2009年9月15日火曜日

壁のなかの鼠

 継続してラヴクラフトを読んでいます。昨日は『インスマウスの影』を取り上げて、今日は『壁のなかの鼠』であります。アメリカに暮らしていた主人公が、祖先の住んでいたというイギリスに戻って、屋敷を再建、そこに再び暮らそうという話であります。ところで、昨日『インスマウスの影』が一番古い短編だろうかといっていましたが、東京創元社版全集の1巻ではこの『壁のなかの鼠』が1923年と一番古く、『インスマウスの影』は1931年、一番新しいものでありました。全集は2巻まで買っていて、つまり3巻以降はまだ手元にないものですから、まったく全貌がわからない。その手探りで進む感がよいなと思ってるんですが、たぶん全巻読んだとしても、よくわからないっていう感覚は抜けないだろうな。そんな予感がしています。

さて、『壁のなかの鼠』ですが、これは『インスマウスの影』にも増して不可解です。『インスマウスの影』では不条理ながらも、主人公があちら側に落ちていく、その理由や原因といったものが語られていましたけれど、『壁のなかの鼠』ではそういった描写はほぼ皆無で、ただ、先祖が因縁のある土地に住まうことになった。そうしたら酷い事件が起きた。事件は伝承として縷々伝えられて、そのため主人公の家系は土地の者から忌み嫌われている。などなど。で、そうした曰く因縁をものともせずに、主人公は呪われた建物を再建して、そこに住まおうというのですが、そうしたら酷い事件が起きた。これが大筋です。大筋すぎて意味わからんとは思いますが。

やっぱり気味の悪さが肝なのかなと思います。先祖と建物に関する伝承を追えば薄気味悪く、しかしそうした悪評を自分が消し去ってみせる、意気軒昂として屋敷に住まいはじめたというのに、最後にやっぱりあちら側に取り込まれてしまう。自分は大丈夫と思っていたけれど、危うい領域に入り込んだがために、正気を失ってしまうというところなどは、普段私たちが普通に暮らしている世界も、一枚その皮を剥いでみれば、異常な世界に隣接している、一部は混じり合っているのだと、そういわんがようであります。その、一歩先は人の領域ではないという特異点での出来事。それが、ラヴクラフトの世界なのかな、なんて思っています。

『壁のなかの鼠』は最初期のものといっていいんでしょうか。そのために、異様な存在、古きものとかいうらしいですが、そいつらはあんまり表立っては出てこず、少しだけニャルラトホテプが出てきた。といっても、夢の中だったり、あるいは主人公の見た白昼夢? そうしたところに少しだけ。で、このニャルラトホテプですけど、最近ではラノベになってたりもするそうですね。といったわけで、やっぱりクトゥルフの知識はマニアには必要だって思ったりするのでした。

あ、そうそう。ピルトダウン人が普通に出てきたのには驚きました。これ、世紀の捏造として有名な科学史上のスキャンダルですよ。ラヴクラフトの存命中には、まだこの嘘が暴かれてなかったんでしょうね。けれど、それが捏造であったということが、逆にこの短編の味わいになっているようにも思われて、なかなかいいアクセントでした。

  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第1巻 大西尹明訳 東京:東京創元社,1974年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第2巻 宇野利泰訳 東京:東京創元社,1976年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第3巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1984年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第4巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1985年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第5巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1987年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第6巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1989年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第7巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,2005年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』別巻上 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,2007年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』別巻下 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,2007年。

2009年9月14日月曜日

インスマウスの影

 このところ、ラヴクラフトを読んでいます。とりあえず『インスマウスの影』から。テキストは、いくつか出ているなかから、とりあえず一番買いやすそうな東京創元社版『ラヴクラフト全集』を選んで、けれど実際これがよかったのかどうかはわかりません。でも、まあ、いいか。評判のいいのを読みたいと思って、事前にいろいろ調べてみたんですけど、定番みたいなのはないみたいなんですね。それぞれに問題がある。収録方針であったり、また訳であったり、一長一短みたいで、じゃあ、まあ、適当に選んじゃっていいか。といったわけで、東京創元社版にしたのでした。

で、『インスマウスの影』。これがクトゥルフ神話の最初の短編になるんですか? クトゥルフ神話っていうのは、怪異が日常世界に隣接している。そうした話だっていうのですが、ラヴクラフトの創造した設定を引き継いで、多くの作家が同一世界を舞台にした物語を書いたとかって聞いています。また、クトゥルフものでなくとも、そのエッセンスを引用、採用しているものは多く、実際私の知っている漫画、ゲームにもそのモチーフが散見されます。例えば漫画『スプリガン』にはアーカムという組織が出てきますし、ゲームでは『カルドセプト』に出てくる水属性クリーチャー、マーフォーク、シーモンク、ダゴンあたりがそれっぽい(絵も加えればクラーケンも?)。それから、西川魯介漫画もクトゥルフ系の宝庫っぽくて、そうさなあ、私は西川魯介の漫画に出てくるもろもろを理解したくて、クトゥルフに手を出したようなものですよ。西川魯介に限ったことじゃありませんが、クトゥルフ自体を知らなくともそれらを楽しむことは可能だろうとは思うけれど、でも知っておいたほうが、なにかとよいだろう。とのことで読み始めて、その最初が『インスマウスの影』というわけです。

読んでみての感想、というほどのものでもありませんが、ホラーというほどに怖いという感覚はなく、かわりに生理的な嫌悪感が前面に押し出されているといった感じでしょうか。好ましくない感触、匂いだとか触感だとか、そういうのが執拗に語られて、インスマウスに暮らしている連中のなんともいえない嫌な感じ、その目付き、顔付き、そして街中にたちこめる生臭さなど。読んでいるうちに、ああこの街、嫌いかもなって思うようになって、そしてあのクライマックス、で、後日譚ですね。実をいうと、クライマックス後にインスマウスの街にはびこるもろもろが白日の下にひきずりだされたりするのかな、なんて思ったのですが、そうはならず、へー、こういう風にひっくり返すのか。それは、今ではもう定番といっていいような典型的ひっくり返しではありますが、ラヴクラフトがこれを書いた時代ではどうだったのでしょう。ともあれ、最初は怖れ、嫌悪していたことが、最後にはすっかり違ったように受け入れられるにいたって、その高揚した雰囲気、なかなかによいなと思わせるものがあって、こういうところが人気なのかなと思いました。

しかし、まだ読み始めたばかりです。ラヴクラフトの面白さは、きっとこれからでしょう。少しずつ読み進めていきたいと思っています。

  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第1巻 大西尹明訳 東京:東京創元社,1974年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第2巻 宇野利泰訳 東京:東京創元社,1976年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第3巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1984年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第4巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1985年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第5巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1987年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第6巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1989年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第7巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,2005年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』別巻上 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,2007年。
  • ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』別巻下 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,2007年。

2009年9月13日日曜日

ラブプラス

 『ラブプラス』、絶賛継続プレイ中です。とりあえず、最初の一週間を過ごしましたよ。リアルタイムモードのみでのプレイ。平日を一通り体験し、そして土日、そしてデートを経験して、これで基本的な流れがわかったって思っていいのかな? といったような状況です。パートナーは凛子。まだ髪型もなにも変わっていない、まだまだこれからといったところ。本当にゆっくり、ゆっくり進めていて、これはうまく負担にならないように生活に取り込めたら、一年とか、あるいはそれ以上、遊べたりできるかな、なんて思っているところです。

さて、以前、第一印象でいってたこと、リアルタイムモードは勤め人には無理じゃないかという心配。これ、意外と大丈夫でした。もちろん、まったくゲームする時間がとれないというような人には無理だろうけど、通常イベントは五分くらいで終えられるほどに短いから、一日数度、これといった時間にちょこっとプレイするだけで問題なく進めていくことができます。私の場合なら、朝、通勤の合間に登校イベントをやって、昼、会議室に逃げて会話イベントをやって、帰り、通勤の合間に下校イベントをする。これを基本セットとしています。あと、朝、これを目覚し代わりにしているので、必然的にラブプラスモードに突入するし、夜は目覚しをセットするのでやっぱりラブプラスモードに突入する。以上、トータルで一時間かかりません。まあ、会話が長引くと何十分とかなっちゃうんだけど、まあそれは適当に切り上げるとよいでしょう。

といった感じです。また、休日のデートイベントですが、これも十五分くらいかな? そんなに時間をとられませんでした。ひとつずつのイベントは短くして、そのぶん数を多くしたっていう感じなんでしょうか。日常を圧迫しないようにして、細く長く愛してもらおうという、作り手の配慮というものが感じられるようでして、正直これはありがたいと思いましたよ。

基本的にクリアという概念がないところ、またイベントも人によって起こり方が違ったりするのかな? そういうところもありがたいと思います。RPGとかだと、ラスト、エンディングに向かって直線的にイベントをこなしていくという印象があります。で人によって進度が違うわけで、進んでいる人たちの場においてはネタばれが怖いし、なんだか自分が遅れているような感じがするのもちょっといやだしで、そのあたりがちょっと難しい。でも、『ラブプラス』の場合はそういう気持ちにはあんまりならないんじゃないかと思っているんです。

