2015年6月3日水曜日

『まんがホーム』2015年7月号

『まんがホーム』2015年7月号、昨日の続きです。

『いぬにほん印刷製版部』、これ、ほんと、含蓄あるなあ。新しく入った、転職組ですね、斎藤氏の頑張り、気配り、それをよしとしない安田。なぜか? 善意の残業はさせない。給料外、サービス残業をする人間がいると、そうした行為をあてにした人間が、無理な仕事をつっこんでくる。ああー、そうかもなあ。すごくわかる気がするよ。また、こうして頑張りすぎる人間がのちのちダメになる。ガタがくるという表現がしっくりきますね。やるべきこと、それだけで精一杯で、むしろ適当に息を抜いたりする、それくらいがちょうどいいんだっていうの。これ、安田の、ひいては作者の見てきたものが反映された表現なのかもなあ。自分は決して頑張りません。給料外は手を出しません。そうしたのが過去の経験の反映だったりするように、この漫画もそうした反映があると感じられる。それが面白みになってるとあらためて思いましたよ。

『うちの秘書さま』、やっぱりメイド連がいいですよ。今回は、ゲームソフト欲しさにバイトする坊ちゃんであります。じゃんじゃん小遣いが与えられたりはしてないんですね。坊ちゃん、はじめのアルバイト。それ自体は評価されてるんだけど、彼の能力に信頼がない。あの七瀬、メイドの心配してる様。ああ、人様に迷惑かけられませんもんね。ちょっと失礼といったほうがいいのか、あるいはよくわかってるというべきか。いずれにしても、まずは自宅で手伝いとなったんですね。時給千円。すげえ。メイド連の甘やかしよう、際立ってましたね。うん、いつもどおりといった感じ。対して厳しい七瀬。これでバランスとれてるのかもですね、といいたいが、いや、やっぱり甘やかされてる方に重みかかってますよね。そんなはじめが、最後に皆に感謝の気持ちをあらわす。いい話だったと思いましたよ。うん、メイド連、大好きです。

『歌詠みもみじ』、皆でカラオケにいきました。って、盛ちゃんの暗黒面、見るからにやばげでありますね。まりな、この子、歌ってる最中に店員がきたときの様子ですけど、あれまあ、すごく意外。そういうの気にしないタイプだと思ってたんですが、照れちゃうんですね。かと思えばこの打たれ強さ。同じ歌をやりなおすんだ。千恵子の弱気、言い訳も面白くて、ああー、たしかに練習の本番のって、どこぞで発表するわけでもないんですから、不思議な言い訳です。そして、あれですよ、歌い出しがわからないから、動画サイトで確認するってやつ。あー、今はこういう風にやるのかあ。この発想はなかったです。さて、我らが主人公もみじの歌唱。歌えないわけじゃないのか。しかも、うまいのか。父の影響でムード歌謡というの、あの一家の雰囲気思い出されて、なんか面白かったです。

『マチ姉さんの妄想アワー』、トシのユウコ評が最高でした。女子でも中学生男子みたいな発想になるんだね……。って、君のその発想、その淡々とした評価が素晴しいよ。小学生男子と思えないです。本編、ツルの恩返しがもうほんと素晴しい。ほんと、復讐と恩返しの同時進行とか、このツルのアレな性格、すごく魅力的でした。矛盾もまた面白い。すげえな、この興味そそらせる一言。加えて老師様のサービス精神。これ、求めてる答、そいつを与えてやっただけじゃん。ほんと、商人も老師もめちゃくちゃいかしてました。念珍の2本もとてもいい。まんじゅう怖いのもっていきかた、これもすごくいい。ほんと、毎回が工夫、見事な発想に彩られて、飽きないですよ。

  • 『まんがホーム』第29巻第7号(2015年7月号)

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