連休も今日で終わり。今年の連休は、うちに籠ってのひとり合宿。エレキギターを弾き、サックスを吹き、アコースティックギターを弾き、そして歌う。充実した数日。各楽器ごとに持ち時間二時間、合間に三十分ほどの休憩が入って、けど多分、もっと弾いてたと思う。楽器持ち替えるたびに音階をいちからやりなおすというね。もう、どんだけ音階好きなんだっていうね。メトロノームは58に合わせて、この若干遅めのテンポで、しっかりと意識しながら弾くのがいいんです。音階が終われば、エチュードやって、しかし練習するのはいいんだけど、それを披露する機会はないっていうね。もうがっかりです。なんなんだろうなあ。がっかりですよ。
連休最終日、ふと思いついて、『イマジン』を歌いたいなって、ジョン・レノンのImagineですね、それで楽譜がなかったかなあと思って探してみたら、なくてですね、かわりにHey JudeとLet It Beが見付かった。古い高校の教科書に載っていたもので、こんなことなら中学のも残しておいたらよかったよ。結構気のきいた選曲されてるもんなんですよ、教科書って。そういえば、高校の実習にいったときは教科書買ったけど、中学の実習にいったときってどうだったっけ。忘れました。買ったんじゃなかったかなあ。もう覚えてないなあ。
Imagineを歌いたかったけど、なかったので、Hey JudeとLet It Beを歌ってみて、このどちらもいい歌で、けどHey Judeは最後えんえんリピートしてF. O.なんて書いてある。フェードアウトですね。これ、生身じゃちょっと無理です。だからもっぱらLet It Beを歌って、そしたら本当にいい歌で、歌詞も平明でわかりやすく、それでいてとても深くて、なにか啓示のようなことを歌っています。苦難の状況にあるとき、母メアリーが現れて、それがあるままにしておきなさいという。今置かれている状況をあえて変えようとするのではなく、それを受けいれて、継続しなさいと受け取ったらいいのか、あるいはすべてを神さまに委ねて、あなたはあなたのなすべきことをなしなさい、そう捉えるのがいいのか。おそらく聴く人によってそのとりようは違ってくる、そんな歌だと思います。そして、その感じたことがその人にとっての正しいことなのだと思います。
私はこの歌を、ビートルズによるものと、それからニック・ケイヴによるものの二種類持っていて、後者は映画『アイ・アム・サム』のアルバムに収録されていたものなのですが、サラ・マクラクランのBlackbird聴きたさに買ったこのアルバム、実によい演奏が多くて、ニック・ケイヴのLet It Beもそうなんですね。語るようにして歌われる、その表現はビートルズのものとはまったく違っていて、静かにしてシンプルな伴奏にのせた歌の表情の豊かなこと、しんみりと思いをつのらせる、美しくて、感動的な名演です。真に力のある歌、歌手は、多くを必要とすることなしに、ただそのありのままで、人の心にはいりこんで、豊かにする。そのように思わせる、そんな歌なのです。
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