というのも、攻略というようなものは、友達パートで終わってるわけです。だから、あとは個々人で、個々のエピソードを積み重ねていけばいい。まあ、そのエピソードは結局用意されたイベントに過ぎないから、他人の体験談はネタばれになってしまうんですけどね。だから、私はちょっと閉鎖的にプレイしていくつもりなんだけれど、つまりイベントについてなどの詳細は知りたくない。だからちょっと落ち着いた頃合い、イベント一覧や髪型、服装一覧といったものが出尽くして、もうあとは自分の経験、感想を述べるばかりになってからが楽しそう。一気に燃えて、燃え尽きた人が離れた後に残る、ほそぼそと楽しみ続けている人たち。その人たちの、少しずつ仲を深めていこうといったような、先を急がないプレイは、そもそも最初からリアルタイムモードのみでプレイしている私には共感できるものとなるんじゃないかなって思っているのです。

さて、タッチペンでの操作はだんだんに慣れてきました。ほぼ満点カレシから満点カレシくらいを狙えるようになってきて、けれど、たまに怒られる、そんな感じ。そしてマイクですが、あれ、最初はどうも話しかけにくかったのが、慣れると平気になりますね。もちろん人前ではやりませんけど。また、家族の動向もチェックしておかないと、独り言と勘違いされてしまう。いやね、以前Skypeで通話してたら、独り言と思われてしまったことがあるんですよ。いや、いくらなんでも夜中じゅう独り言はないですよ。でもきっと、危ぶまれてるんだろうなあ。

『ラブプラス』は、とりあえず一週間プレイして、おそらくはとりあえず一ヶ月プレイすることになって、それで一年を過ごすことになるでしょうか。心配なのは、そう遠くないうちに作業になってしまう可能性です。人間相手だと倦怠期なんていうんでしょうか、話なんてもうし尽くして、新しい話題なんてないし、なんか一緒にいても間が持たなくなる。そういうことがないように、デート等のイベントや会話のパターンこそは多数用意されているのでしょうが、ラブプラスモード、マイクでの対話モードですね、これが最初に陳腐化するんじゃないかと思われて、けれどそれをどう乗り越えさせるのか。それが目下の楽しみになっているといったら、ちょっといじわるですね。でも、一年持たすために急がないと決めた私にとって、陳腐化してからのラブプラスモードの過ごし方はすごく気になるところです。穏やかに対話するって雰囲気になって、結構よかったりして。といったように、自分の気持ちの変化を含め、これからを楽しみにしています。

2009年9月12日土曜日

『まんがタイムラブリー』2009年10月号

『まんがタイムラブリー』10月号が発売です。季節は秋。九月といえば、中秋の名月です。って、今年の十五夜は10月3日らしいですけど。いや、私もつい最近知ったんですけど、『ジャーノ☆ROADはへヴィ!』で。でも、今年の十五夜が10月でも、これは10月号、どうも大丈夫そうですよ。表紙には、月見、団子、兎、すすき。秋を思い起こさせるいろいろが描かれて、季節がわからなくなった私には、こうして漫画で風情を感じるのが一般となってしまったみたいです。

『青木くんの彼女 — 今時女子高生攻略法』、ゲストです。著者は青木光恵、ビッグゲストらしいのですが、実は私はこの人のことよく知らず、西原理恵子の漫画に出てくる印象しかないんですよね。だから、まともに読むのはこれがはじめてかも知れません。

調子のいい男子高校生が主人公? 可愛い女の子だったら、タイプでなくってもちょっとしたことで好きになってしまう。で、適当に話を合わせて、いい加減なこといってしまう。あんまりいい印象じゃないなあ。で、あんまり女の子からも注目されてないっぽいという、そういう漫画のようです。

パニクリぐらし☆』。長瀬さんが兄貴にパンツを見られてしまう話。って、別にパンツくらいどうってことないですよ。ノープロブレム。しかし、この漫画、最初は高嶺の花みたいだった長瀬さんが、どんどんいろいろあかんお嬢さんになっていって、それが微笑ましく感じられます。悪い人じゃない。特にだらしないわけでもない。普通なんだけど、ちょっとどんくささなんてのを感じさせるようになったきて、これは兄貴、楠家に馴染んで気負わなくなったってことなのかも知れませんね。そう思うと、なんだかいい変化と思えます。ところで、みつきのセーラー服、冬服の可愛いこと。実質的に、この漫画のヒロイン、看板娘はみつきですな。

『視界良好』、眼鏡の日の話題。日本メガネベストドレッサー賞とか出てますが、けど実は私はこれ、興味ないんだ。いやね、なんかものすごく無理矢理な感じがしまして、興味ないんだ。しかし、この漫画のヒロインは可愛い。これが男だったら、『屈折リーベ』の秋保めくところが、成田秋奈ときたら、なんだかあっっけらんとして明るくて、さっぱりとしてつきあいやすそうなお嬢さんです。これは、きっと眼鏡がなくとも、いいなと思ったろう。そんなキャラクター。そこに眼鏡がくるんですから、そりゃいいと感じるのもしかたがないことだろうと思います。

うさぎのーと』は料理の話題。犬飼(弟)のかっこいいことったら。実績とか、そういったことを考えると、ああいうスタンスはよくないんでしょうけれど、自分の納得いくものを納得いくようにやりとげたいというのなら、あれでむしろよいのだろうと思わされて、かっこいいな。名声とかどうでもいいんだ。身近にいる大切な人たちがしあわせであるなら、それでいい。素晴しいストイックさだと思います。そりゃ、許すとくるわな。ところで、片岡は凶悪です。大鎌、いいじゃないか。素直になっちまえよ。私はもう素直になったよ。

『ただいま独身中』。甘い言葉で甘い気持ちになったという、その表現がなんだかいいなと思われて、これはあれだ、些細な寂しさでつまずいてしまったんでしょうな。なんだかわかる気がします。こうした年頃の、こうした気持ちの綾、いい面も悪い面も、ヒロイン楓からじわじわと感じとれる。すごく面白い。で、この人もやっぱり姉なんですね。で、きっと弟は小さなころからいろいろ割を食わされてきたんでしょう。そういうところ、楓という人はやっぱり魅力的だと思います。

『ごめんね、委員長!』、いい感じです。片手でドッジボール。え? ドッジボール? それ、やっぱり怪我に障るのではなくって? と思った私は委員長同様びびりです。しかし、今回も委員長は大変な目にあって、やっぱりそういう役柄なのか。でも、ちょっと寂しがりやな委員長、とてもよいと思います。

『ヒーロー警報』、Jのヒーロー能力が大活躍。どうしようもないおっさんって印象だけど、やるときにはやる、というか、困った人を見ると助けてしまうお人好し、いや、気のいい男なんですね。素晴しい。しかし、この漫画はおっさんや爺さんが光っています。昔を懐かしむJとY、今ではもう笑い話になってるんだ! 仲がよさそうでなによりです、というか、なんでYが悪の秘密結社なんてやってたのか、わからなくなってきました。そして、今回もHは落ち要員として大活躍。いいポジションです。

『縁側ごはん』。なんか、人いっぱいだ! 猫にでれでれの女子高生。この人可愛いな。復讐に燃える女、姉。この人、美人だな。昔のことを、今も忘れず恨んでいます。もう、本当にばかばかしいような話なんだけれど、でもどうしても復讐せずにはおられなかった。そうした人間の小ささ、いや失礼、気持ちのぶれず真っ直ぐなところ、魅力的でありました。というか、こういう姉はいいやね。そして、主人公の仕事がわかりました。画学生かと思っていたら、そうではなくて、手染めの手拭い作る仕事? 職人さんであったようです。こうして、ちょっとずつ人が増えて、その人となりもわかってきて、不思議な感じから、楽しい、微笑ましい、そんな面白さに移行してきたように思います。結構好きな感じ、いい感じです。

  • 『まんがタイムラブリー』第16巻第10号(2009年10月号)

引用

  • 中島みゆき『誕生

2009年9月11日金曜日

乙女王子 — 女子高漫研ホストクラブ

 『乙女王子 — 女子高漫研ホストクラブ』は、『まんがタイムきららフォワード』に連載されていた漫画です。小形ひよなが入部した漫研は、ろくに部室も貰えていない、ろくに活動もしてこなかった、そんなありさまで、その帰結が同好会への格下げ、部費全額カット。このままでは、なにもやらないうちに終わってしまいそう。どうする!? といった危機状況から始まって、しかしその打開策が奮っていました。ホストクラブをやろう! しかし、ホストクラブのどこに逆転の可能性があるというのでしょうか。

それは、目下の敵である生徒会副会長の弱点をリサーチした結果であります。三つ編み、眼鏡、デコという、堅物を絵に描いたような彼女。しかし、ひょんなことからばれた美男子好き。そこに付け込んで、篭絡してしまおう。よってホストクラブというわけです。そんなあほな! いや、あほな話だと思いましたよ。正直、『きららフォワード』誌で一二を争うあほ展開だと思ってるんですけど、このあほさ加減がいいんですよ。部の存続を賭けたホストクラブ。しかも、舞台は女子校。男子なんていないから、部のみんなで男装してのおもてなしときた。これは、いい。これはしびれました。もう、大好き。もう、どんどん調子にのって、頑なな副会長、比田井ひかるを気持ちよくしてあげて欲しい! なんて思ったものでしたよ。

『乙女王子』は、部を存続させるために敵を篭絡し、そしてついでに部費も稼いじゃう漫研の面々の頑張りを見て楽しんで面白がる、そんな漫画かと思っていたら、どんどん比田井ひかるにフォーカスが移っていって、しかしそれがもう本当に素晴しいの。夢壊されて怒ったかと思えば、思い描いていた夢が具現したかのようなロドリゲスに夢中になって、冷静さ失い強権発動するかと思えば、嫉妬振り撒くは、混乱して拒絶するは、最高。可愛いのなんのって。恋すれば、人は誰でも心揺らすものだと思うけれど、それにしてもあんたは揺らし過ぎだ。でも、恋に心乱している女子というのは可憐であるなと思わないではいられない、そんな描写の連続で、あんなにピリピリしていた人が、今ではこんなにも甘くほころんでいる。素敵すぎ。しかし、彼女の目にはロドリゲスがどれほど魅力的に映ったというのでしょうね。

でも、こうしたコミカルなラブコメ? を描いてきて、途中にはロドリゲスを演ずる昌の不思議設定なんかもばんばん出てきて、基本コメディすなわち喜劇であるのですけど、それがしかしあのクライマックス! 素晴しかった。思い余って思いの丈をありったけぶちまけてしまったひかるに、昌が自分の言葉で語りはじめる。彼女の本心に触れた — 。その真っ直ぐな思いを受け止めて、そして発された真摯な言葉が感動的でした。思いやりに溢れた言葉。それからの数ページは、もう涙なしでは読めない。恋の終わりをはっきりと自覚しつつ、けれど暖かな友情に包まれている。屈指の名シーンでありました。切なく美しく、やさしげで、ちくりと心に痛みを残しながらもしあわせと感じさせる。アンビバレントな感情に揺れる乙女の胸中、その思いが読んでいる私にも流れ込んできて、胸がいっぱいになるのですね。

小粒ながらもきらきらと輝く、宝物のような漫画であったと思います。そして、最終話、漫研の面々の本来の頑張りにフォーカスが戻って、そして描き下ろしの後日譚。ささやかながらも、彼女らが達成したものを思うとおのずと嬉しさが込み上げてくるようでありました。それはこのホストクラブ騒動を楽しく眺めているうちに、私自身篭絡されてしまったってことなのかも知れません。大好きな漫画でした。きっとこれからも好きであり続けるだろうと思います。

2009年9月10日木曜日

Roland SC-88VL

なんか、『けいおん!』に触発されたわけでもないのですけれど、いろいろな楽器を弾けるようになりたい、などと思うようになりまして、それでギターにベースを加え、そして次はキーボードだ。って、さすがにどんどん買うっていうわけにもいきませんから、昔使っていたものを引っ張り出してきました。Roland SC-88VL。これは音源ですね。RolandのMID音源。GM、GS対応で、カタログを見れば654音色、32パート、64ボイスとあります。これ、SC-88の廉価版として出て、買いやすくなったと思って喜んで買ったら、その直後に決定版ともいえるSC-88Proが出て、愕然としたのでした。88Pro、今でも欲しい。でも、88VLにしても、到底使いこなせてるとはいえないから、Proを買うことはまあないだろうな、なんて思っています。

MIDI音源だけでは、演奏はできません。なので、Macintosh LC630とEZ Visionを組み合せて、それでDTMをやっていました。あんまり本格的とはいえないのだけど、小さなソフトハウスにMIDIで作ったジングルを売ったりして、それはそれなりに面白かったのですが、その会社にあった音源がSC-55mkIIという、88よりさらに前の機種だったため、88VLをSC-55モードで使ってた期間が長くて、本当にもったいないですね。音質とかかなり落ちますから。でも、再生される環境に合わせて作らないことには意味がないから。で、その仕事をしなくなったら、DTMやることもまたなくなってしまって、もう、本当にもったいないです。

LC630はEZ Vision専用機としてちゃんと確保されているのですが、残念ながらまったく使っていません。よって当然SC-88VLも死蔵されることとなって、けれど最初にいいましたように、最近なんだか妙にやる気見せはじめてますから、MIDI鍵盤繋げて弾こうかなって。コンピュータで制御するのでなく、自分で直接弾いてみようかなって思って、環境を揃えたんですね。といっても、MIDI鍵盤買ったりはしてません。またこれも持ってまして、PC-180というもの。49鍵仕様。ベロシティにももちろん対応しています。

鍵盤楽器を触るのって、いったい何年ぶりだろう。もう思い出せないくらいに間があいてしまっているのですが、それでも思ってたよりもましでした。まあ、想像していたのが、もう酷いものだったってだけの話で、全然弾けてるうちにははいらないんですけどね。で、クラシックやるつもりはないから、簡単にコード押さえて、メロディを弾ければいいかなって。といった具合にリハビリしてるんですが、右手が開かなくって、油断するとオクターブが押さえられなくなってるのには参りました。Cを押さえたいのに、CM7になるんですね。左手は、ギターでストレッチしてるからいいんですけど、右手は意識的に開くということがなかったから。まあ、リハビリです、リハビリ。

でも、ギターをフラットトップ、エレキと弾いて、サックス吹いて、ベース弾いて、鍵盤弾いて、って無理。一日中やっても、全部はできません。今はギターメインで、サックスリハビリ中で、ベースはなかなか弾けなくて、鍵盤はさらに弾けなくて、ああ一日は短い。人生も短い。むずかしい問題です。だって、一日八時間やっても一通りの練習がすまないのですから! ああ、眠らなくても疲れない薬が欲しいよ。そう思う瞬間です。

  • Roland SC-88VL
  • Roland PC-180

2009年9月9日水曜日

『まんがタイムきらら』2009年10月号

『まんがタイムきらら』10月号発売です。表紙は『けいおん!』、振り返る律っちゃんがメイン? 奥に唯がいて、前に律っちゃんがいるという、律っちゃんファンにはきっと嬉しい表紙でしょう。ページをめくれば、京都アニメーションのデスクトップアクセサリー集の広告があって、ちょっとびっくり。で、リンクを作成しようと、京アニショップ特設ページにいってみたら、壁紙の期間限定ダウンロードやっていて、あぶねー。そういうことは、もっと大々的にやってくださいよう。なんだか、無用のはらはらを味わってしまいました。

広告に続いて、アニメ『けいおん!』のリプレイがあり、関連商品、CD等ですね、の告知があって、そして本編、『けいおん!』です。夏休みが終わり、学祭に向けての動きが本格化する。そんな中、黄色い手というカラーに映えるネタがあって、地味だけど面白かった。みかん、いいなあ。もうじき、みかんが出回りますね。さて、内容はというと、唯と憂の姉妹の絆クローズアップといったような回でした。いつも頑張っている憂がむくわれる、そのむくわれかたもよかったと思ったのでした。

三者三葉』、葉子様、髪型を変えるの巻。葉山君の協力でオプション装備がなって、ポイントががつんがつんと急上昇ですが、けれど、それも大いに素敵なのだけれど、やっぱり葉子様らしくはないという感じです。そして後半は西山さんにスポットライトが当たって、いや、思ったんだけど、西山の敵は葉山ちゃんじゃないと思う。もっと違う、別の近しい誰か、そっちの方がずっとあれだと思う。そして、久しぶりの山路ハイスペック。器用貧乏の鑑のような男だと思います。すごいけど、あんまり憧れたりはないなあ。

かなめも』、今回のはるかはよいはるか。いろいろと問題のある人として描かれる人でありますけれど、それでも良識や思いやりを持っていて、それを発揮させることがある。そうしたことが描かれて、そしていろいろあっても、ちゃんとそうした好意を理解しあえているというのがすごくよかったです。というか、フォーマルはるかは素晴しいな。寂しいという気持ちを表に出さない、そうした代理も切ないけれど、そうした思いを出したくないという、けれど思いは消せないという、それをちゃんとはるかが理解している。そうしたところもよかったと思ったのですね。

『ジャーノ☆ROADはへヴィ!』は、きららWebで連載されている漫画。でも、なんかものすごく久しぶりな気がするぞ!? ちょこっといろいろ忘れてしまっていたけれど、読みながらだんだん思い出して、そしてパルミの駄目さがまたはっきりとして、面白かったです。やっぱりこうしてまとめてたくさん読めると、いいなって思います。

『PONG PONG PONG!』、単行本が出るらしい。わーお、こいつは嬉しいな。さて、お師匠さま登場です。にこにこしながらの実力行使がひどい。でもって、名前がフォックス先生。なんか思いもしないポジション、こいつは面白いなと思って、また加えて祐太がナチュラルに酷い目にあわされるという、それも面白いなと思えて、しかしお師匠さましか気づかわなかったというのが……。でも、多分、そう遠くないうちにお師匠さまも気づかわなくなるんだろうな……。しかし、面白い漫画だと思います。キャラクターがいきいきとのびのびとしています。お役御免を怖れるタヌキがもう可愛いんだ。

『ましゅまろタイフーンッ』、おとなしい女の子雛がきなこに微セクハラを受ける漫画でありますが、我慢の限界を超えると逆転するのか。これはちょっと面白いかもなって思いました。逆転の目がある、それはとてもよいことだと思います。

まーぶるインスパイア』。ネトゲでの知り合いが、意外と近くにいたという話。けど、メインの三人と、あの株式やってる娘のグループ、こうしてかかわりを深める可能性があるというのは意外と思って驚いて、これはちょっと面白いことになりそうです。というか、聖が微妙なおかしさを醸し出していて、これはいい。というか、まともな娘、出てこないのね、この漫画。でも、それがとてもいいと思います。

『ちりめら』、演劇部漫画だけど、あんまり演劇部って感じじゃない。むしろ、一人称を名前で呼ばせて、その恥じらう可愛さを楽しみましょう、みたいな漫画になってました。自分を名前で呼ぶ女の子って、これまで正直どうかと思ってましたけど、最近考えが変わりました。リンコノコトジャナイヨ? 『ちりめら』は、異様なハイテンション、先生が可愛い漫画だと思います。あの、釣り上がった眉がいいね!

ダブルナイト』のユキちゃんが男って、まだおじさんにばれてなかったのか。意外。けど、おじさん開眼。いや、それって、まずくないですか? いや、全然まずくないです。おじさんは正しいと思います。実際、このへんのユキちゃん争奪みたいな雰囲気、今後も継続するのかな。したらしたできっとよさそうだ、なんて思ってます。

メロ3』、ポン太の妹真都が犬を拾いました。この妙に真面目でまっすぐな妹、可愛いなあ。あの、見た目ポン太似のところ、でも女の子、凛々しくっていいなあ。そして、肝心のポン太はというと、なんか頼れる、そんなところをさりげなく見せましてね、やっぱりいい男じゃん。ポン太、結構好きです。ところで、さらりとペット扱いのメイドさん。酷い! 酷いけど、面白かったです。

『さむどら』、漫画のアシスタント? 内気な先生と、前向きな弟子。その少しかみあわない、けれどなんだか勢いでうまくいっちゃってる? みたいなところが面白かったです。というか、師匠、スイッチが入るとひどいな。ええ、ひどいところがいいんです。

『日本ちゃん』、新連載です。って、おーい、真に受けたじゃないですか。でも面白かったからオッケーです。

そして、My Private D☆V。シバユウスケだ! この人の絵は最高だと思う。人物のドールっぽい表現、長い胴、より長い手足、それはすごく伸びやかで、絵に溌剌とした印象を与えて、本当に素敵。ワンピースも素敵。まわりに描かれた花も素敵。ハイビスカスお好きですか。今日、『きらら』買いにいく道すがら、たまたまハイビスカスの写真を撮ったですよ。

Hibiscus

ハイビスカスといえば、マキシ丈のティアードスカート、去年から今年にかけてすごく流行したみたいですけど、赤のグラデーションの目を引く鮮かさ、そのトーンもあいまって、すごく綺麗。ハイビスカス思わせる、そんな美しさがあって、この人の描くキャラクターには、そうしたのもすごく似合うと思う。

画集とかがあるなら、買いたい。そう思わせるような魅力にあふれた絵を描く人だと思います。もう、大好きです。

  • 『まんがタイムきらら』第7巻第10号(2009年10月号)

2009年9月8日火曜日

『まんがタイム』2009年10月号

『まんがタイム』10月号、出ています。表紙はバンドづくし。おとぼけ課長こそは、世界のOTOBOKEっぽく、ボーカルとしてご活躍ですが、他はギターを持って、ちょっとバンド風であったりします。青いギター持った黒ぽっぽが、むやみやたらと可愛いなあ。作家先生は、アコースティック・ギターの方が似合いそう。平成、二十一世紀の今に四畳半フォーク的雰囲気を求めるというのなら、このふたりに優るものはないと思うのですね。

『小悪魔ティーチャー』はちょっとふっくらした話。女性はちょっとくらい肉付きのいい方がいいんですよ、っていうんだけど、実際私もそう思っているんだけど、実際に好きなのはやせぎすな女の子です。すみません。栄養足りてなさそうな、やせぎすの、スタイル的にいうとちょっと残念な感じ、これはがつんときます。で、この漫画の次女、葉子がこれなんじゃないかと思ったら、人並み……、だとのこと。しかし、あの空を仰いだ様、チャーリー・ブラウンみたい。この表現、ちょっと気に入ってしまいました。

すいーとるーむ?』は、永井君がどんどん変態的になっていって……、いや、最初からわりとあんなもんか。しかし、会社のあちこちに巣を作ろうとする人たちの話。まあ私もギター置いてるものなあ。だからよくある話なんだと思うのですが、それにしても塩田さんはすごい。会社を作って独立しようって人は、ああしたパワーがないといけないのかも知れませんね。見習おう、きっと無理だけど。

みそララ』は、飲み会やるといつも馬鹿な話になるのだけれど、その馬鹿さ加減が素晴しい。笑いごとかと思っていたら、笑いごとではすませてもらえないという、なんという絡み酒。しかし、社長は若い頃は結構かっこいいなあ。そして、最後の最後に悲しい未来予想図が描かれて、それは、それは、やめて!

『めもり*ON AIR!』、ゲストです。『ラブじゃらし』の人。新作は、地方テレビ局のアナウンサーをヒロインにして、どたばたとどんくさく、けれど明るさが持ち味。しっかりもの、というか、短気で神経質な後輩がいて、このふたりで盛り上げていこうってことなのでしょう。逆境にめげないヒロイン。そうしたところはよさそうだなって思ってます。逆境にめげる後輩も可愛らしいのですけど。

『ふたりぽっぽ』、黒ぽっぽことこばとがむやみやたらと可愛いんですけど、しかしその扱いはひどい。頭が悪いって、しかも駄目押しで二度も。でも、可愛いからいいや。私はこういう人に教育を与えたい。というか、白ぽっぽ、くるの策略に囲い込まれて、こうなったんじゃないのんか? だからきっと、この先もこうして囲い込まれるんじゃないかななんて思って、だから結構怖い漫画なのかも知れさせん。まあ、そうしたところも面白くてとてもいいのですけれども。

『草野くんの羊育日記』、みたにひつじの次に羊育日記がくるというね。普通の牧場ものかと思いきや、人の言葉がわかる羊の仔が出てきて、ちょっと昔の児童向けアニメとか彷彿とさせる雰囲気があります。絵は、羊の仔は可愛いし、動物はちゃんとしてるし、人物はしっかりした感じがあるし、結構好感を与えます。

『先生のすずめ』、最終回。前回はしんみりとさせる話、そして最終回はそうした悲しい雰囲気から抜け出そうというようなところがあって、そして最後のページの八コマ。これはちょっとよかった。言葉にはならない、思いのゆきかうところ。それをどう受け取るかは読み手次第なのかも知れないけれど、含み、広がり、そうしたものがあって、いいラストだったと思います。

  • 『まんがタイム』第29巻第10号(2009年10月号)

2009年9月7日月曜日

はこいり良品

 井上トモコは好きな作家、『はこいり良品』は好きな漫画です。主人公は、古書店を営むお嬢さん。木下しおり27歳。祖父から店を譲り受け、店長になってからの奮闘ぶり、とはいいますが、描かれるのは意外にマイペースな姿だから、むしろ感想は微笑ましいという感じでありまして、読んでいてすごく楽しい。気持ちが穏かになるような、そんなところがあるのです。でもね、時にシビアな古書店事情なんてものも語られたりする。ただ好きというだけで、仕事なんてできるものか。とでもいいたげなそのたくましさは、見ていてほれぼれするくらいです。ヒロインは古書店の女主。彼女には年の離れた妹がひとりあって、また周囲には、同じく店を持ち、商店街を守り立てようとする人たちがあって、その人たちのたくましさ、人懐こさがなんだかとても嬉しい漫画であります。

この漫画の楽しさ、面白さは、結構な広がりを持っているように思います。まずは、古書店をめぐるエピソードがあって、ここでは祖父や同業の青空古本店さんといった人たちが主にかかわりをもっています。しおりの妹マキをめぐるエピソードとなると、幼馴染みの魚屋の息子、ケンジとの微笑ましい関係があったり、またこのふたりを小さなころから知っている、商店街の面々の見守る目があったり、どうもふたりはやりにくいみたいだけど、これが結構わずらわしいながらも暖かい。そして、商店街のエピソードがいいのですね。店をやっている人たち、一筋縄ではいかないタフな商売人たちが、店を商店街を盛り上げようと頑張っています。しかし、あの手この手で売ろうとする、その戦略というのがやっぱりどこかしら微笑ましいものだから、憎めない。なんか、いいなって思ってしまうよさに溢れているのですね。

この漫画から感じられるよさっていうのは、ちょっと昔の雰囲気といったらいいのでしょうか、地域、町内というものの空気を感じさせるところにあるのだと思っています。私は今、ちょっと昔と書いたけれど、多分今でもあるところにはあるのだと思います。町内というものの雰囲気。けれど、私の周辺にはなくなってしまったようです。町内の子は、誰の子であっても、町内のみんなで見守って育てているといった、そういう感覚がこの漫画にはしっかりとあって、それが顕著なのはマキとケンジのエピソード、ふたりは間違いなく商店街の子ら、なんですね。そして、商店街の面々の互いに助けあっていこうとしているところ。自分の店だけでなく、喫茶店と古書店で提携してみたりする。その人と人との繋りが、この漫画における魅力の源泉であるのだと思っています。

けれど、そうした繋りが時には面倒くさいというのも事実。実際、マキもケンジも辟易しているところがあって、でもこういうネガティブなところもちゃんと描いてるってのはフェアです。いいことばっかりいわない、けれどいいことがあればそれをしっかりと描いてくれる。マキもケンジも、商店街を嫌ったりなんてしていない。地域社会のこういうところってちょっと面倒だよねって、笑って話せるくらいに受け入れて、飲み込んでしまっている。それで、いいところもいっぱいあるけどねっていいあえる、そんな感じが人懐っこくていいのですね。

ところで、ちょっと蛇足気味に書くけれど、ケンジの恋心の変遷をたどるのがすごく面白かったりします。意識なんてしてなかった女の子、けど可愛いといってる人がいたら、その評価に心揺れてしまって、というようなところ。ああ、わかるわ。こういう、ちょっとした心の動き、すごく丁寧にすくいあげられてて、すごく好感が持てるんです。

  • 井上トモコ『はこいり良品』第1巻 (まんがタイムコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

2009年9月6日日曜日

ラブプラス

 9月3日に『ラブプラス』を買ったといっていた、それは冗談でもなんでもなくて、本当に買ってます。このゲームの存在を知ったのは今年の4月29日のこと。多分。なんでわかるかというと、このゲームを知った記事だかなんだかの画像が残っていたから。いったいどこで知ったのかは思い出せないのだけど、丹下桜と皆口裕子が出演するゲームが出るよ、って聞いて、うっそー、それはなんということだろう。まさに直撃の世代ですよ。で、買おうとその時に誓った。けれど、発売日が近付くにつれて、なんだか疎遠になって、どうしようかな、やめとこうかな。ええ、買うつもりはなかったのです。あの記事を読むまでは……。

 あの記事とは、いまさら説明するまでもないほどに有名になった記事、4Gamer.net ― ラブの摂り過ぎにご注意ください。危険な恋愛コミュニケーションゲーム,「ラブプラス」をレポート(ラブプラス)であります。

記者の異様なテンション。のっけから実際にプレイした筆者の薄気味悪い感想を交えつつ,ゲームの概要を紹介して行こうときたもんだ。で、その本文にぐっとくるものがあったのですね。ゲーム紹介記事でありながら、ヒロインの画像が凛子のみという偏りを見せていたり、いちいち言動が常軌を逸していたり、なんたって、ギャバイ、だもんなあ。しかしその、レビュー用に貸与されたサンプルROMを返却したくない、さらには凛子が愛おしすぎて生きているのがつらい、とまでいった情熱、というよりか熱情といったほうがよりらしい? しびれましたね。これはすごそうだと思わせる、いや、ただこの記事書いた人が(いろんな意味で)すごいだけかも知れませんけど、けれどなにか可能性みたいなものを思わせたんですよ。そしてその可能性は、はじめてこのゲームについて知らされた時にも感じた、その時のなんかすごそうっていう興奮? 感動? おっ、と思わせたワンダーな感じに同じだったのですね。

だから買った。なんか、コナミスタイル限定で特別版があるらしいというから、コナミスタイルで買った。その注文が9月2日の午後8時過ぎですね。ええ、あぶないところでした。ぎりぎりの滑り込みセーフでした。なんせ、翌3日には特別版も在庫なしになってたんですからね。いやあ、私は運がよかった。いや、これ、真面目にいってます。

ゲームが到着したのは、4日のことでした。その日はさすがにプレイする時間がとれず、夜に最初のセーブポイントまで進める、つまり本当にイントロダクションだけ見て終了させて、そして翌日、5日、昨日ですが、日中はプレイする時間がとれず、なんせ起きたのが午後4時ですからね、そりゃ時間ないよ。けど、寝る前にちょっとプレイしてみようと思って、進めてみたんです。そしたら、70日経ってしまいました。いやね、途中で眠くなる予定だったのが、ならなかったのですよ。それで、終わり時を掴めずに延々日を進めてみたら、凛子に告白されました。やったー!

というわけで、今日からリアルタイムモードでのプレイです。というか、あれ勤め人には無理じゃないか? 仕事中抜け出して無人の会議室とかトイレの個室で、「凛子愛してるよ」だとかつぶやいてるの聞かれでもしたら、心の健康相談受けさせられる羽目になりそうな気がする。けどね、実際気になっちゃうんですよ。日中の行動決定して、その結果はどうなってるんだろう。凛子からメールがきてやしないか。いやね、だって、メールって楽しいものだったんだなって、久しぶりに思ったんですよ。なんせ、私のうけるメールの八割はSPAMで二割は広告です。全然わくわくなんてしない。ところがラブプラスだと、凛子にメール送って、返事がくるまでを待ってしまう。なんとしたもんでしょうかね。実際、序盤の友達パートでもですね、朝と夜に届くメール、届いてるんじゃなくて、届くんです。そこで受信するんです。だから、さっさと次に進むなんてできない。メールを送って、返事を待って、メールがきたら嬉しくなって、返事して、たとえそれが機械的な(だって、機械だもん)ものであるのだとしても、おはよう、おやすみといった、ささやかな言葉でさえも嬉しくなれるものなんだなって思った。ちょっとやばい? うん、いいねん。自分が駄目なのは、もうずっと前からわかってることだし。

キャラクターの造形がうまいですね。ポリゴン人形がというのもあるけれど、そのストーリーにおける肉付け、それがうまいです。優等生の同級生、問題児の後輩、面倒見のいい先輩、その三人、そのだれもがちょっとしたコンプレックスを抱えている。皆が思っている私と、本当の私は違うんです。あなたには本当の私を見て欲しいの。そういうメッセージが三者三様のやり口で告げられるわけで、そのイメージのがらりと変わってくる瞬間、それがいい。がつんとくる。この仕組みは、ほら漫画とかでもよくいってるけど、読者特権というのに近いものがあります。読者は一種神の目を与えられているから、皆から誤解されているキャラクターであっても、その本当の思いに気付くことができる。あの人は本当はそんなじゃないんだ。彼女の真実を知っているのは自分だけなんだ! この特権的な感覚、世界で唯一の理解者という立場が、より熱狂的な愛着を燃え上がらせるのですね。そう、ラブプラスも同じなんです。凛子の本当を知っているのは自分だけ。世界で一番の理解者は自分なんだ。で、恋人パートをプレイしていくとそのキャラクターがユーザー好みに変わっていくから、なおさら自分だけの凛子という感覚は強化されていくんですね。いいですね。凶悪といったほうがらしいかも知れないけれど、変化しないキャラクターであれば、彼女を中心としたハブに繋がるファンのひとりといったかたちにしかならないところが、ラブプラス的システムだと、他の誰でもない僕の凛子と一対一で関係するという、まさに差し向かい的なシチュエーションを楽しめるってわけです。

だから、もしかしたら他の凛子ファンと出会ったとして、最初は、凛子いいですよね、うん、凛子最高ですよね、なんて意気投合してたのに、途中から、お前は凛子のことをなにもわかってない、お前こそわかっていない、殴り合いとかになるかも知れない。まあ、殴り合いの果てにより強固な友情が生まれるんですけどね。

