2009年5月28日木曜日

『まんがタイムオリジナル』2009年7月号

『まんがタイムオリジナル』が出て、『まんがタイムKRコミックス』が出て、そして『まんがタイムきららキャラット』の出る月末は、私にとってはかなり嬉しい、そんな数日です。単行本に関しては、月によって出るのが違うから、毎月仕合せ! というわけにもいかないのですが、いや、結構毎月仕合せっぽいですけどね、ともかく雑誌です。『オリジナル』も『キャラット』も、どちらもかなり面白い、好きな連載がある、というわけで、月末は漫画読んで嬉しいなあなんて思っていることが多いのでありました。

ラディカル・ホスピタル』は、女性職場における男性の位置付けみたいなことがテーマになっていて、男性職場における女性の位置が難しいように、その逆もまた難しくて、ちょっと昔の職場のことを思い出しました。私の立ち位置は榊先生的であったように思うのですが、けどあんなにオープンではなかったな。派閥のようなものがあったりすると、どっちの味方になっても損になるから、中立のちょっと外れた位置にいたように思います。というか、私はいつも外れてるけど。そう考えれば、この大ちゃんの描写というのは、外れることもなく、かといって中央にでんと立つわけでもなく、理想的なポジショニングでありますね。それはそうと、男装マッキーの可愛いこと。それだけに、扉ゴマは残念でありました。

ただいま勉強中』が『オリジナル』に移籍してきて、けれど芳文社全誌を買ってる私には、あんまり移籍どうこうという印象はなかったり。そもそも、どこから移籍してきたんだっけ? てなもので、まあ『ラブリー』からというのはちゃんと覚えてますけど、これでなおさら『オリジナル』のバリューが高くなったように感じています。

さて、漫画の内容はバス酔い、だけじゃないけど、ともあれ、バス酔いは私にとっても人ごとではなくて、最近はもう大丈夫なんですけど、それでもバスに乗る、車に乗るのは避けたいと思う気持ちが残っています。いや、ほんと、大変なんですよ。子供のころは、酔い止めを飲んで、これで大丈夫、これで大丈夫と暗示をかけるようなことしてましたっけね。これもひとつのプラシーボみたいなものだったと思うんですけど、薬飲んだり民間療法でやりすごそうっていうね、そうした人の大半は不安に思いながら、以前はこれで大丈夫だったんだから、今回も大丈夫なだ、って思い込もうと努力してるんですよね。だから、エース藤堂の気持ちはよくわかります。プラシーボについて理解しても、それでもなんとか暗示でやりすごそうとするのが我々です。

『あかるい夫婦計画』の箸とパジャマの話。私もまんまそんな感じです。箸はそろってないといやだけど、パジャマはもう上下一緒のものがありません(ズボンが先に駄目になるの)。でも、やっぱりパジャマも上下そろいのほうが気持ちいいかも知れませんね。『ヤング松島喜久治』は、松島さん、いくらなんでもそいつは駄目です。

『先生のたまご』のクーラーの話、そうかあ、今は学校でもクーラーがはいるんですね。クーラー苦手な私には辛いな、って、学校なんてもういくことないと思うけど。しかし、数木先生のワナだけれども、みんなそれに従うってのが素直だなあと。私だったら絶対従わないなあ。協調性がないのであります。『ハッピーエンドではじめよう』は、やっぱり死人が出るんだけど、同僚が猫になって帰ってきているのに、そいつを疑問に感じながらも自分だけの幻覚だと思ってそのままにしてしまうっていう描写、ちょっといかすなあ。というか、ゲームやって号泣してる神さまっていうのもいかします。私は、この漫画の転生を重ねて魂は成長していくというくだり、あんまり好きじゃないんだけど、それでも種としての我々は知識や経験を継承していくことで成長してきたわけだから、種としての人は、この漫画にあるように、次代に成長を期待していくのだろうと思います。

『今日から寺バイト』の仕事イコール不幸というところ、そういえば以前いってた袈裟着てた先輩っていうの、あれも急な不幸に対応できるように袈裟を常備してたからって話でした。いつ呼び出しがかかるかわからない仕事っていうのは大変だと思います。『ささきまみれ』の年収4千万でイケメンのUFOマニアっていうの、実際にいたとして、けどそれってちょっと躊躇するタイプのように思います。いや、マニアったって、その傾向次第だとは思いますけど。「突然連れてこられて」は、ちょっとむごいネタなんだけれど、そういう光景はテレビで見たことあるような気がします。まあ、それは突然連れてこられたわけじゃないですけど。

『恋は地獄車』、困った、結構面白い。でも、共感はできないし、ああいう男はいやだなあ。まあ、当人同士がよければいいんだろうけど、そういう相性もあることは理解できても、あんまりよい相性だという気はしないです。需給の一致といったら、まあそうかなとは思うんですけど。

