タイトルだけは知っていたこの漫画、いつか読まねばなるまいなと思っていて、なぜか? 単純な話ですよ。タイトルが『ふぃぎゅあ — こととねシークレット』。なんと、うちのサイトとちょっとかぶってる。正直なところ、これはレアだなあと思われて、いやね、言葉ふたつ繋ぎ合わせて作った名前です。ちょっと発音しにくいし、キーボード打つ時に、kototoneのつもりでkotototoneになったりするような、そんな有り様だから、あんまりかぶることはないんじゃないかと思っていたんですよ。けど、かぶってしまいました。かぶっているのはこの漫画だけでなく、自分の知っているかぎりいつつくらいかな? こととねという名前の人(?)、もの、団体はあるようで、ちょっとした縁といってもいいものでしょうか。なんだか嬉しく思っています。
さて、『ふぃぎゅあ — こととねシークレット』という漫画、いったいこととねというのはなにかといいますと、ヒロインの名前であるのですね。佐倉琴十音(19歳)、専門学校のフィギュア科に通ってるんだ
。へー、それでタイトルがふぃぎゅあなのか。なんていって感心している場合じゃありません。眼鏡ですよ眼鏡。ヒロインはショートカット、眼鏡、ちょっと気弱な娘。って、もしかして私、狙い撃ちされてる!?(被害妄想です) いやしかし、眼鏡ですよ(だから妄想です)。べべべ、別に眼鏡が好きだってわけじゃないんだからねっ!
ともあれ、名前がこととねで眼鏡着用のヒロイン。これはと思わせるシチュエーションが揃って、けれど残念なことに、私にはちょっとのり切れないところがあって、ほんと惜しいなあ、惜しいです。この漫画、端的にいいますとエロ漫画なんですが、ヒロインが割と好みの造形で、しかしこうも乗れなかったというのはなぜなんだろう。ちょっとね、躍動というと変ですが、そういうものが感じられなかったんです。いうならばオートマチック。事前に用意されたエロのパターンにキャラクターがはめ込まれた、そんな感じがして、のるにのれませんでした。あるいは、こととねの相方である絶人のキャラクターがしっくりこなかったのかと。強引な男なんだけど、なんかそればかりで、それ以上の魅力が伝わってこなかったかと思われて、やっぱりエロにおいては女性キャラだけでなくその相方の造形も大きいのだなあ、そう思ったんです。
けど、黒岩よしひろって『変幻戦忍アスカ』の人なんですけど、丁度中学生くらいのころに読んだのかな、ちょっぴりエッチとでもいったらいいんでしょうか、そういうのりがあって、好きだったんですよね。私は友人の持ってた単行本で一気に読んだのですが、これって打ち切りだったらしくてですね、けれど続きを描き下ろして単行本で完結させたという、一種入魂の漫画でした。ほのかな色気というか、ちょっとドキドキしながら読んだ少年時代。今読んだらどうなんだろう。ちょっと別の意味でドキドキしますね。
『アスカ』は変身ヒロインものであったのですが、もしかしたら作者は今でもそうした漫画、変身ものとはいわないけれど、ちょっとSFタッチとでもいいましょうか、そういうものを書きたいと思っていらっしゃるのかも知れませんね。というのも『ふぃぎゅあ — こととねシークレット』も中盤からそうした色が出始めて、最初はそういったそぶりなかったと思うのに、意外というか、ああこうしたものがお好きなんだと思って、残念ながら本格というまでにはいたらなかったのですが、どうしてもエロにページを割かねばならない制約の中ですから、描ききれないんでしょうね。大急ぎという感じもして、それ以上に型にはまりすぎているとも感じられて、やっぱりのれなかった。このへんもちょっと残念なところでした。
でも、昔好きだった漫画を描いていた人が、今もこうして描いていらっしゃる、それは嬉しかったかなと思っています。ちょっとノスタルジーが過ぎると思うけれど、藤子不二雄くらいしか読んでなかった私が少年漫画に触れたその頃に出会った、いわば刷り込みみたいなものでしょうか。そのころ思い出しつつ、お元気でよかった、そんな感じであったのでした。
- 黒岩よしひろ『ふぃぎゅあ — こととねシークレット』(バンブー・コミックス NAMAIKI SELECT) 東京:竹書房,2007年。
引用
- 黒岩よしひろ『ふぃぎゅあ — こととねシークレット』(東京:竹書房,2007年),6頁。
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