2011年1月6日木曜日

『まんがタウン』2011年2月号

『まんがタウン』2011年2月号、発売されました。表紙を見れば、おお、今月で『かりあげクン』が30周年なのだそうですよ。これだけ長く続いているということも驚きですが、その質を維持しているということ、それもすごいことだと思います。というわけで、平社員代表のかりあげ正太を中心に、お祝いする他の漫画のキャラクター。満面の笑顔に囲まれて、しれっといつもの調子のかりあげクンが実にらしいです。

冒頭には植田まさし氏のインタビュー記事があって、仕事場の写真、エアコンや電気を操作するための竿とか、なかなかにいかす写真もあって、面白かったです。漫画を描く道具も、改造万年筆という話で、たしかにこれだとインクが切れるまでかなり余裕ができるでしょう。細かいところで工夫があるんだな。アイデアの出し方についても、とにかく描いてみて発想するという、そういう話は大変面白かったです。しかし、新展開なし、新連載もないだろうという予想。けど、現状でも充分すぎる仕事量だよな。どうか末永く続けていただけたら、そう思いました。

そんな2人のMyホーム』は、ついに輝くんの彫刻が完成して、ああ、この人は大きな山を越えたんだな。娘を囲い込もうとした意固地さも消えた、これまで心のうちに抱えていたわだかまりも解けたのでしょう。それまでの作風から一歩抜け出したような彫刻を完成させて、その像を前にして目が離せなくなる皆の姿。きっとこうなるだろう、そう思っていた展開ではあったのだけれど、たとえそうなのだとしても、単行本などでこの流れを一度に読むとたまらんものがあるだろうな。そう思わされる展開でした。

ほほかベーカリー』、なんだか日本語の語感うんぬんの話が続いたので、今回はこういうのでいくのかなって思ったら大違い。おお、突発雪合戦でありますよ。店そっちのけで、ベーカリーさかい対うお七、3対3の大決戦! って、ふわちゃんはやお七につくんだ。いいですね。雪合戦はじまれば、ふわ対ホホカ、ほぼ一騎打ちといった様相を呈して、そして互いに旦那が的になるときました。ええ、面白かったです。そして、お風呂屋。ふわちゃんはそのままがいいのだと思います。

『飼っちょるハムスター』、今回はハトラの弟登場で、これ、面白かったなあ。エジプトの座敷童子らしい。いきなりのアルカイダ呼ばわりで笑っちゃったんだけど、飄々として、なんだか素直で、子供らしい可愛げも持ってる。なんか、ほのぼのするなあ。この漫画は、ハムスターもので、主人公も女子高生で、と、設定だけ見れば、なんだかほのぼのと和む、そんな風に感じるのだけど、実際読めば、そういった雰囲気にはなかなかならない漫画でした。まあ、それがいいんですけどさ。そこに風穴を開けたアルシノエくん。また登場を願いたいです。

『ママはパートマスター』、ゲストです。ヒロイン浮田夏季は母ひとり子ひとりの二人暮らし。そのお母さん、麻冬の有能であることったら。ふたつ名は素敵で無敵で完璧な麻冬さんですってよ。娘思いのいいお母さん。いろんなお店から頼りにされてる。ケーキからパンから、いろいろ貰って帰ってくる。ちょっと内気な娘さんと、元気なお母さんの対比も悪くない感じで、しかしほんと仲良し母娘。いい漫画と思いました。田中ナツ、この人の漫画は好きなので、連載にこぎつけると嬉しいなって思います。

  • 『まんがタウン』第12巻第2号(2011年2月号)

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