『ミラクル書店』は、西田くんが戸張さんにおつきあいを!? いや、ごめんなさい、ちゃんとわかっていってます。なんとなく近付きながらも、なんとなくくっつかない微妙な関係でひっぱるもんだと思っていたら、こういう方面からの後押しがあるとは、ちょっと意外でした。やるじゃん、西田くん! とは思うけれど、彼が仕合せになることはなさそうだから、ちょっとかわいそう。でも、いいや。君は君の役割りを頑張った! 動きがあったといえば、『マルビプリンセス園華サマ』もそうで、修二と伊達さんの展開が落ち着いて、こちらでも落ち着かせて、それで一段落ということなんでしょうか。次号待ちですね。

『恋するマロン』は、喫茶店もの。絵は素直で可愛くてわかりやすくて、話や雰囲気も落ち着いて、悪くないと思います。オーソドックスというか、来月にはもう継続して載ってる漫画なんじゃないかって思うくらいには馴染んでそうな予感がします。対して『おかまん研』は対照的、岡山県舞台、高校もの、岡山弁で三者三様の妄想を語る女子たち、って、ちょっといきなり突き抜けてるな。初回から振り落された人も多いんじゃないだろうか。正直なところ、私も度肝を抜かれる思いをした口なんですけど、けどそれでも、モデルが動くなよ、困ったことに面白いと思ってしまいました。うまいこと落ち着いて、残ってくれたら、これはこれでいいなと思っています。

『おたママ♥』の扉は『けいおん!』EDのコスプレ? そりゃいいんだけど、なんでギター? しかもなんでガットギター? ものすごく中途半端じゃん! と一応突っ込みはいれましたけど、これは、ベースを、それもできればレフティを調達したいと思いながらも、手近にあるそれっぽい楽器で妥協せざるを得なかったコスプレイヤーというネタなんだろうと思うんです。いや、ほんと、うまいと思います。こういう、惜しい! もうちょっとで完璧なのに! といって、もにょる感覚をうまく引き出してくれて、その、なんといったらいいのかな、やっぱりもにょもにょするっていうのでいいのかな、大好き。作者のクレジットに隠れて見えないけど、遥が持ってるのは鍵盤ハーモニカなのかな。こういう、頑張ってるんだけど最後まで詰め切れないという現実性をあえて持ち込んでくるところ、最高だなと思います。

本編の実質同じCDを複数枚買わせるっていうの、友人がやられてます。ジャケット違い、ご丁寧にボーナストラックがついていて、その違う一曲のために複数枚買って、しかもそれがツアー限定版と通常版で違ったりもするとかいう話ですか? 客の足元見るっていいますけど、こういうやり口ってアニメ業界特有なのかと思ってたら、もっとえげつないところもあるって知ったあのとき、もう本当に驚きました。そうした策略に乗るのは馬鹿らしいってわかってても、それでも買っちゃうのがオタク、マニアの性なんでしょうね。もう、堕ちるところまで堕ちてやる……、そんな気持ちになりますな。

漫画本編も面白かったけど、次にいきます。

そこぬけRPG』は、もしかしたら普通に藤崎さんの成長エピソードみたいに読めたりする? だとしたらそれも楽しみですが、それ以前に、こういう女子の欲望ふくめてもろもろ大暴露的な話は大好きなので、楽しくてしかたありません。腐臭のする! いいね、素晴しいよ。格闘で奪い合いはちょっと萌えるかもな! しかし、こうした動きのある会議、というかブレインストーミング、楽しそうだなあ。オブザーバーとして立合いたいような場であります。

ところで、さっきの『おかまん研』が登場してくる土壌というのは、『おたママ♥』や『そこぬけRPG』、それから『あなたが主役になった時』のような漫画が整備したりしたんでしょうか。私は好きですが、それにしても思い切ったものだと思います。

『花の委員長』は、なんだか少女漫画誌に載ってそうな漫画、特に絵柄がそうかなって思いました。内容は割と普通。やっぱりちょっと一般誌っぽい? 昔、少女誌読んでた時のこと思い出しました。いや、そんなに少女誌っぽいってわけでもないんですけど。少女誌っぽいって感じるのは、女の子を可愛くは描くんだけど、男から見ての可愛さではないってところかなと思います。でも、さばさばした女の子は魅力的です。

『うっちゃれ!!乙女組』と『田舎Days』が終了です。『乙女組』は早かったなあという印象。『田舎Days』は、これが潮時だったのかな。結構地味ながらも好きだったんですが、というかその地味さが好きだったんですが、やっぱり地味はだめなのかな。

『アサヒ! — 動物園に行こう』が巻末で2色。私はパンダがとにかく好き。ひょうひょうとしたパンダ竹之介、そしてコアラの三郎のシンプルにして的確なつっこみ。「あさひの秘密」は意外な落ち、そのナンセンスさもよかったです。

  • 『まんがタイムオリジナル』第28巻第7号(2009年7月号)
  • 引用
    • 小坂俊史「ささきまみれ」,『まんがタイムオリジナル』第28巻第7号(2009年7月号),84頁。
    • 山吹あらら「おかまん研」,同前,118頁。

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