2009年5月8日金曜日

『まんがタイム』2009年6月号

昨日は『まんがタイム』の発売日でした。連休明けての最初の出勤日。いつもよりちょっと早めに起きて、余裕を持って出発。駅前のコンビニで『まんがタイム』買って、電車乗って、また日常に戻ってきたと実感しながら職場へ向かったのでした。ところで、そのコンビニというのは四コマ誌に関してはちょっと優秀でして、芳文社の四コマ誌は多分全部買える。竹書房は『まんがライフMOMO』が買えないかも。双葉社は『コミックハイ!』が買えない? けどこれって四コマ誌じゃないよね。おそらく日本でも有数の四コマ誌品揃えを誇るコンビニだと思うのです。でも、これ、多分私が買い続けてきたからなんだと思うんです。一度でも違う店で買うと、翌月からは置かれなくなるんじゃないか。そんな心配しながら毎月雑誌を買っています。

『まんがタイム』2009年6月号は、野暮なおっさんに始まって、粋、粋、飛ばして、粋と続く、そしていちびりに着地するっていう、変則のリズムが面白いというかなんといいますか。ここは野暮には言及せずに、最初の粋は小説家、『だって愛してる』、畑中氏は実際かっこいいのかも知れないな。すれっからしのニヒリストぶっているけれど、その内面にはウェットな感情を隠していて、しかしそれを表にだらだら出したんじゃ粋じゃない。次の粋は『ニッポンのワカ奥さま』、江戸っ子は初鰹に粋を感じたっていうネタがありましたが、そういえば出だしは青葉、あとはほととぎすがあれば完璧でしたね。初鰹にしても青葉にしても、ただそれが初物というだけで珍重したってわけでなく、生活のはしばしに季節を感じて、それを楽しもうという、その心意気が粋だったのでしょう。しかし、ワカさんの焼き鳥屋での一コマ、楽しみに貪欲である、しかし押し付けがましくないっていう、その姿、それが粋だと思います。そして『ラディカル・ホスピタル』、粋っていうのは、大げさでなく、けれど気の利いて、お、これはいいねと思わせる、そうしたセンスであるのかも知れませんね。べたべたとせず、さっぱりとして、所作ふるまいからが身綺麗と感じさせる、そうした見せ方、生き方が粋、ってやつなんでしょう。

関西では、粋にあたる表現って、どういうんだろう。しゃんとしている? ちょっと思い付きません。けど、その反対はわかる。いちびり、ですな。それこそ『わさんぼん』の主人公、ああいうのがいちびり。なんや、あいついちびりやがって。えらいごんたがきよったもんやで。そういって、京都だといけずする。ゆうか、多分東京でも野暮は嫌われるもんやと思いますが、それは関西でもおんなじで、いちびりは嫌がられます。その点、草太はいちびりでも、まだ愛されてるなあ。主人公補正なのか、ばたばたごちゃごちゃうるさいだけで、阿呆なだけで、悪いやつやあらへんからか。どうかはようわからんけれど、まあ、こういうのんは苦労したらええと思います。

『はこいり良品』は商店街の将来を憂えてみたりして、しかし本当に商店街とか歩いてみたら、このお店大丈夫なんだろうかと心配してしまうようなことってあります。すごく人のいい奥さんが店番されてたりしましてね、あるいは古書店のおやじさんといろいろしゃべってみたりしましてね、なんかそういう交流が嬉しかったりするんですが、けれどそうした非効率は効率の前に消えていくんでしょうか。スーパーもいいし、大型の郊外店もいいけど、ああした商店がやっていけないという世の中ってちょっといやだと思います。

天子様が来る!』では、ユキジが哀愁漂わせて、なんかほのかな哀れさがしみじみとした笑いを誘います。あの、いそいそとお茶の用意なんかしちゃってる姿、ささやかなしあわせを感じているんだなあって、あのコマだけでわかります。だからこそ、あの落ちでの落胆は、哀れで哀れで。いつかユキジがうちにくることがあったら、おいしいお菓子を出してあげるよ。

みそララ』は想像していた以上に正攻法で取り組むことになって、けれどそうした無理矢理にアクロバティックにもっていかないところ、それがこの漫画のよさなんだろうなって思います。すとん、すとん、といちいち納得のいくような、発想と頑張りがあるから、それがどういう結果になろうとも、それでもよかったよねという気分になれるのだと思います。そして、きっと今回は、最後の最後、結果も、ああよかったねというところに落ちるだろうと予想して、それはつまりあの困りものの店長がみごと攻略されればいいと思っているってことです。そして、その攻略されるということは、店長の満足感にも繋がる。誰も損しない、誰もがいいと思える結果が出る。それはもう本当に爽快なことであるなあ。ところで、あの箱の失敗談、わらったけど、多分、これは現実にあったことなんでしょうね。現実だときっと笑えないと思います。笑ったとしても、ひきつり笑いが関の山ってとこでしょう。

