『まんがタウン』2015年9月号、昨日の続きです。
『ちょい能力少女あゆむ』は、歩が栞と、なんかやりあってるんですね。栞のフィギュア、その眉をちょいといじって欲しい、栞のリクエストに応えようとする歩だけど、センスの問題なのかな? それとも具体性を欠く栞の指示のせいなのかな? その両方なんじゃないかと思うんですが、いずれにしてもうまくいかない。それで歩が開きなおったり、栞が語尾変化で逆襲したりと、ちょっとした姉妹げんかになるんですね。あかねが久々に登場するんですよ。まさかのコーンポタージュが凶器になる。またも歩、口内血まみれで、けどあのふくれてるあかねはなんか可愛くて嫌いじゃないですよ。兄弟でけんかとか、ちょっと羨ましい、そういうあかねだけど、栞、歩のそれを見て、なんかちょっと幻滅してるっぽいところがね、おかしかったです。よっぽど低レベルなけんかなんでしょうか? 確かに、そんな感じにも見えますよね。でも、仲良さそうとも思えるところあって、おかしいんですね。
『大正乙女カルテ』、なるほど、これがクライマックスだったのですね。関東大震災後の路乃。足を負傷した父を医学校に運び、そしてそのまま手伝いに出るんですね。娘と離れることに、こんな時に家族で一緒にいられないのか、父がねいうんですけど、決然と自分のすべきことがあると病院へと向かう路乃。ああ、その決意のほどがうかがえる。荒れた部屋を片付け、続々運ばれてくる負傷者を搬送し、そして夜も徹して働いている。一旦はくじけそうになった男性も、その様に心打たれて勇気をふるわんとして、そしてそれは路乃の父も同じだったんですね。娘の志、これまで目をそらしてきた、真正面から見つめようとしてこなかったそれを、今、この一大事に目の当たりにして、そして娘の成長を知った。父のかたくなだった心も溶けましたね。ええ、路乃も、よく頑張ったと思うのです。
『居間には今外国人がいます。』、お正月の風景ですね。寝正月を決め込みたいマキですが、皆初詣にいく、けんちん汁配ってるからって出ていく。ひとり取り残されたのがさみしかったのか、マキも神社にやってきて、そして思うんですね。皆は恋愛とかしないのか? なにを唐突に!? 驚いたりしたんですが、三池家に集う皆は、なんかそういう感覚は超越しちゃってるみたい。じゃあマキはというと、自分は勘定の外なんですね。なんという。しかしここから語られた、いろいろな家族のありかた、パートナーのかたち、それがなんだか自然に語られるもんだから、とくだん特別なことと感じない、そんな風でもありまして、けど、こうした多様なありかたが当たり前、全然特別でも珍しいことでもない、そういう風になるのが一番いいことなんだろうなあ。というわけで、ミカイールの周辺の家族のありかた、あれが面白くって、なるほど微妙にややこしく、けれどすごく面白そう。なんかわくわくしますよね。ほんと、ミカイールのまわりには多様性があって、魅力的ですよ。
- 『まんがタウン』第16巻第9号(2015年9月号)
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