『まんがタイムきらら』2011年11月号、発売されました。おお、素敵な表紙。読書の秋、文学の秋なのでありましょうか。『あっちこっち』のヒロイン三人、うちふたりが赤いフレームの眼鏡をかけて、本を持って、その服装もとても素敵。背後にはきれいにぼけた黄葉の並木、そして高く青い空であります。色合い、雰囲気がやわらかで、素敵な表紙だなあって思います。あの、つみきと姫の文学少女的出で立ち、そのおだやか、やわらかさが最高だと思います。具体的には、服の好みの問題なのかも知れません。
『ホシゾノギルド』は、ギルドの活動からちょっと離れて、彼女らの休日の風景ですね。ハルちゃん、学級1位。みなから教えて教えてと頼られるけど、そんな彼女を当たり前の友人として見てくれる梨乃、日向、望、そんな感じですね。あんまりおしゃれに挑戦しないハルを皆であれこれ着せ替えてという、特別な女の子扱いしない関係。それをハルが大切に思っているというのが伝わる、いいエピソードだったと思います。ギルドで依頼、ミッションをただただこなすというだけでなく、こういう奥行も作られていく。これはいい展開だなあって思いました。
『天然あるみにゅーむ』が面白いなあ。放課後女子会、持ち寄りお菓子かと思えば、佃煮ぬかづけ、ナチュラルに山菜採りにいくことが決定という展開が素敵です。でもそれで、あるみの姉ちゃん子というのが判明する、それがいいな。いつものあるみと全然違う。ほんと、どんだけこの子は姉ちゃんのこと好きなんだって、その好き度合いがびしばし伝わる素敵な回であります。加えて、ユキの新鮮さ、またマリーのあれを知らない姉ちゃんの驚き、あの新鮮さ、それらもよかったです。
『ぶらっくろにくる』、ゲストです。夢見る女子、青桐すずが出会ったのは、夢見る(?)男子玄野黒須であった。って、中二病なのか。いきなりのくさい台詞。けど、それが決め手になって恋しちゃうすず。この子はこの子でいろいろまずいな。このふたりでは話が進まんのか、それぞれに友人があって、率先して動いてくれる。いい友人だなあ、というか、玄野の友人赤城優一の玄野を理解している、その度合いがものすごい。けど、この漫画で一番面白いのは、自宅でのふたりだと思う。夢見るすずは方言娘。一方玄野は常識人で結構素朴!? これは面白いな。しかし、玄野、彼を中二病的言動に駆り立てるもの、それはなんなのだろう。ちょっと興味深いです。
『箱入りドロップス』は、ほんと雫が可愛いなあ。宿題楽しみだなぁ…
、この威力! そうかあ、宿題さえも楽しみなのか。あの表情、ぴこぴこ動くアホ毛。ほんと、このなにもかもが初めてで新鮮でという様子、こりゃもう本当になんでもいろいろ教えてあげたい、これまで知らなかったこと、いろいろ知らせてあげたい、そんな気になりますよね。でもって、花火に対するあの反応ですよ。ものすごく楽しみで、いろいろ手につかない。ああ、子供ってこうですよね。その子供のころのわくわくが、この今にまで美しいまま保存されている。そんな感じがする。反面、手持ち花火におののいて、この慣れてないから怖いっていうのが、またまた可愛いときてる。大きすぎる期待や、素朴で素直な応援や、ほんと一挙手一投足が、いちいちキラキラ輝いてるよね! ほんと、素晴しい。ほんと、素敵な漫画であります。
- 『まんがタイムきらら』第9巻第11号(2011年11月号)
引用
- 津留崎優「箱入りドロップス」,『まんがタイムきらら』第9巻第11号(2011年11月号),93頁。
0 件のコメント:
コメントを投稿