13日は『まんがタイムラブリー』の発売日。『ラブリー』は、今なんだか誌面刷新の最中であるようなのですが、今月はさすがに覚悟していたからか、先月ほどに戸惑うようなこともなく、スムーズに読むことができたように思います。けれど、思い返してみれば、はじめて買ったころの『ラブリー』の雰囲気に戻りつつあるような気もしないでもない、そんな気がして、それは多分レディーズコミック誌に掲載されそうな漫画の存在がためかも知れません。
『夏生ナウプリンティング』は、印刷屋で働く人たちを扱って、わりと面白いです。今回の消しゴムで消す話、紙ヤスリを使うという話、聞いて知ってはいるのですが、あらためてこうして読んでみても面白い。いろいろな仕事の現場にきっと存在するだろう、その仕事に固有の話、そうしたことを知るのはやっぱり面白いものだと思います。だから、こうした情報が出尽くしてからが勝負なのかと思います。
『うさぎのーと』は針羽の可愛いこと! しかし針羽が可愛いのはいいんだ。それよりも、片岡がおそろしく可愛く描かれてるというのは凶悪だなあ。あれは迷うわ。いや、ほんまのはなし。
『たたかえ!WACちゃん』は、台詞の一部を抜き出してみたら、あやしいやら、あぶないやら。あたしやります(男と)!!
とにかくヒロインが自衛隊に入らないでは話が進まないから、なんとかして逆転合格するんだとは思ってたけど、実際ああいうことってあるんだろうかって思ったりもしたんですが、まあいいや気にしない。スーツ大好きの私は、ちょっと今回のヒロインにほだされかけたけれど、やっぱり共感しにくいということは変わらず、けどこういうヒロイン像はレディーズコミックにはわりかしあるように思います。浮き足だったこの人が、今後の訓練でどんな風になっていくんだろうと思うと、ちょっとそれは面白そうかも知れないと期待させます。
『パニクリぐらし☆』は耳が痛い。いやもう、こないだ棚を増やしたところですから。けど、あれでもどうも焼け石に水っぽい。そうやって、大量の物とたたかってみてわかったんだけど、整理されている家、部屋っていうのは、そもそもものをため込まないのよ。捨てるのよ。けど、捨てられるならあんなにはならないわけで、けど兄貴はあれらのものをどうしたのだろう。捨てた? そうでないのなら、片付けの秘訣というものをうかがいたい。いや、ほんと、マジで。とりあえず私は、いつか家を一件、収納目的で買わねばならないのではないかと怯えています。
『ハルの見えない望遠鏡』は、まだはじまったばかりだからなんともいえないけれど、雪女のお嬢さんと村の人たちとの交流が描かれる? ちょっと期待してみようと思います。
『ミニっきえにっき』。こういう人情っぽいのを描かせたら、ナントカはすごくよい、そんな風に思ったのは、ミニ様の両親の馴初め話を読んだからなのか。母の日の情景、ミニ様の境遇を知って、素直にやさしくできない少年の不器用さ、あれはよいものがあります。なんで、小学生男子ってああなるんだろう。ツンデレ? 知らんけど、でもなんでああいう風にしかやさしさを表現できないんだろうって思います。今回のインパクトは、サラ、フレッドの親父さんでしょうか。なんで、あの人だけ無闇にリアル志向なの? しかし、ミニ様は本当にいいこだと思います。そりゃサフォークも泣くよ。ミセスコリーも泣くの? いや、本当にいい話だったと思います。
『いとしのフェルナンド』もよかった。うそつきなのかなんなのか、いったことが思わず本当のようになってしまって、そしてそれが落ちにまでちゃんと繋がって、うまかったなあ。アンナの不安と、不安ゆえの情緒不安定から発せられた嘘と、そしてそれを本当にしてしまうフェルナンドの不思議と、そして解消される不安。面白かったし、それだけではないよさというのが感じられたように思います。
『ココロノミカタ』は、絵の可愛さ、魅力を抜きにすれば、ミカタ、ええとちいさなお猿、猿? 彼の一生懸命話してるところや、それがちっとも通じてないってところ、あれが面白くて、好きです。さっきの飲み物もっとないのかな ウマかったんだけど…