『ウルトラ金ちゃん』は、銀ちゃんがなんだか色っぽくて、でもこういうこというと、なんだかすごい罪悪感があるから、黙っておきたいと思います。ザクロがザクレロに見えたというのも内緒です。

『プチタマ』は、あのいつも怒っている印象のあるお母さんが、めずらしく失敗したりして、ああやはりたまりの母であるということなのか。あの、溶けたアイスクリームはものすごい甘さでしょうね。一度経験すると、次からアイスクリームを食べるのを躊躇するようになる、そんな強烈さがあります。

『ハコニワ』は、新しくやってきたお母さんは死神、だから常識をあまり知りません、という設定がよくいきていたと思います。単純だけど、面白いと思うところがあって、うん、四コマ漫画は単純で面白いというのが一番いいと思うんだ。

『男子のための人生のルール』は、怪獣消しゴムのモデルになってる怪獣が、なんとなくわかるようにできてるところがいいですね。からすやさとしはこの怪獣相撲を平成の、21世紀の今になってもまだやってるそうです。まあそりゃいいんですが、私は賭けごとは嫌いです。あの眼鏡の女の子みたいな人は好きです。

『それぞれの夏』は、なんかすごい脱力感があるのですが、絵からも、内容からも、けれどそれがよくマッチしていてよかったと思います。野球一本というのは、基本的に野球を見ない、しない私にはちょっときびしかったけれど、それでも面白かったです。ユニフォームに料理の材料が書いてある、あのばかばかしさはよかったです。

『おかんでGO!!』、おかんもギターです。薔薇柄の、ちょっとそいつは悪趣味じゃないかと思うようなギターですが、けれどおかんには妙にマッチしているように思います。ヘッドの向きが逆、つまりレフティをひっくり返して右用にしてるのは、きっとおかんがジミ・ヘンドリックスファンだからなのでしょう(冗談抜きで、そういうモデルが存在しました)。『放課後のアインシュタイン』で先生が弾いているギターは、多分レス・ポールカスタム。まあ、そんなことはどうでもいいのですが、背水の陣を敷く先生に胸打たれたのは私も同じです。ところで、超恐竜展って、今、国立科学博物館でやってるやつ!? と思ったら、本物は大恐竜展でした。いってみたいなあ。面白そうだなあ。

『視界良好』は、姉成田秋奈が好きですが、それは眼鏡だからじゃなくて、みつあみだからでも、セーラー服だからでもなくて、そのはきはきとして明るくてはつらつとしている、そうしたキャラクターにひかれているのだと思います。ちょっと凛々しい感じのお姉さんってところがまたいいのだと思います。

『サーシャはなでしこ』。ベタな話なんだと思う。どこかで見たような、経験したような、そんな感じがする。けどそうしたところがいいと思っているのかも知れません。お弁当の話はよかったです。めりはりがあって、テンポよく、台詞にたよらず、面白さを感じさせてくれて、よかったです。

『ラブじゃらし!』は、姉妹ふたりで暮らしてるのかと思ってたら、なんとお母さんがいるっていう、そいつはにゃんズでなくとも驚きだ。なんだかちょっと『にこプリトランス』思い出したりしましたよ。

『安堂友子の生きてます日記』、お母さんの歯が怖いです。あれは、今はやりの肉食系とかいうやつですか? 肉じゃなくて、チョコ食べてますけど。そして『PEACH!!』。ヒラメ食べたくなりました。台湾式広能も可愛いけれど、おさんどんする割烹着広能はもっと可愛いです。しかし、すっかりちっこくなっちまいましたね。

  • 『まんがタイム』第29巻第6号(2009年6月号)

2 件のコメント:

nyangetsu さんのコメント...

あの銀ちゃんはエロかった。裸足でローアングルですもの。
私はあまり罪悪感を覚えないのですが、人としてまずいかもしれません。

matsuyuki さんのコメント...

美しいものを見て美しいと感じる。そうした感情はとめられるものではありませんから、色っぽい、エロいと感じるというのも、実際のところ、しかたのないものであろうかと思います。

罪悪感は、そうした感情をどうして罪と思うのか、そのとらえかたでしょうね。そうと思わないのは、それも自然と思うからか、あるいは開き直りなのか、それも個々人の思いひとつで変わってくるものでありましょうから、一概にどうといえるものではないのでしょうね、きっと。