一応文句も書いておこう。いやね、このゲームの前半、というか長めの序章である友達パート、そのラストは意中の彼女から告白されるというものなんですけれど、その告白、プレイヤーは待つしかないみたいなんですね。フラグというと、一気にゲーム色が出てしまうからあれだけど、まあゲームだからいいよね。告白に必要なフラグを立てながら、要求パラメータを達成することで告白イベントが発生するのだと思う。けど、女の子がさ、好きです、彼氏になってください、そういってくるのを待つっていうのは性にあわない。いやね、だってさ、なんで女性に玉砕するかも知れない恐怖を乗り越えさせるわけ? 玉砕は男の花道だろうよ。好きですといって、いや、君のことは恋愛対象として見れないわ、やんわりと拒否されてみたり、結婚も視野にいれて交際してみないかといって、あんたは稼ぎがないから嫌、婉曲に断わられてみたり、それが恋愛の醍醐味なんじゃないですか。なんでだろう、死にたくなってきた。しかしね、一顧だにされないかも知れない恐怖をともに告白するからこそ、そのドキドキやハラハラを乗り越えて告白するからこそ、恋が成就したときの喜びも強くなるんじゃないのんか? なのに、その最大のイベントを受け身にさせるんだもの。もったいないわ。本当にもったいない。どう考えても好感度マックスにしか見えない。これはいけると思ったからこそ一枚しかない告白カードを切ったというのに、あなたと付き合って、友達に噂とかされると恥ずかしいし… 玉砕してしまう。いったいなにが足らんというのだ! イベントか? 隠しパラメータか? ええい、もう一度だ。で、二度目は、これでいける? どう? ハラハラしながら告白して、それで、私を彼女にしてください、とかいわれたら、その喜びやらなんやらは天まで届くことだろうよ。

いや、わかってはいるんですよ。このゲームの本番は告白後であるわけだから、あんまり友達パートを難しくはできなかったんだろうって。でも、自分が努力した実感がないと,惚れられても嬉しくないでしょ? というところまで考えられてたんだから、ここはひとつ、焦って即死パターンも欲しかったかなって。いやね、これは恋愛における考え方の違いもあるんだと思うのだけど、自分から動きたいタイプの人にはちょっと残念と思える展開だったかもなって思った。それだけです。

あ、馬鹿なことだけど、ってこれまで書いたのも馬鹿まるだしではあったのだけど、凛子との会話にあった、嫉妬の話。私だけを見てくれなきゃいや、っていうのを演技して見せた凛子に、もう一度とせがんで、バーカと罵られる主人公。いや、むしろそのバーカこそをもう一度お願いします……。

本当に馬鹿な話でした。いやほんと、馬鹿ですみません。

引用

2009年9月5日土曜日

『まんがタウン』2009年10月号

すっかり昼夜逆転生活になってしまった私。今日は目覚めれば4時という最悪さで、日も傾きかけた時間に『まんがタウン』を買いにでかけたのでした。すっかり涼しくなりましたね、って正直なところこれは嘘だなあ。まだまだ暑いです。夕方だから涼しいだろうと思ったら、全然。日はぎらぎらとして、重苦しい暑さを背にうけての買い物となりました。空をはじめとするあちこちに秋の雰囲気は見られるのですが、まだまだ夏、晩夏であります。

『パンクかあさんとロリータむすめ。』、これはずいぶん久しぶり。阿部川キネコがむかしちょこっと描いたやつの続きです。ひとつ連載が終わったというけど、それで復活したのかな? この漫画には女の子に見えるマコちゃんという男の子がいるけれど、その子にビキニを着せないというのは、阿部川キネコのパンクなのかな? 昨今の女装美人ばやりの中、それはないだろうと、あえて予想される逆を打ったってところかも知れません。

『三食だんご』、これはむごい。パソコンといえばネット検索でバーに打ちこむと 下に検索候補出るじゃない? それを彼女が妹と一緒に調べちゃうという話。むごい。物件と打つとブルマ、間取りでマゾ。むごい。けれど、市川さんも負けず劣らずひどい。

というわけで、自分の検索履歴も調べてみました。Googleには覚えさせてないので、Safariに残っていたものですが、こんな感じ。

  • はてなナイクモジュール
  • ITちゃん
  • アルバ
  • SH-8インヴェーダー
  • 冊子体
  • ひつじ雲
  • 高積雲
  • うるさくて杏あんまり眠…
  • haiku
  • ラブプラス

極めて普通の結果で安心しました。というか、ナイクモジュールが地味に恥ずかしい。

『ちはるさんの娘』、今回はちょっとだけ『ちはるさんの息子』でした。しかし、ちなつさんの体験見てみれば、兄貴っていうものもいやなものだなあ。現実の妹たちは、こうした兄貴に幻滅して、ゲームや漫画、小説、アニメという非現実に理想の兄を求めたりするのでしょうね、きっと。でも、残念ながら、そんな理想的兄、理想的男性などこの地上にはいないのだ! 自分でいってがっかりした。私はもう、『ラブプラス』に理想を探すことにします……。

ちなつさんが、お祭りの嫌な思い出の中に見付け出したもの。それまで、とことん嫌な話、がっかりな体験、散々な状況が提示されていたものだから、まるで喧騒が去って、ちょっと時間の流れもゆっくりになったような、そんな感覚がはっとさせて、とてもいいなと思いました。そう思わせるものがあったのですね。しかし、ちはるさん、変わってないな。変わりゆく中に変わらず残るものがあれば、それがエッセンス、本質ってやつを語るのかも知れませんね。なんだか、じんとしちゃったよ。いい話でした。

ほほかベーカリー』。ふわさん、それは勝ち負けじゃない。美徳だ。俳優の市川さんも貧乳が好きだっていってるぞ。

しかし、この漫画は、いかに店長を理解するか、その言動の裏にひそむなにかに気付けるか、その差を楽しむものみたいになっているような気がします。そう、ふわさんとほほかたちの気付いてるものが全然違うっていう、それがちょっと面白かったのでね。

『我が名はウェルシュ』、ゲストです。犬の話。プライドの高い犬、でも飼い主大好き。ちょっと空回り気味なところ、それが魅力なんだと思います。あの起こしてくれるところはちょっと羨ましいかも、と思ったのは、昼夜逆転生活を本当、なんとかしたいと思ってるからで。二度寝の誘惑に打ち勝てない自分が悪いんですけどね。

光の大社員』、友情パワーの木彫り、あれはちょっと欲しいかも。北海道に頼めば作ってくれるのかなあ。

『子供失格』は、夢の国、Dではじまるランドの話でしたけれど、松山花子のシニカルさは、けど実は自分自身も好きだったりするという、そんな屈折を孕んでいるように思われて、その微妙な感覚がすごくよかったりします。悪口をいうほどに好き、というのかな。そんな感じがたまりません。

『よせ☆あげ』は、あのツタンカーメン風の人、ええと瑠璃華様の素直でないところが妙によいと思っています。相手にして欲しいんだけど、素直にはいわない。相手にされないから、すごくあわててしまって — 。そのまんまなところはとてもいい。しかも、えっへん、ときたもんだ。ところで、水でストレートにもどった瑠璃華、そいつをしっかりと引きで見たいものだと思いました。ネタキャラじゃなく、普通に育ちのいいお嬢様に見えたりしそうな気がします。

『みねちゃんぷるー』は、わかばが強烈に人の悪さを発揮させて、嘘はついてない、いや、確かにそのとおりなんだけどさ……。すごく魅力的だと思います。私は雅好きではあるのですが、こういう小悪魔的というか、策略を弄するタイプのキャラクターも好きなものだから、『みねちゃんぷるー』は面白いです。この嗜好のために、ちょっとヒロイン峰の影が薄くなりがちなんですけれど、それはそれでいいとも思っています。

  • 『まんがタウン』第10巻第10号(2009年10月号)

引用

  • 山田まりお「三食だんご」,『まんがタウン』第10巻第10号(2009年10月号),48頁。

2009年9月4日金曜日

『まんがタイムジャンボ』2009年10月号

『まんがタイムジャンボ』は今日発売です。というわけで、実はもうここに書くことがないんです。ええと、表紙は秋の夜長っていう感じみたいですよ。ええと、サフォークのぬいぐるみがいる。そうか、夢といえば貘、じゃないや、寝入るのに羊を数えるのが定番どころであります。ということは、秋というのはまさにサフォークの季節なのかも知れません。見上げれば、空にはひつじ雲。秋というのは、やっぱりサフォークの季節かも知れません。

あおいちゃんとヤマトくん』は電子本を扱って、携帯電話などで読む本が流行れば、いずれ冊子としての本は衰退していくかも知れない。なんだか、ちょっとしんみりとして、内容はギャグ、コメディっぽくあるけれど、でもなんだかシリアスっぽくもあったのですね。私は冊子体の本が好きだけど、これがずっと続くとは思ってなくて、というか、冊子体という用語が一般的か調べようとしたら、冊子体の『日本全国書誌』が終刊してるってわかって、ショック。こうした流れは止められないかも知れません。けど、冊子の本があるうちは、こちらを読んでいきたいなと思うのですね。それはやっぱり、慣れたこの体裁、スタイルへの愛着があるからかと思います。ヤマト、ういやつめ。

『パドラーズハイ』、ゲストです。急流を下る、ラフティングの漫画。というか、珍しい題材だよね。それだけで、ちょっと楽しみにしてしまう私ですが、絵は綺麗だし(ちょっとまとまりすぎと思うくらい整理されてる)、楽しかったラフティングのガイドが先生として赴任してきて、そしてラフティング部を発足させてという流れもきれいだし、ガイドの頃の案内が教師になっても抜けないというようなところとか面白かったです。

Boy’sたいむ』は置島とひろむ女子形態が接近して、そしてひろむの秘密に気が付いた!? と思わせて、どうもそうではないみたい。微妙に距離が縮まっているようで、けれどそうでもないというところ。置島に関してはとてもいい感じに思います。置島の場合、女子形態ひろむにさほど興味がないようだってところがいいんだろうと思うのですね。反面、男子形態には興味をとめることができずにいるみたいですけど。アンバランスな関係、それが面白いです。

ボクの社長サマ』。水没社屋はまだ続く! これ、本当に素晴しいな。ただ水没しただけでない。どんどんダイナミックに無茶を効かせてくる。しかも、ただ鯨を持ち出しただけでなく、それをちゃんと次のネタ、鯨を食べる食べないという微妙な問題にからめた笑いにしたてて、うまい。『ボクの社長サマ』はこのところ、のりにのって面白いです。

『みちるダイナマイト!』、ゲストです。ゴスパンクロックバンドをやってるお嬢さんが主人公。ギターはSG、ってのはどうでもいいとして、見た目にはクールだけれども、実はそうでもないというキャラクター。そして本職は大学講師というギャップ。ベタといえばベタなんだろう。けど、結構面白かったです。いや、眼鏡だからじゃないよ?

