『月刊アフタヌーン』2011年3月号、発売されています。表紙は『爆音列島』、暴走族に所属する少年たちを描いた漫画なんですが、主人公でいいのかな? パクられてしまいまして、鑑別所にいくことになったのです。で、表紙。その少年、手錠かけられた両手をぐっと前に突き出して、くわえタバコ。いいですね、喧嘩売ってます。そのふてぶてしさ、結構いかしますね。
『ぼくらのよあけ』、新連載なんですが、宇宙ものというかSFでありますね。今から28年後、というか2010年起算だから27年後か。2038年の7月の日本を舞台にして、宇宙に興味を持っている少年ゆうまが主人公です。で、この時代にはオートボットという自律したロボットが家庭にいて、ゆうまのうちにいるのはナナコという女の子のロボット。家事の手伝いから、話し相手、遊び相手にもなってくれるというすぐれもの。で、このナナコを仲立ちとして地球外の知性とコンタクトするっていうんですね。皆で宇宙に出るのか!? なかなかに壮大なファンタジー。これ、なかなかに面白そうですよ。
『無限の住人』、吐鉤群、追い詰められて、もうえらいことになってますね。逸刀流を逃がさないために、港に停泊している船という船、その乗員を片っ端から切り捨てさせるという、身柄の確認もせずに、ただ居合わせたというだけで切り殺されるっていうんですね。で、最後に、中国船か? 手応えあるやつらが出てきたと思ったら、そいつらも片付けられて、と、なんか様子が違うよ……? ええ、これまでの描写は、この人を際立たせるためだったというんですね。見開きで登場。乙橘槇絵! ですよ。ああ、これは次号、えらいことになる。吐鉤群とも激突するのか。ええ、ものすごいことになりそうです。
『アストライアの天秤 — プルシアンブルーの過ち』、裁判員裁判の様子を描く法廷もの、新作ですよ。今シリーズ、主役はヤメ検、っていうのですが、それだけでなく冤罪を扱ったものでもあるって感じです。優秀だったけれど、一度の失敗で検事を辞めることとなった西郷夏海が主人公。やる気がない、というか、法廷を怖れている? 冤罪を出してしまったという経験が、わだかまりとなって彼女の気持ちを重くしている。でも、半ば強引に法廷に立たされて、そしてスイッチが入るんですね。ちょっと強引な人でもある。けれど、敵もさるもの、自分を陥れた相手。その対決、復讐はむしろ重要ではないのだけれど、いずれそれも見せ場になっていくのでしょうね。しかし、それ以上に、ヒロインの立ち直りや、被疑者の隠している気持ちが開かれていく、そのプロセスに期待しています。
『百舌谷さん逆上する』、酷いことになってますよ。とりあえず、千鶴が酷い。手段を選ばなくなってきて、竜田を探るだけでなく、例の会長を手先として、竜田百舌谷のハロウィンデートを妨害しようっていうんですね。その手先どもの駄目さがまた酷い……。けど、その妨害が効果的に竜田の株を上げるように働いて、これは面白いな。少し前には、番太郎の株があがるような、それこそ自分の身を犠牲にしても百舌谷さんを助けたい、支えたいんだという、献身の愛が描かれたものですが、今回はなにがあろうと俺が守ると、欠点さえも裏切りさえもすべて抱きかかえてやるよという、抱擁する愛が描かれるというんですね。まあ、多少勘違いした結果って風でもあるんですが、それで次回、竜田と番太郎が激突するの? しかも、いろいろ思惑を持って動いている人がいる状況で? これはちょっと面白そう。楽しみに待ちたく思いますよ。
- 『月刊アフタヌーン』第25巻第4号(2011年3月号)
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