楽であったのでしょう。シンセで奏でられる澄んで切ないメロディ、そういうものがあれば、オーボエやギターの歌いあげるフレージングが胸に迫って、いいな、このアルバム。むしろ予想してなかった方面から魅了されている。そんな感じがあります。

しかし、思えば、この感覚。アニメ自体がそうだったように思います。実に多面的で、そのひとつひとつの面に向いている姿勢が真面目。それはバスケというスポーツの描き方もそうなら、エンターテイメントに徹する精神もそうだったのだと思います。そしてその真面目さは、音楽においても変わりなかった。そう思わされる出来でした。

  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2009年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第2巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2009年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第3巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2009年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第4巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2010年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第5巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2010年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第6巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2010年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第7巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 蒼山サグ『ロウきゅーぶ!』第8巻 てぃんくるイラスト (電撃文庫) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 以下続刊
  • たかみ裕紀『ロウきゅーぶ!』第1巻 蒼山サグ原作 (電撃コミックス) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • たかみ裕紀『ロウきゅーぶ!』第1巻 蒼山サグ原作 (電撃コミックス) 東京:アスキーメディアワークス,2011年。
  • 以下続刊

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