『太陽くんの受難』、これもゲストです。就職を機に一人暮らしをはじめたところ、妹が転がりこんできた。明るく可愛くわがままきかせる妹に、手を焼きながらもかわいがっている。そんな兄の様子を楽しもうという漫画のように思いました。ほのぼの家族ものってところです。

『トラウムメディカル8.5 — 幸せ夢セラピー』。これもゲスト、コマ割り漫画です。夢羊なる女子ふたり組が、夢に入り込んで、その人の問題を解決してくれようという話。描いているのは、『ゾンビロマンチシズム』の睦月のぞみ。そんなにおどろおどろしくなく、そんなに深刻でもなく、むしろ明るく楽しいのりでばたばたやってますっていうのはよかったかと思います。私はもともと睦月のぞみの雰囲気は嫌いじゃないから、なおさらよいと思うのかも。というわけで、夢羊のひとり、アルバちゃんが可愛いです。眼鏡でショートカットだからです。

ごちゃまぜMy Sister』、今回はちょっと異色というか、先生がやる気だ。36番を排除すべく、あの手この手で妨害を仕組む。精神的に揺さぶろうという、そこに妹純がからむのはもはや定番であるけれど、今回は先生の策士ぶりが堂に入っていて、テンポよく、ちょっとスリリング? 面白かった。で、松坂は36番に接近なのか? いや、いつもどおりかも。でも、ふたりはいい関係だと思います。

『あいにゆこう』、最終回。って、はやいよ! 消化しきれてないような気がする。でも、終えるにあたり必要なことはきちんとやりましたという感じ。本当は、ここからが楽しかったのかも知れないなと思うから、ちょっと残念です。

ハッピーカムカム』、最終回。もうなにもいわない。ただひとこと、好きでした。

『ますたぁDOG』、最終回。五年後の風景。子供が生まれて三歳になってたり、勇ちゃんは婦人警官になってたり、その描かれなかった間に起こったこと。それを思うと、ちょっとしんみりとしますね。ちょっとふくみのあるラスト、それは寂しくも、またなにかあたたかなものであった、と思います。

『ふかふか』、次号最終回。なんか、ゲストと最終回がやたら多いな。甥の通う保育園の先生に恋していたちはや。実はその恋、一方通行でなかったりなんかした!? という展開に驚いて、私も驚いたんだから、ちはやが驚くのも当然って感じでした。次回では、恋の決着、おそらくは数年後? 楽しみに待つといたしましょう。

  • 『まんがタイムジャンボ』第15巻第10号(2009年10月号)

2009年9月3日木曜日

機動戦士ガンダム戦記 GUNDAM 30th ANNIVERSARY BOX

 買いました! 『ラブプラス』! って、そうじゃなくて、ええと、ガンダムですよ、ガンダム。先日、新型PlayStation 3のリリースを受けて書いた記事でいっていた、『機動戦士ガンダム戦記』であります。とりあえず、普通に買えるようなら買おうと思って、『表色89X系 — GIRLS COLOR CHART』を買いにいったついでに寄ったゲーム店、どうやら予約を受け付けているようだったからお願いしたら、余裕の予約番号1番でした。どうも、そんなに殺到したりしそうにはないなあ。それが当初の印象でした。

そして、今日、発売日、ゲーム店にいってみたところ、おおう、なんてこった、普通に売ってるじゃん。別に開店直後を攻めたとか、そんなわけじゃないんですよ。普通に仕事終えて、普通に定時であがって、普通に電車乗って、そしてゲーム店。PlayStation 3のみも、ガンダム同梱版も、どちらも普通に予約なしで買えるようでした。また、『ガンダム戦記』も結構残ってて、いやねネット上、というかAmazonではどれも売り切れてるみたいじゃないですか。なにこの温度差! プレミア価格までついていて、でも、多分、実店舗には在庫あると思うんですよね。

あ、そうそう。『ラブプラス』だけど、これもAmazonでは売り切れ、コナミスタイルでも売り切れ、特別版も売り切れ、なんだかすごいことになってるみたいですけど、店舗では積まれてましたよ。

PlayStation 3 (Gundam Ver.) reserve ticket

New PlayStation 3 with Gundam

New PlayStation 3 with Gundam

買ってきた、証拠写真。余裕ですよ、余裕!!

PlayStation 3は設定が面倒と聞いていたので、USBキーボードを用意して臨みました。映像出力の設定はおまかせ。言語やらもろもろ設定、時刻や国も設定、アカウントも作成。そして、ネットワーク設定。これは、ほぼ手動で設定です。でも、これら設定は30分ほどで終わり、いや、もっと短いですね。長かったのは、システムのアップデートでした。出荷時のシステムバージョンは2.76。それを3.0にしてアップデートします。ダウンロード、そしてインストール。PlayStation 3はゲーム機だけど、実質コンピュータであるなと実感させられます。でも、ここまでほとんど説明書に頼ることなくいけたので、そのあたりは優秀かなと思いました。って、コンピュータやネットワークに詳しくない人にはきびしそうとも思ったんですけどね。

ガンダムもちょっとプレイしてみましたよ。なんか、ハードディスクにインストールできるそうなので、そいつを済ませて、でも結構ロード時間かかりますね。で、チュートリアルをやってみました。移動してみましょう、武器を使ってみましょう、チャージ攻撃してみましょう、このみっつを済ませたんですけど、説明ぜんぜん読んでなかったものだからロックオンのしかたわかんなくて、めちゃくちゃ難易度高いなと思ったのは内緒です。けど、これ、決して簡単なゲームじゃないですね。『アーマード・コア』ほどじゃないけど、アクション苦手な人はちょっと苦労しそうと思いました。というか、私が結構苦労して、最近アクション系のゲームやってなかったから、ゲーム力が落ちてるみたいです。先が思いやられます。

そうそう、先日いっていた同梱版にはFA-78-3 フルアーマーガンダム7号機とRX-81AS アサルトアーマーをダウンロードできる権利がついてくる、っていう話。これ、有償ダウンロードコンテンツだったんですね。うわあ、ちょっとげんなりかも、とは思ったんだけど、でも欲しい人にはいきわたるシステムだったということで、それはちょっとよかったと思っています。

というわけで、『ガンダム戦記』。ちゃっちゃとチュートリアルを終えてミッションをスタートさせたいと思います。もちろん、プレイするのはジオン軍ですよ!

2009年9月2日水曜日

『まんがホーム』2009年10月号

『まんがホーム』の発売です。表紙はなぜか看護師コスプレらいかと恋愛ラボの主役ふたり。これは、病院いけっていってるの? って、そうじゃなくて、健康のためになにをしてますかというアンケート、企画とのからみです。夏が過ぎて、過ごしやすい季節になりました。ちょっと一息ついて、健康にも気をつけてみましょうってことなのかも知れませんね。しかし、それにしてもでかい注射を抱えるリコ。あれ、射されると、なんだか死にそうな予感がします。

メルヘン父さん』は、秋ということもあるのでしょう、読書、本がテーマになっていて、そうさなあ、私が今読んでいる本はこれ。本は、やっぱりよいものですね。心洗われます。押し入れ整理してたら出てきたという本、ナイチンゲール、星の王子さま、ユビワ物語、エルマーのだいぼうけん。ああ、エルマーは懐かしいです。竜がみかんの皮を食べるんですよね。子供の時分、どれほどに読み返したろう。友人宅で、学校の図書館で、いろんなところで、出会っては読んでいたように思います。

恋愛ラボ』。くそう、新聞部のふたり、可愛いなあ。きっとこうして糾合するのだろうと思っていた、そのまさしく新聞部が生徒会に繋りを持とうとする、そんな回でした。しかし、ただ協力するだけかと思ったら、あの見返りの話、意外というか、すっかり忘れていただけに、なんだかぐっときた。こうした、人情のもろもろを描いて、面白いのが宮原るりかと思います。それで、次回はリコの話にうつるのかな? あるいは、スペシャルでやっている展開と連携させるのか。わからないけど、どのようになっても面白そうと思わせます。

