見よ、単行本表紙のこの威力! いえね、綱島先輩も大倉山先輩も、そりゃもう魅力的な女の子なんですけど、ここまでキャッチーな表紙になってくるとは思いもしてなくて、最初、単行本の広告ですね、見たときには、おおう、すごい、なんだこれは、強烈なインパクト、見事にやられてしまったのでした。はつらつとした綱島先輩、片や目元も涼しく艶やかな大倉山先輩。素晴しいな、その上カラーとなれば格別だな、そう思ってたら、表紙めくったところ、中表紙にてもう一度やられた。これまで見た、どの絵ともまた違う雰囲気、華やいで、素敵だな、そう思えるイラストだったのですね。
さて、『チェリーブロッサム!』。久しぶりにゲスト掲載の頃、冒頭ですね、読んでみて、そのあたりはやっぱり今と随分印象が違ったなということを再度確認しましたよ。絵柄がずいぶんとなまめかしい。なんというのだろう、身体の持つ生々しさというのを濃厚に押し出してくる、そんな感じがあって、当時はちょっと苦手に思ったものでしたが、読んでいるうちに慣れたのと、それから表現が大人しめに変わっていったのと、その両方でしょう、うまくマッチングした、そんな感覚があるのですね。
園芸部を舞台にした漫画です。先輩ふたりからセクハラをうける新入部員、大咲が主人公。健康そのもの、あるいは脳筋の綱島先輩は意図せずに、対し大倉山先輩は言葉も駆使して、あれこれ大咲を困らせるんですが、ふたりとも見事な脱ぎっぷり。大咲の前であっても、下着姿になることを躊躇しないところがありまして、こりゃ、いったいどういう人たちなんだ!? とにかくお色気で押してくる、そんな漫画なのかと思っていたら、いやいや、コメディとしてもよくできています。だんだんとキャラクターがこなれていくというか、会話やボケ、ツッコミなど、やりとりがどんどんうまくまわるようになっていきまして、時にはコミカルに、そして時にはちょっとシリアスに、キャラクターの魅力、コミュニケーションの面白さが描かれるのです。
しかし、ほんと、その魅力というの、すごいですよね。ヒロインにスポットライトが当てられる。えっと思わされるような意外な表情、思いもしなかった反応が描かれる、それがもう強烈に働きかけて、ああ、なんてこの人は可愛いんだろう。いや、その威力たるや半端なものではありません。脳筋、はつらつ、大雑把、そんな印象のあった綱島先輩なら、ちょっと気弱で怖がり、健気な様子。はすっぱな言動の目立つ大倉山先輩だったら純情など、本当に意外、なんと、実際はこういう人だったのか。これまでの印象との落差もあるのでしょうが、強烈な可愛さを生み出して、これはものすごいな、絵や設定じゃない、キャラクター間のコミュニケーションの上に成立する説得力ある可愛さ。見事であるのです。
登場人物は、大咲、綱島先輩、大倉山先輩だけでなく、園芸部顧問の新丸子先生に、幼なじみの菊名つばき、そして妹の咲野。皆それぞれに魅力的で、しかし大咲はもてますね。どちらかといえば朴訥な少年、けれど彼のそうした人柄があるから、ヒロインの魅力がよく引き出されるのかな。ええ、実際そうなのだと思います。
あ、そうそう。冒頭の描き下ろし漫画、あれは、なかなか、なるほどでした。見られることに頓着しない、けれど純情な先輩、あの人のそうした性格はこうした背景あってのものであったか、実に納得させられるものがあったのですね。しかも、サービスあり。ええ、絵の魅力、シチュエーションの魅力、それらをしっかり盛り込みながら、別の要素、メインの流れにうまく繋げていく。こうしたうまさが、この漫画の支え、土台となっていると感じさせられます。
- 茶菓山しん太『チェリーブロッサム!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2011年。
- 以下続刊


『まんがタイムきららフォワード』2011年9月号、発売されました。表紙は、水着のお嬢さん、3人揃い踏みですね。エンギさん、えらいこと堂々としてらっしゃる。対してソナー・クリオネさんは妙におどおどしてて、いや、でも、普段の衣装の方がずっと露出してませんか? ほら、あの、胸元からお腹にかけてとかさ。そして最前面にメリーさん。ああ、この人はいつもどおりだ。屈託ない笑顔を見せてくれる、そういうところ、本当に魅力的なお嬢さんですよ。
うざ可愛いっていうのがはやりですな。『
『
『放課後のピアニスト』をはじめて見た時、お、ピアノものか。また音楽ものが増えてきたな。そう思ったものでしたね。高校のピアノ部を舞台に、部員4人が好きなピアノを弾く。天才を感じさせる女の子響レミ。かと思えば天才そのものの黒木志土。この学校普通校なのに、なんでこんなに天才肌の子らが集まってるのか? なんて思ったら、その点ちゃんとフォローがあって、なるほどレミはライバル山田曽良を追って、シドは経済的な事情から、音高ではなく普通校を選んだわけか。ピアノ部部員、皆かなりピアノを弾く。けど、優れたものがあればどこか抜けていたりもする。そんな彼女彼らの放課後、ピアノをめぐるエピソードがほのぼのだったり、楽しかったり。そうした様子に、ほどなく好きになっていったのですね。
素晴しいな、『少女公団アパートメント』。ほんと、他にどういいあらわしたものか。『少女公団アパートメント』、素晴しいです。都会の学校に通うことになったので、田舎から出てきた女の子ちさ。おばさんの家にお世話になるのですが、それが団地。お隣さんに同い年の女の子ろかがいて、そして上の階にはなつみ、さくらの姉妹がいる。この4人が集まって楽しそうにしている風景、それがもう本当に魅力的で、ひとりひとりの個性、それが生き生きとして、見てる、それだけで充足するのですね。
先日のこと、ニンテンドー3DSを買いまして、ええ、つまり、これ買おうかなあどうしようかなあ、と迷っていた気持ちに区切りをつけたというわけです。しかし、なぜこの時期に決断がなされたのか。それはですね、3DSはいずれ買うだろうという予感があったこと、まずそうした前提があったのが重要で、そしてぜひとも今買っておきたいソフトがあった、ええ、このソフトが背を押したのですね。『
先日、twitterで自殺についての考察、といっていいのかな? そういうのがちょっと流れてきましてね、それで私もいろいろ思うこと書いてたら、おすすめの本があるよと教えてもらったのです。その本というのは『「自殺社会」から「生き心地の良い社会」へ』。NHKで自殺に関する番組を作っていた人が、有効性のある自殺対策とはなにかと考えた末、退職。自殺対策に取り組むNPOライフリンクを起こした。清水康之氏ですね。この人と文化人類学者上田紀行氏による対談本であります。
