『まんがタイムきらら』2011年8月号、発売されました。表紙は『あっちこっち』。白基調といっていいんでしょうか。背景が白地、そこに白衣の真宵、白ブラウスのつみき、姫が、どーんと画面前面を占めるから、やっぱり白の印象が強くて、けれどその印象が、中央にぎゅっと寄ってる三人をぐっと押し出すように思われるのですね。コントラスト高めに、女の子が押し出されてくる。また、姫の表情もキュートで、なんともいえぬ好感触表紙です。
『けいおん!』、まいったな、面白いよ。今回はムギさん回で、扉の紬お嬢様、あれこれとバイトに思いをはせている、その様子から素晴しい。本編においてもハイテンション。バイト情報誌を集めてくる、しれっと嘘をつく。律にチョークスリーパーきめられて嬉しそう。と、ここまでが嬉しい紬。で、ここからはちょっと悲しい紬になって、あの不安そうな表情からうるうる目まで、もう最高だな。素直で純粋で、そして強力な一撃! 紬さんの魅力がこれでもかと表現されて、あとの魅力は高校編で間接的に描かれることを期待しよう。しかし、ムギさん、好きだわ。これまでのもろもろが彼女に与えた影響、それもしっかり見てとれる今回。実にいいエピソードであったと思います。
『チェリーブロッサム!』、今回は幼なじみの女の子、つばきメインのエピソードですね。走る、バテる、綱島先輩と出会う。いやあ、綱島先輩、すごくいいよ。アスレチックコースに誘うんだけど、ものすごい運動性能。前世は猿なんだ。そしてターザンロープで事故。あのすっとぶコマに溢れる勢い、ほれぼれするな。綱島先輩は、この勢い、ちょっと無茶なところに加えて朗らかで前向き、こうしたところが魅力であるな、そう思わされて、そしてつばきにもいい影響あたえて、これは今後面白くなりそう。つばき、本格的に大咲にアタックしていく? いずれにしても、関係の変化は生まれそうですよね。いいですよ、ドラマです。
『はるまきトラップ!』、ゲストです。作者はノブヨシ侍。これ、めちゃくちゃ面白いよ。思春期妖怪現る。いかがわしい本を少年少女に見せて、その様子を眺めるという妖怪、春撒き姫、って、よくそんなキャラクター考えついたものだ。で、狙われる女の子、襟元ナオ、この子もすごい。いやらしい本に興味がないわけではない。そして非常などじっこ。けど、それくらいなら普通だよなって思ってたら、なんかものすごい要素が飛び出してきて、なんだあの、ビリヌゲフェチって。ものすごい威力でもって迫ってきましたよ。テンポよく、これでもかこれでもかと立て続けに押し出されてくる笑いのポイント。見事でした。ほんと、この人の漫画、大好きです。
『三者三葉』はお裁縫。葉子様のつくろい。ああ、昔は靴下にしてもなんにしても、つくろって使ったよね。それは社会全体が貧しかったからなのか、今具体的に貧しい葉子様を見て、そうした昔を思い出したんですね。しかし、貧しくとも心は錦だな。あの笑顔、見事じゃないか。清々しい。高貴でさえあるじゃないか。で、つくろいものできる程度の技術が、服作る役にたつわけないじゃないかっていう、この厳しい現実。荒井チェリーの漫画は、こうした高い技術要求されることに対して、全然舐めてないというか、非常にシビアな見方があるのが素敵です。そして、ネクタイ縫い付ける双葉。ああ、なんて可愛いの。葉子様針仕事に難色示す山Gの乱心、あれも実に見事でした。
- 『まんがタイムきらら』第9巻第8号(2011年8月号)
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