『まんがタイムきららMAX』2011年9月号、発売されました。表紙は『きんいろモザイク』。夏らしいイラストですね。画面中央に忍とアリス。輪になるように座っている彼女ら、それぞれが思い思いのくつろぎかたしていて、風に吹かれているカレン、本を読んでいる綾、寝ている陽子。けれど、綾の目は陽子に注がれているなど、趣きのあるいい表紙だと思います。そして忍、この子が不思議と大人びていて、いいお嬢さんだなって、そんなことを思って、そしてアリス。カーディガンを脱いだからでしょう、その小柄さ、華奢さがこれまで以上に際立つ、そんな魅力にまいっています。
『ひろなex.』。濡れてしまっためぐみ、なんだけれど、この上さらに酷い目にあうっていうのね。田んぼに落下、良心回路。これ、実際にこんなにきれいにわかれるってことはないだろうけど、左右の落差が見事で、見るほどに面白かったです。気持ちに余裕がないからか、ひとにらみでひろなを威圧するとかね、ほんと、今回のMVP。いい働きしています。そして、マンションのオートロック。雷の網膜の、そういう風に見るっていう想像力、それが面白く、まためぐみのつっこみ、それもいいアクセントになっていました。しかし、今回はめぐみ踏んだり蹴ったりの回。秘密がばれたのがみおだったのは不幸中の幸いっぽいけど、結局探検の意味がなかったというの見ても、落ちた甲斐、なかったなあ。ええ、やっぱり踏んだり蹴ったりです。
『おにさん、こちら』はプール回。プールは知らないのに、イスタンブールは知っているもみじ。なんという偏った知識だろうか。さて、プールで際立つ変わりものたちの行動。この漫画の登場人物、それこそ変わりものオンパレードであるなあ。そしてその変わりものたちの中、気付けば普通にまじって遊んで楽しんでいるもみじの姿。隠さなければならないはずの、けれど楽しいあいだは気にならない。そんな雰囲気、よほど楽しかったのだろうと思わせてくれるものがあって、面白かった。後に怪談になる。その真相を知ってる人間がいるというのも面白いと思うのですね。
『こずみっしょん!』は、自称宇宙人の臣美。この人が一番おかしなこといってるはずで、それこそトラブルメーカーでもよさそうなところが、実際はいつも被害をこうむる、そんな立ち位置というのが面白い。そしてトラブルメーカー、鈴子。これは便所飯ってやつなのか。侘しいというか、衛生面とかまずいだろう。しかし、いろいろ駄目な子、地味に臣美の社会生活にダメージ与えていて、極めつけは先輩だったのだけど、ほんと臣美は不憫。けどこの不憫さが面白いです。
『三種のジンギ!』。新宮いろはって、五六八でいろはと読ませるのか。さて、前回登場の三人に加え、吉野蓉子が登場。眼鏡のお嬢さん。地味な見た目をなんとかしたいと思っているのだけど、なかなかうまくいかない。そんな彼女を三人よってたかって改造しようという、そんな回。面白かったです。最初は、小さく、少しの変化で雰囲気を変えていく、そんな感じだったのに、だんだんと変更点、増やしていって、それこそ盛り過ぎ、そんな結果になったというのね。けど、これ、漫画だったら普通というか、これでも地味めよね。えらい可愛いじゃん、そう思うんだけど、現実だったらやりすぎなんだろうかなあ。この、可と不可の線引き、常識を失ったものにはなかなかに難しい問題です。
『お願い神サマ!』、面白い。聞かれるつもりじゃなかった、聞くつもりもなかった、そんな言葉にお互いにドキドキして、そのあまり口もきけなくなってというふたり。こうした危機的状況に現れる良心の天使と悪魔ですが、これ、天使も悪魔もどっちも変わらないなー。悪魔実優、めちゃくちゃ可愛いな。で、良ズリキョ、悪ズリキョ、ほんとにどっちも違わない。それだけお嬢様、純粋ってことなのかも知れませんね。そして雪崩れこむ、柚梨子TMクルーズ。どうでもいいけど、あれ、あんな組体操みたいのだったっけ? もう本当に、とにかく、面白かった。ふたりの問題も解決して、想像妄想、ステルスクール水着。ふたりの、旅行の楽しみに思っている様子、あの高揚した感じも見事でした。
- 『まんがタイムきららMAX』第8巻第9号(2011年9月号)
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