継続してラヴクラフトを読んでいます。昨日は『インスマウスの影』を取り上げて、今日は『壁のなかの鼠』であります。アメリカに暮らしていた主人公が、祖先の住んでいたというイギリスに戻って、屋敷を再建、そこに再び暮らそうという話であります。ところで、昨日『インスマウスの影』が一番古い短編だろうかといっていましたが、東京創元社版全集の1巻ではこの『壁のなかの鼠』が1923年と一番古く、『インスマウスの影』は1931年、一番新しいものでありました。全集は2巻まで買っていて、つまり3巻以降はまだ手元にないものですから、まったく全貌がわからない。その手探りで進む感がよいなと思ってるんですが、たぶん全巻読んだとしても、よくわからないっていう感覚は抜けないだろうな。そんな予感がしています。
さて、『壁のなかの鼠』ですが、これは『インスマウスの影』にも増して不可解です。『インスマウスの影』では不条理ながらも、主人公があちら側に落ちていく、その理由や原因といったものが語られていましたけれど、『壁のなかの鼠』ではそういった描写はほぼ皆無で、ただ、先祖が因縁のある土地に住まうことになった。そうしたら酷い事件が起きた。事件は伝承として縷々伝えられて、そのため主人公の家系は土地の者から忌み嫌われている。などなど。で、そうした曰く因縁をものともせずに、主人公は呪われた建物を再建して、そこに住まおうというのですが、そうしたら酷い事件が起きた。これが大筋です。大筋すぎて意味わからんとは思いますが。
やっぱり気味の悪さが肝なのかなと思います。先祖と建物に関する伝承を追えば薄気味悪く、しかしそうした悪評を自分が消し去ってみせる、意気軒昂として屋敷に住まいはじめたというのに、最後にやっぱりあちら側に取り込まれてしまう。自分は大丈夫と思っていたけれど、危うい領域に入り込んだがために、正気を失ってしまうというところなどは、普段私たちが普通に暮らしている世界も、一枚その皮を剥いでみれば、異常な世界に隣接している、一部は混じり合っているのだと、そういわんがようであります。その、一歩先は人の領域ではないという特異点での出来事。それが、ラヴクラフトの世界なのかな、なんて思っています。
『壁のなかの鼠』は最初期のものといっていいんでしょうか。そのために、異様な存在、古きものとかいうらしいですが、そいつらはあんまり表立っては出てこず、少しだけニャルラトホテプが出てきた。といっても、夢の中だったり、あるいは主人公の見た白昼夢? そうしたところに少しだけ。で、このニャルラトホテプですけど、最近ではラノベになってたりもするそうですね。といったわけで、やっぱりクトゥルフの知識はマニアには必要だって思ったりするのでした。
あ、そうそう。ピルトダウン人が普通に出てきたのには驚きました。これ、世紀の捏造として有名な科学史上のスキャンダルですよ。ラヴクラフトの存命中には、まだこの嘘が暴かれてなかったんでしょうね。けれど、それが捏造であったということが、逆にこの短編の味わいになっているようにも思われて、なかなかいいアクセントでした。
- ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第1巻 大西尹明訳 東京:東京創元社,1974年。
- ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第2巻 宇野利泰訳 東京:東京創元社,1976年。
- ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第3巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1984年。
- ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第4巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1985年。
- ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第5巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1987年。
- ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第6巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,1989年。
- ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』第7巻 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,2005年。
- ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』別巻上 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,2007年。
- ラヴクラフト,ハワード・フィリップス『ラヴクラフト全集』別巻下 大瀧啓裕訳 東京:東京創元社,2007年。
『ラブプラス』、絶賛継続プレイ中です。とりあえず、最初の一週間を過ごしましたよ。リアルタイムモードのみでのプレイ。平日を一通り体験し、そして土日、そしてデートを経験して、これで基本的な流れがわかったって思っていいのかな? といったような状況です。パートナーは凛子。まだ髪型もなにも変わっていない、まだまだこれからといったところ。本当にゆっくり、ゆっくり進めていて、これはうまく負担にならないように生活に取り込めたら、一年とか、あるいはそれ以上、遊べたりできるかな、なんて思っているところです。
『乙女王子 — 女子高漫研ホストクラブ』は、『
井上トモコは好きな作家、『はこいり良品』は好きな漫画です。主人公は、古書店を営むお嬢さん。木下しおり27歳。祖父から店を譲り受け、店長になってからの奮闘ぶり、とはいいますが、描かれるのは意外にマイペースな姿だから、むしろ感想は微笑ましいという感じでありまして、読んでいてすごく楽しい。気持ちが穏かになるような、そんなところがあるのです。でもね、時にシビアな古書店事情なんてものも語られたりする。ただ好きというだけで、仕事なんてできるものか。とでもいいたげなそのたくましさは、見ていてほれぼれするくらいです。ヒロインは古書店の女主。彼女には年の離れた妹がひとりあって、また周囲には、同じく店を持ち、商店街を守り立てようとする人たちがあって、その人たちのたくましさ、人懐こさがなんだかとても嬉しい漫画であります。
あの記事とは、いまさら説明するまでもないほどに有名になった記事、
買いました! 『