とか、なんともいえない味がありました。
『縁側ごはん』は、地味に好きだったのが、なおさら好きになったように思います。しかしあのキー坊は学生だったっけ? なにして生活している人なんだ? 雨の日に食べるお弁当はどんなのがいいだろうと、実際にいろいろ作って試してみる、趣味人なんだかマイペースなんだかわからない。けれど、そののんびりとした様子はたいへんによいと思います。ところで、あのお稲荷さんは三角のじゃないんですね。柱のコメントがなかったら、きっとなにかわかりませんでした。
『三日月すぱいす』は相原さんの可愛いこと! 結構好きな漫画ですが、なんで好きなのかっていわれたら、相原さんが可愛いからだ、それ以外になんと答えたらよいものか。細見くんのむくわれなさというのも面白さだと思いますが、それはまだ相原さんのキャラクターを越えるものではないと思います。
『蝴蝶酒店へようこそ』はアネモネの可愛いこと! どうにもこうにも食えないオーナーの秘密、人を食ってるという秘密が明かされる!? と見せて、いやあ、やっぱり食えない。人が悪くて、面白いなあ、好きだなあ、この漫画は続いてくれたら嬉しいなあ、そう思います。
『ヒーロー警報!』は、最後の最後まで、ああした話に持っていくことはないのではないかと思っていたから、思った以上にストレートなラストに逆に驚いて、けどHは友人にめぐまれてるなあ、といっていいかはちょっと自信がありません。しかしラストの、Yどころかかおりちゃんにまでうなずかれてしまっているという、そこがあわれだけど、それはそれだけ理解されているってことだ。本当、いい友人にめぐまれてるなあ、Hは。
『スタミナ天使』、完結。最後まで天河は変態を貫いて、あっぱれ、というか、諭吉様、えらい男前なんですが……。時間は、前回から一気に進められて、高校はとうに卒業、さらに数年が経ちましたというくらいの時期ですね。諭吉は卒業論文のテーマを思案して、緑は警察学校に入っていて、そしてふたりは別れて暮らしていて。こうした状況を説明する中に、天河の酷い仕込みが笑いを誘うのですが、しかしそれよりもふたりはどうなったのだろう、それがずっと気掛りだったものだから、最後のページ、あれには言葉もなかった。いい話だったと思います。あの、貧乏時代の諭吉と緑の関係があって、金持ち復帰後の関係があって、そしてこのラストがあって、この漫画がはじまった当初には思いもしなかったほどの広がりに、すっかりひきこまれてしまいました。描かれなかったことに思いをはせては、涙が出そうになる。本当、いい話だったと思います。
しかし、天河、意外といいやつだったかも知れません。彼は彼なりの愛情やらなんやらで、ふたりを見守ってたのでしょうね。そして、武内くんは、徹頭徹尾いいやつであり続けたように思います。結構、ひどい目にあわされるポジションではありましたけど。
エナポゥのコラム、テレビにバンド出演するくらいにまでなっていても、バイト生活は続いてたっていう実際が、現実のきびしさを感じさせます。私も頑張ろう。
『だんつま』は、シビアに見えるふたりのロマンティストな側面が見えてちょっと面白かったのですが、裸エプロンというのがどういうものなのか、具体的に描いてもらわないことには、ちょっとわからなくて困りました。365日カレーは私にはちょっと辛い、からいじゃなくてつらいね、かも知れないけれど、自分の好物である麺類だとしたらどうだろう。365日うどん、素麺、パスタだとしたら? うん、わりといけそう、というか、嬉しいかも知れません。
- 『まんがタイムラブリー』第16巻第6号(2009年6月号)
引用
- 花津ハナヨ「たたかえ!WACちゃん」,『まんがタイムラブリー』第16巻第6号(2009年6月号),46頁。
- 乙佳佐明「ココロノミカタ」,同前,112頁。
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