2008年10月3日金曜日

プラチナ萬年筆 Preppy

 今年の夏、八月に買った低廉な万年筆、プラチナのPreppyですが、思った以上の質の高さに気分をよくして、その後も少しずつ買い増やしていって、今では手もとに四本ほど揃えております。黒に始まって、赤、ブルーブラック、そして緑で今は止まっているのですが、いずれ黄色とピンクを買う日もくるのかも知れません。いやどうでしょう。正直、今持ってる四色で充分用は足りると思っていて、メモ、落書きに、思考の整理。地の文があって、あとは二三色もあれば大抵分類色分けは可能なものだと思います。でも、210円という安さが囁くのですよね。気軽手軽に全色揃えられるという特性が、更なる買い足しを後押しするように思います。

しかし、この人はこんなにいっぱいペンを買ってどうするんだろう、そう思ってる方もいらっしゃるかも知れませんね。だって、自分が思っています。こんなにペンを持ってどうしたいんだろう。どう見ても必要以上にあるものだから、これは日記用、これはメモ用、これはお出かけ用、これはペン習字の練習用、他にも手帳用やら手紙用やらいろいろあるんですが、ばかばかしいからいちいち紹介はしません。でも、本当にこれだけあれば充分ですよね。そこへPreppyを、四色も揃えたのはなぜかというと、勉強用のペンにと思ったからでした。

勉強というのはなにかというと、ほらこのあいだいっていた、世界史日本史の勉強で、ただ読む、眺めるだけでなく、ちゃんとノートにまとめるつもりでいるのですね。なかなか時間をとれないのだけど、でもちょっとずつでも進めるつもり。ノートも買った、ペンも揃えた。色違いで、日本の出来事は黒で、西洋の出来事はブルーブラックで、それぞれいっぺんにまとめながら読もうかと思っているんですね。で、アクセントやらなんやらを赤、緑で入れていくわけです。

四本Preppyを持ってみて、個体差なのか、インクの質の差なのか、それぞれに書き味、インクの出が違って面白いです。一番出やすいと感じるのは黒、一番渋いと感じるのはブルーブラック。けれど、首軸に透けて見えるフィンにインクが浸透するのが一番早かったのは赤なんです。次いで黒、緑の順です。ここで特筆すべきはブルーブラック、ちっともといっていいくらいに浸透せず、あんまりに出ないものだから、たまに振っています。いずれなじんだら出るようになるんだろうなと思っていますが、まあ出ない場合は振るというのが万年筆の基本ですから。って今はそんなことないのかな。

インクの色に関しては、赤が思った以上に明るく、驚きました。この赤インクは、学校で先生が丸付けに使っているソフトペンと同じものだと聞くのですが、線の太さか、インクの出か、なにかが違うんでしょうね、まったく違う色に思います。Preppyの方がずっと薄く、鮮やかに思います。

実は、ソフトペンも持っています。昔、中学だったな、教育実習にいった時、学校近くの文具店、花久で買ったんです。もちろん、使うからですよ。でも大学に戻ったら使わなくなってしまって、今もあるけど、きっと書けなくなってるだろうなあ。まあ、チップインクを換えれば復活するでしょうけどね。

閑話休題。Preppyのインクというべきか、あるいはプラチナのインクというべきか、赤も緑も、それからブルーブラックも、全体に明るい色という印象で、あるいは薄いというべきかも知れません。使っているうちにフローがよくなれば、その印象も変わるかも知れませんが、でも基本的な色合いは同じでしょう。だから、明るめの色が好きという人には、Preppyは向くと思います。

ただし、ブルーブラックには注意が必要かも知れません。聞くところによると、プラチナのブルーブラックは、本来の意味でのブルーブラックであるらしく、つまり書いて時間が経つと酸化して色が黒くなるというんですね。まだそこまで顕著に色が変わったという感じはないのですが、これが本当だったら、ちょっと嬉しいかも知れません。気軽に使える、本格ブルーブラック。でも、保存性、耐水や耐光性を期待するのなら、ブルーブラックより、カーボンインクを使うべきでしょう。これ、Preppyでも使えます。ペン芯をつまらせる、おそろしいインクであると聞きますが、ペンがPreppyならそこまで気を使わないでもいいかなって気になれますわね。といったわけで、絵を描く母にPreppyとカーボンインクを渡して、だから我が家には今Preppyが五本あるんですね、実は!

だって、欲しかったんだもの。というか、カーボンインク入りPreppyは自分用にも欲しいかと思っていて、それは、ほら、こないだ雨の日に端書の宛名が消えて困ったことがありましたが、そういう悲劇を予防できるのですよ。だから、極黒でもいいけど、水によく耐えるインクがあればななんて思っているんです。

まあ、そんなに増やしても仕方ないから、持たないとは思いますけど、でも210円で買えるのだもの。この安さは、ついつい買い足してしまう自分にとって、後押しとして、いいわけとして、本当によく働き掛けるものであると思います。

0 件のコメント: