2015年5月14日木曜日

放課後のプレアデス

 放課後のプレアデス』に夢中です。自動車メーカーの富士重工業、スバルが社のピーアールのためにGAINAXと組んで企画したアニメです。けれどそのわりに車が全面に出てこない。そういったことも話題になったわけですけれど、登場人物、魔法少女たちが使うドライブシャフトなる魔法の杖、これが車をモチーフにしていて、知れば知るほど面白かった。そもそも登場人物、その名前も車に由来していて、知ればなるほど、そういうことになってるのかあ、といった次第。このアニメを通じて、どんどんスバル車に関する知識を蓄えていっている次第です。

ドライブシャフトの先端、丁字になっている、その丁字が車のフロントのロゴ、エンブレムまわりの意匠を反映していて、5人に割り当てられた車種それぞれの特徴を表しているというんですね。最初、全然気付いていなくて、もう単純にドライブシャフトが杖扱いってのを面白がっていた、さらにエンジン音とか出しますでしょう? そういった見た目とのギャップを面白がっていただけだったんですが、車のデザインを反映している。さらにはキャラクターそれぞれにベースとなった車輌の特徴が反映されている? いつきのよく食べ力持ちというのは、フォレスターの燃費とかパワーとかを表してるの? ひかるだけ制服が違ってるのは、トレジアがトヨタのOEMだから? みたいなこと、それがどこまで妥当な推測かはわかりませんけど、いろいろ想像するのは楽しかった。ええ、押し付けがましくないこうしたギミック、悪くないと思ったのですよ。

ギミックというと、劇中にも、ドライブシャフトのいろんな機能、それが出てきて、なんだかすごく面白い。エンジンの音がするっていうのはもういいましたけど、皆がすばるに寄せていって停止する時、ウインカーの音がカチカチ鳴ってるとか、3話だったら、あおいの杖にラリー仕様のライトがついたり、いつきの杖が六角グリル展開して、さらには三連メーター表示させたり、あの杖、ほんと、なんか、いろいろあるらしい。ちょっとね、最新話のネタバレになっちゃうけど、アイサイトついてるんだ! もうほんと、なんだろう、これ、ものすごく面白い。

ちょっとずついろいろ気付いていったんですね。最初はエンブレムまわりの意匠だけだと思ってたら、杖の先端、丁字左右に光っている羽状のもの、あれが実はライトだったりするとかさ、このことに気付いたのは漫画版を読んでた時なんですけど、ほんと、びっくりしましたね。なるほどなあ、ドライブシャフト先端に、車のフェイス、横一直線が表現されているんですね。

最初にすばるたちが使っていたドライブシャフトは、YouTube版のデザインを継承していて、けれどこれはモデルチェンジ前のもの、現行車種ではもうフェイスのデザインが違っちゃってるんだよー、って教えてもらって、ということはいずれドライブシャフトもフルモデルチェンジするのかな、なんて考えたりするのも面白かった。公式サイトのトップに表示されるイラスト見れば、現行車種のデザインが反映されているっていうので、これはすごいな、これはきっとくるぞ、っていうか、あおいのシャフト、ターボのエアインテークにウイングまでついてて、すごいな、なんかかっこいいぞ。わくわくする。ほんと、杖のデザインだけでこんなに気持ちが盛り上がるって、なかなかないことですよ。

けれど、『放課後のプレアデス』が素晴しいのは、小ネタとでもいいましょうか、小さなところに細かにギミックもろもろ配置しつつも、そうした小ネタの面白さに溺れていないところであると思っています。小ネタ、大ネタいろいろ工夫し、目にも鮮やかに見せてくれて、それが魅力であることは間違いないのですが、なにより優先されているのが物語であるというところ、それがとてもよいのですね。描かれるのは、ヒロインたちの心情とその揺れ動き。舞台もギミックも、すべてがその見せ、語るべきものに注力して、無闇に自分を主張してこないというさりげなさ。ほんと、もっともっと、全面に押し出されてもおかしくない、そんなビジュアルの画期があったとしても、それがあんなにもつつましく、一歩退いてヒロインたちを引き立てることを一番の大事にしている。ああ、これは本当に贅沢なアニメであるなあ。もう感心して、感動して、もう心、完全につかまれてしまっているというのは、こういうことでもあるのですよ。

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