2008年10月24日金曜日

「カルドセプトDS」オリジナル・サウンドトラック DELUXE

 先日、『カルドセプト』のサウンドトラックについて少し触れましたが、本日はその最新作『カルドセプトDS』のサウンドトラック発売日であります。もちろん私はとうから予約済みだったので、仕事の帰りに受け出してきて、早速聴いています。しかし、最近はCDでもなんでもインターネット通販で買うことが増えてしまったのですが、店頭で予約して、受け取ってというのは通販にはないよさがありますね。そういえばその店は、『カルドセプト』サントラを注文購入した店だったっけ。ちょっと昔を懐かしむような気持ちにもなろうというものです。

さて、『カルドセプトDS』オリジナル・サウンドトラックはCD三枚組、充実の枚数です。収録時間も三時間を越えて、実に聴き応えがあるのですが、その内訳はといいますと、最初の二枚が『カルドセプトDS』のサウンドトラックで、三枚目は先日紹介しましたサターン版(すなわちオリジナル)のサントラを復刻したものであります。その違いはかなりのもので、おそらくは誰もが一聴してその違いに気付くだろうほどに違っています。DS版は、基盤収録との記載があり、ニンテンドーDS音源ver.という表記は伊達ではありません。文言どおりのオリジナル・サウンドトラックであります。

『カルドセプトDS』を持って、プレイしている人ならば、DS音源も一緒に持っているわけで、ならこのサウンドトラックの価値とはなんでしょう。だって音楽聴きたくなったら、実機で聴いたらいいじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、実際聴いてみると、クオリティが違います。実機で聴いた時にはよたよたと不安定だったメロディが、サントラだとしっかりと鳴っていて、これは音源から出た信号を増幅するアンプであるとかなんだとか、そういう回路がきっと違うんでしょうね。DSの音声は、ゲームのBGMには充分ですが、観賞するにはちょっと厳しい感じで、イヤホンをさすとサーッとホワイトノイズが入って、そして鳴りはさっきもいったように少々不安定。サントラはそうした弱い部分を総取っ換えすることで、次元の違う鳴りを実現しているのかも知れません。

サントラに収録されている曲は、各ステージのBGMやオープニング、エンディングの音楽だけでなく、ほこらや勝利時、枯渇時のジングルまで含む、至れり尽くせりの内容であります。正直、このサントラを買わなかったら、聖堂のBGMなんてちゃんと聴くことなかったと思うんですね。変な話ですが、カードショップのBGMは覚えてるのに、聖堂はほとんど覚えがなくて、これはきっと護符の勘定に必死すぎるあまり、余裕をなくしているのでしょう。買わない時は、ボタン連打で素通りの勢いですし。

DS音源ver.は、昨今のCD/DVD媒体をフルに活用したゲームに慣れた耳には、軽く聴こえてしまう曲が少々あって、そのあたりはハードウェアの制限とはいえ、少々残念です。ですが、それでもうまくアレンジをほどこして、重厚さをこれでもかと打ち出す曲がある。また、音の重ねがシンプルにならざるを得ないからか、対旋律の聴こえやすさは旧サントラの比ではありません。むしろ、こちらの方が音楽の組立がわかりやすいくらいです。こういうと言い過ぎ、あるいは的外れのたとえになってしまうかも知れないけれど、オーケストラアレンジに対するピアノアレンジのような、そんな印象の違いが面白いです。いや、たとえとしてはロマン派のオーケストレーションとバロックのそれとの対比といった感じか……。ほら、すごく的外れになった。

実際に聴いてみるまでは、DS音源ver.という表記が少々心配でしたけれど、実際耳にしてみれば、問題なし。むしろその表現の幅に感心するくらいです。アレンジの力なのでしょうね。音源違い、アレンジ違いの同曲を比較して聴ける、ちょっと面白いアルバムに仕上がっていると思います。

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