2008年3月10日月曜日

こぐまちゃんいたいいたい

 Amazonからおすすめされて、あ、これはよさそうだ、買わないとと思った絵本があったのです。それは『こぐまちゃんいたいいたい』。今日、『コミックエール!』を買いにいったついでに、一緒に買ってきたのでした。そこは結構絵本を置いている書店でして、『いたいいたい』をおすすめされるきっかけとなった『しろくまちゃんのほっとけーき』を買ったのも、実にこの書店でありました。棚にたくさん絵本の用意されているそのたたずまいが、なんか温かみがあっていいのですね。日中などは子供連れの親御さんも見えて、愛されているんだろうなあ、そんな書店なんですね。

さて、『こぐまちゃんいたいいたい』。なぜこの本がよさそうと思ったかといいますと、ほら、姪です。もうじき一歳半になりますかね、うちのなか危なっかしく歩き回っているちびすけを見て、なんかおそろしいなあ、そんな風に思うんです。もちろん気をつけてはいるんですよ。でも、それでも子供はなにかしら危ないことをするようにできてますから、怪我したりすることもありましょう。だから、先手を打って、危ないことをしないようにしましょうと、こういうことをするといたいいたいですよと、教えられたらよさそうね。そんな風に思っていた矢先に『こぐまちゃんいたいいたい』が紹介されたから、よしきた、まかせとけ、受けてしまったというわけなのです。

しかし、このこぐまちゃんのシリーズはすごいです。決して愛想笑いするようなことのないこぐまちゃん。目は点だし、口はヘの字です。なのになんでこんなに可愛いんだろう。単純な線、豊かな色彩が、こんなにも生き生きしているというのですから、本当、名作だなあと思わないではおられません。内容は至極単純です。こぐまちゃんが機嫌よく遊んでいる、そうしたなかで遭遇するちょっとした事故。あ いたい。おやつをたべてて、いたたた た。そのいちいちが可愛くて、泣いちゃったりして可愛そうで、もちろんそんなにひどい目に遭うわけじゃないです。でもそれでも、ああ、ああ、いたいのいたいのとんでけって具合にですね、駆け寄って助けてあげたくなるような、そんな感じがあって、いやほんとすごい近しさです。これは子供引きつけるでしょう。それとともに、大人でさえも引きつけられて、それはそれだけの魅力があるということなんでしょう。

しかし、階段から落ちるシーン。あっ すべった。って、そんな悠長なこといってていいの! って焦るくらいにショッキングな絵を見せられて、でもひっくり返って泣いてるこぐまちゃん見たら、ああ、ああ、大事がなくてよかった、よしよし、可愛くってほほ笑ましい、思わず笑みがこぼれるってこういうことなんですね。

姪よ、おじさんはおまえに前もって謝っておかないといけません。おじさんはおまえを、こぐまちゃんえほん買うだしにしています。それともうひとつ。おじさんにはこぐまちゃんが可愛くて仕方ありません。なので、もしこの先、本屋にいくことがあって、こぐまちゃんえほん見かけることがあったら、お母さんにいってそれを買ってもらいなさい。そして、おじさんに見せてください。できれば貸してください。

絵本には絵本のマニアがいるわけですが、その理由はいやというほどわかりますね。子供の本の世界は、困ってしまうほどに豊かです。ロングセラーにはそれだけの理由があると、一読するまでもなくわかってしまうほどに豊かな世界が一冊に込められていて、そしてこぐまちゃんえほんは間違いなくそうした絵本であるのですね。素晴らしいです。

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