2010年7月28日水曜日

『まんがタイムきららキャラット』2010年9月号

『まんがタイムきららキャラット』2010年9月号、発売されました。表紙は、おおう、なんと、ゲームに興じる如月さんでいらっしゃいますよ。如月さんのそばには、金髪のお嬢さん。おお、なんてったらいいのだろう、体験版でお会いした時よりも、ずっとずっと外国人っぽくいらっしゃるわ! 今度出るゲームの主人公でいらっしゃるマリさんですね。って、明日発売か! どうしようかなあ。ちょっと迷っているのであります。

かくして、マリさん、本編にも登場です。『GA — 芸術科アートデザインクラス』、ゆかたについての話でありまして、交換留学生のマリさん、大活躍です。いや、ほんと、ゲームにおいて見られるポーズなどもうまく盛り込みながら、浮いていない、とてもよく溶け込んで、ああ、今回限りだなんてもったいないよ! それくらいにいいキャラクターでありました。

浴衣のデザインを考える。そのやりとりでもって、浴衣の絵柄についての話やフランスにおける花など、いろいろ情報盛り込んで、そしてやる気のある学生、やる気を見せられて静かに張り切る先生など、気持ちの動きの描かれるところ、大変よかったです。しかし、浴衣をラッピングとみなす視点、これは実に素晴しいな。中身に合わせ、引き立たせる、それがラッピング、すなわち服飾であるんだってことですね。そして如月の描くマリの浴衣。ああ、これは伝統感じさせて、とても魅力的。こうした魅力もふりまきながら、最後の最後の落ちまで、充実と感じさせてくれる。ああ、いい話でした。ほんと、チャーミングないい話でありました。

『ラッキー・ブレイク』は驚きました。最初の駅から、プラットホーム、電車、ほんと、なんだかものすごく見覚えがあって、ほんと、この漫画、大阪舞台なんだと実感させてくれます。といったわけで、遅刻をめぐる状況。やたらくさ厳しい赤井さん。気持ちはわかる。同じ立場に立たされたら、きっと私も同じになる。いや、ほんと。しかし、この会社、フレックスを導入してるみたいですけど、こうした遅刻癖のある人にそれ教えると、コアタイムぎりぎりを狙って、結局遅刻してしまうんじゃないかなって気がします。

『せいなるめぐみ』、恵ちゃんに対する期待、想像がやぶれた乙女のそれから。心の声がえらいこと面白くて、いやほんと、乙女かこのオッサン!! いや あたくしの事ではなく!! もう最高。それでもって、今回もちょっと切なくなる、そんな感情の描かれて、この見せ方は嫌いじゃないなあ。それで、すぐに面白さに向けて舵をとる、そのスタイルも嫌いじゃないです。でもね、面白さに少し笑って、けどその笑いの中に切なさが残る。余韻があるんですね。

『平成生まれ』、ゲストです。なんか、すごくシュールな漫画。軽い、というか、すかすか。絵もネタもすかすかなんだけど、ここまできたら、それを狙ってるんだろうなとしか思えません。極めて省力的に思える、そんな誌面ですが、これで面白いかどうか、それが問題といったところ。で、私はどうかというと、面白いと思う瞬間は確かにありました。それも数度にわたってありました。

結局はマッチングであると思うのです。マッチングの度合いによって面白さが変わる。私とのマッチングは、中から高のあいだくらいなんじゃないかと思うのですが、マッチした人にはもうたまらん面白さになりそうな気がして、それはつまり逆に、合わない人には徹頭徹尾つまらない、そんな惨事になるような感じがあるんですね。

私は、多方面に配慮して中途半端に陥るくらいなら、思いっきり人を選ぶ、その方がずっといいと思っているので、これはありです。これでうまく引き込んでくれたら、なかなか悪くないんじゃない? それくらいに思っています。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第6巻第9号(2010年9月号)

引用

  • 荒井チェリー「せいなるめぐみ」,『まんがタイムきららキャラット』第6巻第9号(2010年9月号),88頁。

2 件のコメント:

らぷとん さんのコメント...

 『平成生まれ』、どうしたものかと悩んだ挙句、結局感想を書くのは見送りました。
 確かに絵もネタもスカスカなんですけど、決してダメなわけでもなく。
 序盤のオチのコマが似通っているのが更に良くない印象を与えてる感もありますけど、後半からは割といい感じだと思いました。ゲストでスロースターターだとつらいと言うことでしょうか。

 GAはマリさん大活躍で満足でした。
 ゲームは面白いのかどうか分からないので、「買っちゃいなよ!」と勧められないのが少しつらいですが。

matsuyuki さんのコメント...

『平成生まれ』に問題があるとしたら、スカスカなのが芸風というよりも、単純に手を抜いてるように見える、あるいはそうとしか見えないところなんじゃないかと思うんです。もしかしたら、実際にそうかも知れない。いや実は芸風なんです。それはこちらからはうかがい知れないですからね。

私は、ページ数があの半分でネタが厳選されていたら、きっとよかった。そんな風に思っています。いずれにしても、ネタ勝負でいかないといけないでしょうから、続くほどに難しくなるタイプの作風であると思います。

『GA』は、マリさん、よかったですね。ゲームは、体験版をちょいとやったおかげで、なんだか気になってしまっていますよ。