『まんがタイム』2012年8月号、昨日の続きです。
『田園の教授』、教授の有能さ、見事に発揮されていますね。大きく状況を捉えていく教授、それの後つぶさに調査していく島津さん、ふたりの役割の違いなど語られたわけですが、教授の役割はそれだけじゃないなあ。真面目な顔して落書き。それが奇跡を引き起こした! なんていうんですね。市としては、史料の調査を続けたかった。しかし予算がない。苦渋の判断を迫られたわけですが、教授の落書きがその窮地を救うっていうんですね。淡々とした教授の意外性やミラクル。その思いがけなさに翻弄される島津さん。面白いですよ。これ、連載になって欲しいですよ。
『ノコひけ!工業娘。』、面白いです。男子ばかりの工業高校、そこにひとつだけある女子クラス、インテリア科、ここは華園? と思いきや、ああそんな夢は見ちゃいけないんだなって話です。生徒たちも可愛さ工夫しようと思おうとも、工具はどうしようとも工具で、けど可愛いかどうかはともかく、かっこいいですよね。そして、あの男子の肩身の狭さ! 着替えとなったら、廊下に追い出される。強い女子たち。見た目おっとりしてる神菜先生も似たようなもんで、木材への愛、尋常でなく、そして鉋刃の研ぎ。およそ理解しがたい世界が繰り広げられていて、それが実に素敵です。
『居酒屋の姉妹』、2回目。悪くないですよ。よくできた妹しずかと、反面姉あすかのできなさよ。そんな第1回、第2回も冒頭はそんな感じであるのですが、今回、しずかの苦手も描かれて、料理ができない。姉あすかはちゃんとできるんですね。得手不得手がある。そんな姉妹。けど全体に姉の方ができてなくって、それで妹へのひいきにへそまげて、こうしたところなど可愛いですよね。まあ、ちょっと可哀そうなんですけど。姉は料理ができるのが長所、そして立ち直りのいいところ、単純なだけかも知れないけれど、切り替えはやく、にこにこほがらか、それはとてもよいと思います。見ていて楽しくなります。
『綾のかるた』、悪くないですね。最初、どうなるのかな、そう思いながら読んでいたんですが、いえね、どうしても競技かるたものとなると、『ちはやふる』あたりと比較されちゃうでしょう。そう思って心配していたんですが、いやいや、こちらにはこちらの味がありますね。今回はかるたについての説明。なのであまり漫画としては動いてない? そう思っていたんですが、あの一字決まりを覚えなさいと用意されたプリント。あのおかしさ、あれは面白かった。なるほど、覚えやすいかも、そう思ったのもつかのま、絵のおかしさのせいで内容が頭に入らないというんですね、綾。かるたをよく知らない、そんな一年生たちがだんだんにかるたに親しんでいく。その様は面白くなりそう。そう思わせる回でした。
- 『まんがタイム』第32巻第8号(2012年8月号)
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