2008年3月26日水曜日

PILOT ボーテックス

Letter昨年末に万年筆を買ったのをきっかけに、再び万年筆使う人になったわけでありますが、私の以前万年筆使っていた頃に比べると、今は比較にならないくらいに情報が潤沢で、なんだか振り回されてしまいそうです。万年筆自体がブームらしいとも聞きますし(本当? 私の身の回りで万年筆使ってる人皆無ですよ)、またBlog、サイト等で文具に関する情報を公開していらっしゃる人も多くて、これはいけないわ。欲しくなります。万年筆ばっかり持っても使い切れないからとなんとか我慢している状態ですが、それでも5本ほど買ってますからね。いかんわ。さて、一番最近に買った万年筆を紹介したいと思います。日本の文具メーカーであるPILOTの製品、ボーテックス。価格にして1,575円のお手軽万年筆です。

しかし、これ、非常にコストパフォーマンスがいいんです。とはいっても、私はmasahiro万年筆製作所の内野成広さんに調整いただいたものを買ったので、未調整、すなわち店頭に並んでいる通常の状態を知らないのですが、それでもあえていいたい。このペンはよいですよ。プラスチック製のボディで、ものすごく軽いのですが、それでも筆圧かけずにすらすら書けるんですね。もともとペンというものは、力を加えずペンの重さで書くものだというように諒解しているのですが、まさしくそのように書けるペンであります。

私の頼んだものはF(細字)であったのですが、実際に書いてみて驚いたのがその細さでありまして、いやね、思っていたよりもはるかに細くてですね、国産Fは細い細いといいますが、聞きしに勝る細さであります。こんなにも細いのか! 国産Fの細さを好む人の中には、海外メーカーのペンはFでも太いから困るというようにいう人がありますが、そりゃそうだわ。だって比較にならないもの。しかもボーテックスは、こんなにも細いのに、インクの供給に不安を感じるようなことは皆無で、気持ちよくすらすら書けます。グリップに巻かれたゴムも、軸中ほどにいたるくらいに長いから、首よりも少し上側を握る私には持ちやすい。ああこりゃあいいものを手にしたな。本当にそう思えるペンでありました。

さて、ボーテックスを買ったのは、ただ欲しいからだけではなく、ちゃんとした目的あってのことでありました。4月からペン習字をはじめます。石川九楊の『二重言語国家・日本』にそそのかされるかたちで始めた毛筆は、その後通えなくなって中途でやめてしまいました。けれどこの経験、まったくの無駄になったわけでなく、やはり以前よりもいい字が書けるようになっているんですね。でもさ、それでも中途半端なんです。昔のくせに別の癖がついたような字、綺麗な字ではないんですね。ひとつひとつの字がばらばらで、一貫性なく、繋がらず、けんかしてる。だからこれをステップアップしたいと思った。ペン習字だな。それも通信でと考えた時に、PILOTの実施するペン習字通信講座は非常に魅力的に思えました。字の系統が四種類提示され、そこから自分の好みにあったものを選べるというんですね。そして会費の安さです。年間一括で12,600円。正直、ありがたいですね。気軽にはじめられる価格であると思います。

といったようなわけで、この四月からペン習字をはじめます。調整されたよいペンでもって書くのだから、道具のせいにはできません。あらかじめ、逃げ場をなくしておく。これが私の考える上達のコツです。

0 件のコメント: