2011年1月14日金曜日

ぼくラはミンナ生きテイル!

 Tivの新刊が出たというので、買ってまいりました。『ぼくラはミンナ生きテイル!』。前作は『アンニョン!』、韓国の女子高生の日常もの、その日本とは違うカルチャー、生活ぶりに、面白いなあと思って、もしかしたら海外の読者は日本の漫画を読んだ時に、こうしたカルチャーギャップ、こんな習慣があるのか! と驚いたり、面白がったりしてるのかも知れないななんて思って、すごく面白かったのでした。さて、『ぼくラはミンナ生きテイル!』。こちらは、日本の地方都市? 真森にやってきた田舎の子、大賀美心が出会う不思議な人たち。異類と共に暮らす様子を描いて面白い。ちょっとファンタジー。そして人情もの、であります。

しかし、タイトルが面白いですね。最後のテイルっていうの、尻尾ってことなのかな、って思ったら、ロゴ見るかぎり、やっぱりどうもそうみたいです。ええ、尻尾が関係しているんです。というのは、異類と呼ばれる人たちは、もとは動物。住処を失い、人として生きることを選んだものたちが異類と呼ばれているのですね。もとは猫だったり鳥だったりする人たち。見た目こそは人、まあちょっともとの動物のぽさを残したりしてるのですけど、その人たちが人間の生活に馴染むまで、異類生活管理局が見守る。っていうか、猫宮ミウのやり方を見てると、ルールを守れないものは去れ! って感じであるのですけどね。

ヒロイン美心は姉を探しに真森にやってきたのだけれど、ちょっとしたトラブルから、異類生活管理局の仕事を手伝うことになりまして、パートナーは猫宮ミウ。あの厳しい娘ですね。けど、管理局の上役はそんな彼女のやり方を問題に思っているようで、だから美心をあてがった? 人というものを知るために。とはいうけれど、この子、どんな田舎から出てきたのかわからんけれど、都会の常識、いや人としての常識といってもいいかも知れない、そいつがちょっと足りなかったりして、猫のミウとどっちがしっかりしてるんだかと思ってしまうんですけれど、そんな美心は情に厚くて、規則に違反してしまった異類をかばい、なんとかその人にとってよくなるようにと腐心する。ああ、いい子だなあって思うんですね。そして、ミウも内心そんな美心のこと、気にいってるらしく、そうした気持ちの見え隠れするところなんかもすごくよいと思っています。

けど、美心。この人、実はなにか秘密があったりしやせんの? とか思うところもあったりして、いやそれは考え過ぎかも知れない。けど、しかけが用意されてるんじゃないかなあ、なんて思ったりしてるんですね。と、そんなに先を予想してもしかたがない。まずは、今描かれてることを楽しみたい。素直な子も、ちょっと打ち解けにくい子も、みな実はすごくいい子だっていう、そういう世界の見方はとてもいい。ええ、とても楽しんで読みました。いい漫画です。

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