『まんがタイムきらら』2012年8月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』、つみきさんです。樹上から見下ろす? そんな構図。つみきさんはアイスキャンディーを食べていて、頭には帽子をかぶった黒猫が寝ています。つみきさん、白いワンピース、髪はふたつにまとめていて、いい雰囲気。麦藁帽子は風でしょうか、飛ばされたんですね。作中でのちいさなつみき、それよりももっと年齢相応の女の子、そんな感じのするつみきさんです。
『チェリーブロッサム!』、新キャラですよ、新キャラ! 大咲が玄関先でパンをくわえた美少女とぶつかった! って、なんだろう、不思議なお嬢さん。制服そしてリボンを見れば新入生とわかる。大咲を見ておびえてる? かと思ったらつきまとう? またしても変わった子が出てきたなあ。いやもうほんと、先輩たちあんなだし、妹もあんなだし、唯一まともと思われた幼なじみもこんなだし。新キャラも負けず劣らず、見事な挙動不審です。けど、屋上で再会したこの子、変わってるといえば変わってるけど、割と素直な感じ、なんだかすっかり大咲に懐いていて、って、大咲のこと知ってるのか! はっとさせるような表情見せる美少女、マイペースでちょっと気が小さい? これまでの誰とも違う、そんな個性が感じられて、悪くないですよ。で、この子、沙咲野いわく危険物。従妹なのか! 元住吉三葉。で、なぜ大咲は三葉のこと気付かなかったんだろう。昔とくらべ、ずいぶんと女の子らしくなったから? とかなんだろうか。しかし、インパクトのあるお姉さまそして妹にも充分対抗できそうな子です。学校で先輩たちと出会う日が、そしてこの後の日吉家、沙咲野との攻防などあるのか、実に期待されるニューフェイスです。可愛いなあ。最初、妖精かなんかかと思った。
『棺担ぎのクロ。 — 懐中旅話』。記憶を失ったクロの脳裏に去来する不安、ニジュクサンジュに近付きたくない、昔の魔女とのこと、それを思い出したりしながら、ああこれはクロがこれまで胸中に抱えてきた怖れや違和感、それが一度に噴出したのだなあ。旅の荷は軽く、しかしニジュクサンジュは重荷となっていて — 、そう思っていたクロだけど、実はそうじゃないんじゃないか? センとの対話は自問自答にも似ていて、ああ、少し立ち止まっていたクロの旅だけれど、ここからまたはじまるのか。一度気持ちに読点を打って、また始まるクロの心の旅路でありますね。
『リリウムあんさんぶる』、連載になったんですね。喫茶店りりうむにてバイトをする女の子たち、そうした導入はゲストのころにきっちりと、連載1回の今回は、キャラクター紹介をあらためてしっかりと、ええ、整理されて読み進めやすい、いいですよ。冒頭はきれいなカラー、ヒロイン咲来も可愛くて、潤香、真菜、カリン、いとなと順々に登場してきて、なるほどどういう人か、またそれぞれの関係もよくわかって、とてもいい。カリンはままなが好き、いとなも咲来が好き? いい感じ、皆きれいだなあ、可愛いなあ。なかなかに期待される第1回でありますよ。次号、勉強会? 楽しみです。
『スマイル・スタイル』は、前回の続き、体育ですね。準備運動の風景から、もうすごいことになってます。このクラスの変態度の高さ。これはもとからなのか、それとも百合の魅惑がためなのか? いやもうクラスメイトの必死さかげん、たまりませんでした。あの顔は反則です。紅葉のスイッチ、それも面白かった。紅葉と歩、明言されないもののあやしい関係、そんなシーンはたくさんあったわけですが、ここまで紅葉が歩ラブをあからさまにしたことあったろうか? そして全力疾走。めちゃくちゃ面白い。ラストのぶわっまで、もうたまらん面白さでした。
『箱入りドロップス』、これは珍しい、男子と女子、別行動ですよ。扉にはちょっとおしゃれな陽一と雫。なるほど、服の話なんですね。前回の雫の誕生日を受けて、管理人さんからプレゼント。って、ウィラコチャ神? 意匠からするとマヤとかインカ? 知らないなあ。けど、なんかいかすなあ。しかし、このおばさん趣味が悪いというのが、まさかの伏線になっているとは! 思いもしませんでしたよ。さて、雫のお姉ちゃんからもプレゼント。コート買いなさいとお金が届いて、なるほどここで服を買いにいく話になる。扉の予告どおりですよね。しかし、ここで出てくる一人でタクシーの話。ああ、思い出すと泣きそうになりますよね。ああ、切ないねえ。しかし、さてさて、服を選ぶ雫。あんまりに普通の常識知らないこの子、着替えブース知らなくて、いやほんと面白い。かと思えばその前の人間ってわがままなんですねえ
。いいこというなあ。この素朴で、多くを得てこなかった子だからこそ、嫌味とも無理してるとも感じない、素直な言葉、真実味のあること、そんな感じがあって、うん、人間ってわがままなんだ。しみますね。そして陽一の服選び。なるほど陽一、あんたも趣味が悪いのね!
- 『まんがタイムきらら』第10巻第8号(2012年8月号)
引用
- 津留崎優「箱入りドロップス」,『まんがタイムきらら』第10巻第8号(2012年8月号),96頁。
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