2012年7月16日月曜日

乙女たる

 書店にて見つけて、ああ、またギター少女ものが出たんだ。タイトル見れば『乙女たる』、なるほどメタルもの。で、流そうかどうしようか、決めあぐねてとりあえず手にとってみた。ああ! 購入することに決めたのでした。決め手は帯に載っていたハイライト。中でも、あれですよ、ブルマ相撲。いや、ブルマに興味があったんじゃない。思い出したんですよ。以前Webで読んだ漫画のこと。『乙女たる』。ああ、あれが単行本になったんだ。じゃあひとつ買っておこう。はずすかも知れないという心配はとりあえずない、そうなるとずいぶん買いやすくなるものです。

しかし、そんなに音楽漫画って感じでもないんですよね。舞台はギター部。新入生相手の部活紹介を前に、宮川智明、いろいろやらかしてしまう。この人がトラブルメーカーで、さっきいってたブルマ相撲、あれもこの人の発案……、じゃないか。新入生ですね。漫研にはいりたかったけど、部員不足で休部。そこを同じく部員の足りないギター部に、というか宮川智明につけこまれた。お前が勝負に勝ったら漫研に入ってやろう。で、ブルマ相撲。汚ない手で勝った智明にギター部に引き込まれるって寸法なんですね。

まったくギターネタがないわけじゃないんですよ。表紙を見れば、智明の持ってるギター、指板がスキャロップドになってて、ええとそれから乳休めとか、なるほど小ネタ、ディテールに凝っているとわかります。本編でもメタル由来のネタ、ジャケットパロディとか、孤高ゆえに臆病という習性とかね、けどだいたいはあんまり音楽に関係ない、部活もの、学校もの、それから変装が変身になってる部長とか、そういうおかしなネタとか、いろいろ盛り込まれた雑多な感じ。メタル好き女子高生を中心に、なんか馬鹿なことやってる、そういうノリを楽しむのが第1巻って感じです。

1巻最後のエピソードで春の演奏会とかがアナウンスされてるから、今後音楽ネタ、演奏シーンなんかも増えていくのかなって予感はしますが、でも仮に増えたとしても、この根っこにある変なノリ、こいつは変わらんのだろうなって思っています。ええ、一癖あるのがよいんですね。

  • 廣田眞胤『乙女たる』第1巻 (Flex Comix) 東京:フレックスコミックス,2012年。
  • 以下続刊

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