『まんがタイムきららミラク』2012年9月号、発売されました。表紙は『Good night! Angel』、境川ユリですね。本編のいつかはパジャマパーティーを受けてネグリジェ? って、違うや、これ、ドレスか。ピンクの靴、真珠のアンクレット、ちょっと丸くなった姿勢、美しい娘です。そして、少しめくれたスカート、その中には武器が潜ませてある。綺麗、可愛さにちょっとの危険。いい感じです、魅力的。
『夜森の国のソラニ』、人魚のお嬢さんが登場ですよ。現実の世界では、先輩に告白できずにいる女の子。それが夜森の国にきたら、下半身が魚、というかイルカっぽい? 人魚になったっていうんですね。惚れっぽいお嬢さん。上だけ制服というのが可愛くて、ちょっとあれ。なんだか素直で、音楽が好き、歌うのも好き、ってうまくはないんだ。で、なんでこの人が人魚になったのか。そしてこの人の告白しなかったわけ。ああ、純粋な人であるのだね。女の子たちには確かに響いて、けど男連中にはまったく通じないっていうのね、面白いわあ。綺麗の汚ないの、全部まとめて飲み込んで大人というなら、この人は少女であることを望んだのかなあ。綺麗でありたいと思った、その人の、その綺麗な瞬間、それが夜森の永遠に結晶するみたいにして人魚のかたちをとったのですなあ。
『幸腹グラフィティ』、おお、今回は流し素麺。あの、流れる素麺を箸ですくいあげる扉のリョウ、背後に背負った夏空、ぱっと散る水滴、額からは汗、全部が夏のぎらぎらとした暑さ、そしてさっと吹き込む涼感、きちりと捉えて素敵です。夏期講習のさなか、音をあげるきりん。かくして夏のイベントをしようという話になるんですね。椎名の家に集まる。立派な家、ああ、椎名はお嬢さんなんだ。お手伝いさんもいるとかね。けどお母さんはちんまりとして可愛くて、自ら率先して働くいい人、っぽいんですね。お手伝いさん、露子さん。ちょっと無表情、椎名に似て、しかし面白いなこの人。竹を取って流し素麺。きりんが必死すぎる! しかし、ほんと面白い。あの食事の風景、濃厚に描かれる、あの表情、描写、あれはそういう演出かと思ったら、彼女らの特異的な食べ方だったっていうのか! 驚きましたよ。椎名さんのこと、親として心配していたお母さんの気持ち。それから、リョウの思うお母さんのこと。食べ物とおして、描かれるのは人の気持ちの機微であるのだなあ。リョウの迷う気持ち、後押しするきりん。実によかった。ほんと、素晴しかった。あと、素麺食べたいです。
ちょっと感想前後させて、今回初登場のものを取り上げます。
『らくキャス♪』、放送部ものですね。音祢ひろいと唄井舞がお送りする「ハッピーデータイム」。お昼の放送、曜日ごとに担当が決まっていて、水金の彼女ら、他の曜日には負けられないって見事な意気込みです。華朶里という子が原稿を書いていて、目立ちたくない。けれど真面目で、ひろいと舞が脱線してハプニングに向かう、そんな中、やるべきことを着々とこなそうとするんですね。そんな彼女が結果的に放送に飛び込まざるを得なくなったラスト。はたしてこれはいいことなのか悪いことなのか。なんともいえぬこの微妙さが音楽に誤魔化されて終わる。うん、この成立するしないぎりぎりの微妙さにおかしみが込められている。そんな感じがしますよ。
『ナニソレコワイ』、ちょっとした怪奇ものです。主人公墨坂まゆに忍び寄る影あり、御代田りりか。ちんまい女の子。なんと、墨坂さんが悪霊に取り憑かれてる、だから自分の作った護符をどうぞ、なんていう危ない感じのお嬢さんなんですね。オカルトを信じてる痛い子。どこにでもついてきて、勝手にカバンに護符をいれようとするなど、困った子。でも、ちゃんと墨坂さんとの距離縮めるのに成功して、仲良くなってる。御代田さん、友達たくさんの墨坂さんにやきもちとか可愛いなあ。こんなふたりに、茅野千歳、学級委員も関わってきて、最初は御代田さんのこと否定的だったのに、なんだかいつしか好きになってしまってる? 墨坂御代田のいちゃいちゃ、茅野さんのチャレンジ。面白かった。見た目クールな墨坂さんが実は漫画好き、アニメ好き。そして御代田さん、なんと痛い子じゃなかったんだ! ナニソレコワイ、いやいや、なにこれ面白い! ですよ。
- 『まんがタイムきららミラク』第1巻第7号(2012年9月号)
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