2014年11月6日木曜日

Roland Vocal Trainer VT-12

 そうかあ、もう2年になるんだ。ずっと前にコメントしたRolandのボーカルトレーナー、VT-12の話です。知らされて、興味持って、それから2年たって、ようやく購入しました。なぜ買うまでにそれだけの時間がかかったのかというと、練習状況の変化にあるんですね。2年前は小さなキーボード膝において、ソルフェージュの練習してた。けど、この1年ほど、いやもっとかな? ちょっと歌うことから離れてしまっていまして、ああ、こりゃいかんなあ。ちょっとまたちゃんと稽古しないとなあ。それでもって、一念発起、VT-12の導入を決めたのであります。まあ、勢いといったら勢いなのかも知れません。

トレーニング、してますよ。とりあえずはリハビリ気分で、VT-12の感触を確かめつつ、付属のテキスト、今は主にウォーミングアップといったところでしょうか、進めています。テキストは『コンコーネ50番』といいたいところですが、今はVT-12付属のテキスト、『コンテンポラリーシンガーのためのヴォーカル・ワークアウト』がメイン、『コンコーネ』はサブといった感じです。

『コンテンポラリーシンガーのためのヴォーカル・ワークアウト』は、練習フレーズだけが載っているわけではありません。むしろ実際の練習にはいるまでのいろいろ、トレーニングする際に注意すべきことや呼吸のしかた、ストレッチなどの説明にかなりのページが割かれていて、初学者が最初に手にする教本としても優れてるのではないかと思います。なんせ、声のトリートメントからオーディション心得までカバーしてる。すごいですよね。ほんと、ここまでカバーしてるだなんて思ってもいませんでした。

初日はですね、ウォーミングアップを完走できなかったんですね。ウォーミングアップは6種類。半分くらいで声の出が悪くなってきて、しかたないのでそこでストップ。けど、翌日にはウォーミングアップをすべて終えて、エクササイズを2種、コンコーネを1曲、そしてクールダウンまで、とりあえず1セットといった感じですかね? 終えることができました。

ウォーミングアップ、これをきっちりやると、それだけで30分弱かかります。テキスト冒頭に練習時間についての時間配分が書かれてるんですけど、それ見るとウォーミングアップは12分で終わるとのこと。なるほど。ウォーミングアップもエクササイズもなんですけど、VT-12にはガイドヴォーカルあるいはお手本つきのものと、お手本なしの伴奏のみ、それぞれ2種類ずつ収録されている。ええ、自分はお手本つきのものとお手本なしのもの、それぞれ両方で歌ってるから、時間を倍かけてしまってたわけですね。

エクササイズは26種類。それぞれにテーマが決まっていて、エクササイズの狙いと注意点が書かれています。こういう親切なところ、これがバークリースタイルなんでしょうか、以前使ってたギターの教本、著者がバークリーの講師だったと思うのですが、それも同様の親切仕様でした。クラシックの教本にもちゃんと狙いや注意点は書かれていますが、バークリースタイル? のものほど親切ではない印象です。これは、クラシックでは教師に習うことが前提になっていて、バークリースタイルは独習することも視野に入っているとか、そういう違いがあるのかも知れません。

VT-12のいいところは、伴奏に合わせてトレーニングした、その歌唱が自動で録音されていることでしょう。レビューボタンを押すことで、自分の歌唱を聞くことができます。いやあ、これが非常につらい時間でありまして、けどこういうつらさを経験しないことには上達なんてしないわけで、恥だとか思わず、これが自分の現時点のありようと覚悟を決めて、厳しくレビューしてやるのがよいのではないかと思いますよ。

インジケーターは、環状に配置された12の音名インジケーター。歌うべき音が点滅して、声を拾うとその音高に応じた音名が点灯します。中央にはチューナーでもよく見かける、シャープ、フラットの表示があって、低いとフラット、高いとシャープ、正しく歌えてると両方が点灯するようになっています。いやあ、これがなかなかうまくいかなくて、自分は総じて低めに音を取っていますね。よくない傾向だ。と、こういう風に自分の状況を客観的に確かめることができるのですね。

付属テキストのウォーミングアップ及びエクササイズのお手本は、実際の歌唱が入っています。いやあ、同じようには歌えないですよ。そもそも発音が違うといいますか、単純にWeeというシラブルで歌うにしても、お手本はいかにも英語の発音といった感じなのに、自分だと平板なカタカナ発音で、なんじゃこりゃあ、いきなりつまづいた気分! うん、気にはすまい。できるだけお手本に近付けられるよう意識しながら、くじけず歌っていきたいと思います。

『コンコーネ』はピアノ伴奏が入っています。お手本は歌唱ではなく、オーボエみたいな音になってる。これ、私は移動ドで歌うんですが、もし固定ドで入ってたらやっかいだな、そう思っていたから、安心しましたよ。うん、固定ドにも移動ドにも優しい。移動ドだと、曲の途中で転調するような場合、どこで音名を変えるかという問題もありますが、この解釈も歌い手に委ねられているわけで、つまりやりやすいようにやらせてくれる。ありがたいですよ。

伴奏は、ちょっと速めだと思う。いや、自分にまかせるとどんどん遅くなってしまうから、これでいいのかも知れません。けど、やっぱりちょっと速いかなあ。人間の伴奏者相手なら、自分のテンポを提示して、歌いやすいように歌いやすいように持っていく、そんな駆け引きもあろうものですが、録音ですからそれは無理。当然伴奏にこちらからあわせていくことになるんですが、これ、やっぱりやりにくいなあ。なんて思ってしまうんですね。人間相手だと、相手のテンポで歌うにしても、もっとやりやすく感じるんだけどなあ。なんでだろうなあ。録音されている伴奏、無味乾燥とかそういうのはなくて、結構音楽的に動いているから、機械的でやりにくいとか、そういう感じではない。もう、ほんと、単純に人じゃないっていう、その一点なんだと思います。

歌唱を拾ってくれるマイク。自分の場合は下のCくらいから、なかなか反応しなくなります。これ、声が前に出てないんだろうなあ。なので、どうしたらマイクにうまく拾ってもらえるか。そうしたことを意識しながら練習したりもしています。自分はマイクを使った経験が本当に乏しいので、せめてこれでマイクに入りやすい発声を身につけられたらよいなと思っています。

といった具合に、プレイヤー各々で自分の苦手やより強化したいところを意識して取り組むことのできる、なかなかに悪くないガジェットだと思います。ユーザーバンクもあるので、伴奏を取り込んで練習することも可能。使いようで、いろいろに活用できそうな道具です。

ああ、そうだ。テキストに、コーヒーはよくないって書いてあって、コーヒーを断たねばならなくなりました……。おおう。とりあえず歌う前には1杯にとどめることにしましょう。

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