『まんがタイム』2015年9月号、一昨日の続きです。
『ちょっと舞って!ふわこさん』、ふわこが夏のイベントでお手伝い。なにをやってるかと思ったら、ステージの案内持って、ふわーって浮いてるんですね。なんと、人間アドバルーン。このまま飛んでいったりしないの? と思ったら、ちゃんと会場にわたされた旗の紐、手にしてますね。安心です。いや、木に突っ込んだりしてるんですけどね。風船持ったら、ふわこともども飛ばされて、手を離したら風船がどっこにいってしまう。かといって離さなかったら自分が危ない。そんなふわこを助けてくれたパンダの着ぐるみ。ああ、いつもの彼か。率先して働いて、ふわこの作業を軽くしてくれる。ほんと、ふわこ、助けてもらって、自分は役にたたないと気に病んでるけど、そんなことないよって、鬼塚くんね、思ってくれてる。ほんと、なんかふたり、すごくいい関係じゃないかって思うんですね。
『おひとり食堂』、誠一郎、なんかえらい汗かいてますね。なんと、敬愛するドラマー、サクマさんが来店したっていうんですよ。ずっとファンだった。それで、すごく緊張してる。さらに加えて、サクマ氏、料理が得意。本まで出してる。そうしたもろもろのプレッシャー、おかしかったですよ。でも、サクマ氏、自然体で、偉ぶったりしない、いい感じの人じゃないですか。いや、天然ってやつか? ウマイのポーズ。それが出ないと、もうひとつってことなのか。おかしいなあ。他のお客さんの話に、うるさいと咳払いしたのかと思いきや、笑ってしまってるのをごまかしてたとか、ほんと、キュートな人だと思います。彼女に一杯おごらせて。それが牛乳と小魚なんだ。ほんと、面白い人です。あの、褒めるポーズも面白い。誠一郎のバンドのドラマーもそのポーズに悩まされてたりと、言葉足りない人がサクマ氏。けど、せいちゃんに来店した外国のお客さんとは、言葉を超えたコミュニケーションしてみせて、ほんと、今回はサクマ氏が全部持っていった。そんな回でした。
『ゆとりノベライズ』は、桜木ミツヒの転機でありますよ。アニメ化なんだそうですよ。売れてたから、いつかはそうなるだろうと予想されてた。だから里美も都もあまり驚いていなくて、けれどミツヒは割といきこんで、アニメ化にあたっての心構えなど、里美に問おうというんですね。けどね、最初のうちはあんまりそれらしいアドバイスにならなくて、そのあたりは実に里美、都たちらしいと思えたんですが、皆でいったお祭りの、花火を見ながらの台詞にね、里美の渾身のアドバイスが光る。ええ、こういう見せ方のうまさ、さらにいえば、その言葉の説得力、それが見事だと、やっぱり思わされたのでした。これは、都のいう、里美の言葉には力があるってことなのでしょうか。あるいは、この作者自身の力でもあるんでしょう。なにか、地力、そんなもの感じさせますよね。ほんと、そしてこれは都の物語でもあるということ、最後にしっかり見せてくれて、ああ、ミツヒの眩しさ、自分自身を問う都。そうした対比も見事だったと思います。
『ボンジュール!仲居さん』、いい感じに仲居の仕事が描かれておりますよ。外国人の仲居さん、着物姿がよく似合っていたと褒められて、サラ、嬉しいですよね。そこで朋香からのアドバイス。次は着物の所作を身につけたらいいんじゃないか? それで女将さんに所作を学んで、褒められるサラがあれば、負けじと頑張りを見せる朋香もあり、ああ、朋香、先輩としても負けてられないですよね。ふたり、影響を与えあって、ぴりっとしたものを仕事に利かせていく。そんな様子がとてもいいと思ったのでした。そして今度は朋香が、その着付けを褒められる。仕事における、ちょっとしたこと、それが認められることの喜びと、その喜びがステップアップへの意欲となる。その様子とてもよく描かれてた。で、最後にあのリラックスでしょう。ほんと、ぴしっとしめるところと緩めるところ、うまい配置でありました。
- 『まんがタイム』第35巻第9号(2015年9月号)
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