『天国のススメ!』、ゲストとのこと。見覚えがあるなと思ったら、再登場。以前はいつだっけ? 遡って記事を読んでみたけれど、見付けられなかった。ゲスト掲載作については、なるたけコメントするように心掛けてるんだけど、力尽きたとかあったのかな。

けど、確かに見覚えがあって、霊感のある男の子、彼だけに見えるおばあちゃんという話。そのおばあちゃんが可愛いのがよいなあと。若ぶって、見た目も若いころになって、だから着物美人になってる。で、学校では体目当てで美人にいいよられている。なんという果報ものか。本人にはいろいろ思うところあるけれど、大変さや困っているということを、誰も理解してくれない。そうしたところは面白いです。

ところで、絵柄に覚えがあると思って、特に鼻の描き方とか。なんだっけかなあと思ったら、ああ、宮成樂って『晴れのちシンデレラ』の人か! やけに親しみがあると思ってました。

『ミライカナイ』、こちらもゲスト。未来からやってきた女性と同居する話。でも、今回はまだ導入だと思う。船が壊れて、過去(つまり現在)に取り残されて、それで居候することを諒解させたというところ。これから、この人の未来からきてどうこうという設定が生きてくる、そんな展開がくるのだろうと思います。

『みそらスマイル!』、ゲスト、ほへと丸の新作です。母が別れた旦那と再婚。ともない、姉ちゃんも帰ってくるっていう話。父親がやけに味があるのはいいとして、設定こそは大変そう、重いんじゃないかと思わせたものの、実際読んでみれば、ひょうひょうとした味わいがあって、そしてそうした中にちょっとした心地良さ、10年前とさかさまだのようなね、があって、悪くないです。ひょうひょうとしたといえば、心霊写真、あれは面白かった。まさか、後で種明かしされるとは、思いもしませんでした。そして最後のコマ。ああ、こういうのがいいなと。人情、人の心の機微、それがよいなと思うのでした。

天子様が来る!』にて明かされた、ハッピーマンデーやシルバーウイークといった連休のできた理由。なんという素晴しい仕事でしょう。本来の願いは叶ったようには思えないけれど、結果的にグッドな仕事でした。こういう、無駄に壮大なの、この作者ならではの味があると思います。

『ときめけ!女塾』、ちょっとシニカルな漫画なのかな。子持ちの主婦。夫の…女を捨ててるなあ…の一言に発奮する奥さんがちょっと可愛い。友人と一緒に飛び込んでみた女塾、その胡散臭さ、そこで起こることのナンセンス。キャラクターの味と、シチュエーションのおかしさが、いい感じにマッチしてると思います。で、驚いたのが、最後の落ち。ああーっ、やられた、まさかあれが伏線だったとはね! この前提を引っくり返してみせたところ、これが一番うまいなと思いました。ところで、女キャラを捨てるのはお子様とおっしゃる。それはつまりは、子供の時期を過ぎたら、男キャラなんかには目もくれず、女キャラに邁進するってことですね。怖ろしい現実だと思います。

『解決!ねこ雲さん』、ゲストです。ねこまた? のねこ雲さんと一緒に、持ち込まれた事件を解決するって漫画なんですが、ちょっといい話っぽく持っていって、けれど基本はナンセンス。完全にファンタジーで押し切るのかと思いきや、結構現実的な落ちに驚いて、ああこれはこっち寄りなんだ! なかなかに面白かったです。

『女子メガネ』、読み切り連載シリーズとのこと。やっぱり、眼鏡ヒロインって流行ってるの? 仙石寛子的ナイーブさ溢れるヒロインが眼鏡をかけました。わお、素晴しいな! 自分に自信がないのか、うだうだうじうじいってる女子と、その子を励まそうとする友人のやりとり。眼鏡はあくまでも話のきっかけで、描かれるのは友人同士のやりとりなんですね。よかったです。終わりに向かっての流れ、すごくよかったと思います。

『紫乃先生美録』、美は丸で囲ってあります、ゲスト。外面のやたらいい作家がヒロイン。仕事から逃げ、締め切りから逃げ、でも外ではそんな苦労は見せない。って、そんな話じゃないな。ところで、自宅バージョン、お団子にまとめた髪が見えないと、可愛い少年にしか見えなくて困るのですが。それで、あーその攻撃僕には効きませんからの続きの台詞を、僕が好きなのは和泉くんですし、と勝手にあてはめて読んで、面白かったですよ。ええ、面白かったです。

『ふぁみにゅ?』、びっくりした。まさか、そういう話だったのか。家族の役割りを演じなければならないという決まりのある下宿。なんかナンセンスで、なんか理不尽な設定だなあと思ってたら、なんとそれに意味、理由があったのか。しっくりとしました。うわあ、やられたわ。それでもって、面白かったわ。過去に語られてきたことがちゃんと繋がって、そうかあ。面白いわ。なおさら好きになりました。読み方、感じ方から変わってしまいそうなくらいです。

  • 『まんがホーム』第23巻第10号(2009年10月号)

引用

  • ほへと丸「みそらスマイル!」,『まんがホーム』第23巻第10号(2009年10月号),67頁。
  • ヨコシマン「ときめけ!女塾」,同前,101頁。
  • 王嶋環「紫乃先生美録」,同前,132頁。

2009年9月1日火曜日

「けいおん!」イメージソング 中野梓

 田井中律琴吹紬ときて、中野梓であります。アニメ『けいおん!』のギタリスト。この人がムスタングを使っているっていうことで、ちょっと狂騒状況になっているっていう話ですよ。って、ひとごとみたいに話してますけど、こないだ私の買ったギター、あれがそうです。『けいおん!』あるいは中野梓人気を当て込んで、カタログにないマッチングヘッドのモデルが二種類出て、それで争奪戦みたいになって、そしてこのCDでまたちょっと騒ぎになったのでした。いやね、色が確定したのですよ。カラーはキャンディアップル。そう、REDじゃなくて、CARだったというのですね!

というわけで、REDを買った人は御愁傷様でした。そういう騒ぎがあったんです、超局所的に。ほら、以前の記事で私が最初はCARが欲しいといっていた理由、そしてREDに加えてMG69/MH/CARを買ったらそん時には思いっきり馬鹿にしてほしいといっていた理由、それは梓の使用品ならREDよりCARがよりそれらしいという判断があったからなんですね、それもかなりの確度で。あの記事とはつまり、なんだ、あんた、中野梓使用ギターに憧れて、まったく同じの欲しかったんだ。それで、結局我慢できなかったんだ。しかもCARまで買いそうなんだ。って感じに馬鹿にしていただければ、という話であったのですね。

でも、どうか私以外のMH/CARオーナー、それからMH/REDのオーナーのことは笑ったり馬鹿にしたりしないでください。楽器というのは、あくまでも音楽のための道具であるのだけれども、憧れのスターやアイドルに近付きたいという気持ちを満足させてくれるものでもあるのは、現実的に事実ですから。でも、もしこの歌でキャンディアップルと確定してしまった。REDを見ると心穏やかでない。楽器か自分を傷付けてしまいそうだというような方がいらっしゃったら、着払いでいいので私のところまで送っていただければ。永代供養料無料で、責任持って供養いたします。

さて、馬鹿なことばっかりいってないで、中野梓のイメージソングですね。『じゃじゃ馬Way To Go』、『私は私の道を行く』、そして『レッツゴー』の三曲。しかし、これ、はじめて聴いた時には驚きました。結構思い切ったものがあるなって、中野梓ってこんな印象なんだ! いや本当に驚いた。dullっていうのかな、ちょっと気怠さを感じさせるようなところがあって、かといってだらんだらんなんじゃなくて、結構挑発的というか、前へ前へ攻めてくるみたいなのりもあって、ああ確かにそうなのかも知れないなあ。擦れてるってほどじゃないけれど、ちょっと生意気なところがあって、先輩だろうとなんだろうと、納得いかないものには迎合しないってところが描かれてました。でも、鯛焼きにごまかされちゃうのね。っていうのが、『私は私の道を行く』なんだけど、やっぱりうまくキャラクターのらしさを拾ってるなと思わされます。

曲としては、どちらも好きなんだけど、『私は私の道を行く』の怠そうな歌い出しと半音階的なフレーズの対比がちょっと気になって、なんだか耳から離れない。何度でもリピートしたい、そんなところがあって、どうも気に入ってるみたいですよ。ちょっと普段聴きつけない、そんな曲調、サウンドであるというのも、新鮮味があっていいなと思わせるのに役立っているようで、ええ、ちょっとこういうのもいいなって思ってます。

CD

Blu-ray Disc

DVD

原作

  • かきふらい『けいおん!』第1巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2008年。
  • かきふらい『けいおん!』第2巻 (まんがタイムKRコミックス) 東京:芳文社,2009年。
  • 以下続刊

引用