『まんがタイムきらら』2015年9月号、発売されました。表紙は『スロウスタート』、花名と冠ふたりが水着で、ひとつの浮き輪に入ってる。浮き輪の淡い水色が、むしろそこにだけ水があるかのように感じさせて、不思議な感触です。しかし、花名に冠、ちんまりとしたふたり、そっと寄り添うようで、その無垢な色気というのが沁みてくる、そんな表紙であったと思います。
『スロウスタート』本編も水着です。表紙が栄依子とたまてふたりが水着で、って、たまて、なんかやばいな。胸についてるの、それ、水着か? でかい絆創膏じゃないのんか? 栄依子の胸元、肋の影が見えてる、それがいいですよね。さて、栄依子が水着を御所望です。胸がきつくなった。それで水着を買いにいくことになるんですが、なるほどなあ、水着の試着事情、いろいろ勉強になります。そして皆、ひとりひとり、水着を披露してくれる。って、冠は? え? 栄依子と一緒に試着してた? おおう、あのリボンか! これ見て思ったんですけど、表紙の冠、それから本編のたまて。たまての方がずっと平らかなんですね。すとん、すとん、みたいな感じで、いや、このままでいて欲しい。そう思う、たまてのナチュラルな魅力溢れていたと思います。ところで、たまてがウォータースライダーのこと話してる時の栄依子の髪結ってる冠、あれ、可愛かったですね。とてもよかったですよ。
『きらきら★スタディー — 絶対合格宣言』。なるほど、部室の獲得ですね。校舎裏のプレハブ、今は使われてない校務員宿舎が与えられた。のって、うまいこといってこいつを掃除させる算段だったんじゃないのか? 千代の冷たいつっこみがナイスです。うまいこと割烹着着せたりブルマはかせたりと、まあ、好みは人それぞれ。見た目がキツい乙十葉の割烹着姿、これがよかったと思います。しかしこの人の掃除の知識、さらに加えて調理の知識など見るに、見た目とは違い、いろいろ家事をなさってる? こうして、勉強に入る前に掃除というイベントを経ることで、それぞれのキャラクターの個性、それが見えてきたように思います。真零に満はだいたいあんな感じ。だから今回は乙十葉に千代の個性が押し出されて、考えすぎて実行になかなか移せない、そんな千代の不器用さもよかったと思います。
『チェリーブロッサム!』は、大咲が大倉山先輩と付き合うことになった。それを受けての妹たちの総括、でありますね。ああ、三葉が従妹なのは知ってますよ。屋上にてたそがれる沙咲野。彼女の前に現れたのが、なにやらちょいと失礼で、加えてなんだか人ごととは思えない、そんなやつ。俺は姉のパンツにしか興味ねーんだよ! すごいせりふが飛び出してきたもんだ。沙咲野、同族を見出して、歩み寄ってみる。彼、多摩川進。なるほど、多摩川玉子先生の弟なのか。姉ちゃん、パンツを忘れていったから届けにきた。すごいな。しかし、沙咲野の問に答えた彼の、その答が沙咲野の選択を、気持ちを決定づけるんですね。沙咲野、大咲と大倉山先輩の関係を見守るべく一歩引く。対して三葉はそんな気持ちになれなくて、まあ、経てきたものが違いますもんね。三葉には、一度自分と大咲の関係を省みる、そんな機会もなかったし、なにしろ三葉は従妹、沙咲野と違って引く理由がない。あの、沙咲野に対してシリアスな表情見せた三葉、その迫力、いつもの彼女と全然違った印象があって、すごく魅力的だったと思います。かくして三葉突撃。さあ、これ、どうなるんだろう。きっと玉砕。となれば、彼女のその後、どうなるんだろう。なかなかの一悶着が予想されますよね。
『担当編集ボツ子さん』、ゲストです。って、また直球な名前でありますね。ボツ子。これが漫画家ならボツになる側なんでしょうが、編集とあるからには、ボツにする側なんでしょうね。さて、そのボツ子さん、ボンデージファッションにに身をつつみ、手には鞭。なるほど、刺子愛っていうのが本名ですね。担当している漫画家は田中一人、売れないマンガ家とわざわざ書かれているのが、実に泣かせます。これ、愛がビシビシ厳しくダメを出したり、また厳しくアドバイスしたり、そうしたところをサディスティックなスタイルでもって、より辛辣なものと見せているんですけど、実際のところはそうじゃないんだって、むしろ山田のことを守って、また山田のよさをわかった上で引き上げよう、引き上げようとしている、そういう構図になっているところ、好感触だったと思います。しかし、愛、昔の愛と今の愛で、ずいぶん変わったもんだなあ。そして、その愛の表現手段がちょっと歪んでる? そんなところ、確かにチャームポイントだったと思います。しかし、田中と愛、いくつくらい離れてるんだろう。デビューして数年。その数年っていうのが肝ですよね。
『くらふと・しすたーず!』、ゲストです。主人公の望月珊瑚は、母の雑貨屋で働いている。商品はほとんどが手作りで、って、なるほどお母さんの。珊瑚はというと、針に糸を通すだけで大事業といった具合で、つまるところ、あんまうまくないんですね。けど、なんとか商品は増やしたい。そんな珊瑚が、友達のほたると一緒に助っ人を探す。ほたるのデビルイヤー、裁ちばさみで布を切る音が聞こえる。見事ですね。かくして捕まったのが2年2組雨塚紫帆。いきなり後ろから目を隠した珊瑚に、ハサミを持ってるのに! 危ないでしょうが。いい感じですよ。一度に紫帆のこと好きになった。珊瑚は布地とかには詳しいんですね。けれど制作の方には才能がない? センスがアレ? 珊瑚もほたるも残念な感じですよね。なので頼りは紫帆で、ほんと、珊瑚、紫帆に頼りっきり。最後に紫帆の作ったストラップ、珊瑚とほたるで取り合って、ほたる泣いちゃうとか、なんか面白かったんですね。かくして紫帆、珊瑚とほたるにほだされて、制作メンバーに引き込まれてしまった感じです。
- 『まんがタイムきらら』第13巻第9号(2015年9月号)
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