2010年7月15日木曜日

『月刊アフタヌーン』2010年8月号

 『月刊アフタヌーン』2010年8月号、とっくの昔に出ています。いえね、タイミングを逃がして、感想だとかなんだとか、すっかり忘れてた。いえいえ、『アフタヌーン』に関してはよくあること、っていっちゃあなんですが、実際書くのすっかり忘れてた、なんてこともありまして、いえね、この雑誌の発売日近辺、いっつもなんだかごたごたしてしまってる、そんな印象があるのですね。というわけで、遅ればせながら、今さら感想書くつもりになりました。

『BUTTER!!!』、私、この漫画、結構気にいってるんですが、いやしかし、思いもしなかった展開になってきました。これまで常に前向きに、そしてぐいぐいと端場を引っ張ってきた荻野目が、あれー、なんだなんだ、なんか様子がおかしい。なんなのだろう。緊張に弱いのだろうか。あるいは失敗に弱いのだろうか。そしてクラスでの雰囲気も。なぜだか不思議と弱気であって、そして3ヶ月の在籍義務が切れた。どうなるのだろう。まさか、こうなるとは思わなかった。いやね、こうしたマサカ! を盛り込むからこそ物語になるわけですけど、それにしても意外でした。ここは端場が気張るのか、どうなのか。わからない。けど、そうなりそうな気がする。この、端場という一種斜にかまえてきた男が、一体どういう踏み出しをするのだろう。それはちょっと見てみたい。そう思います。

百舌谷さん逆上する』。物語としては、大詰めに向かう第一歩といった回なのでしょうか。百舌谷さんが、鴫沢大観と出会う。きっと大変なことになるだろう。そう思ったものの、意外にこれが厳しくも冷静な話し合いとなって、しかしこれはまたやりますな。百舌谷さんの目標としてきたこと、その欺瞞に直面させる。これは百舌谷さんのやろうとしてきたことを美談として受け入れ、それが叶えば感動とともに受け入れて、そうした嗜好に対するカウンターでもあるでしょう。当然考えられるべきことではあるけれど、物語的都合によって、そうした側面をはるか彼方に追いやることもできなくはない。けれど、それをきっちり指摘しておくことで、百舌谷さんの葛藤を引き出そうとでもいうのか、そう思ったら、さらにもう一段階があって、ああ、一段階目は乗り越えられる、そこまで踏んだ上での罠だったんだなと、続く展開に、一種絶望めいた気分を味わわされたのでした。

描かれたことは、いまだ断片としかいえない。だから続きを見なければならない。そんな気持ちにさせられます。

いもうとデイズ』、周防先生、ろくでなし。今回はちょっとディアナは後景に退いて、メインはまりかちゃんと先生の汚ない対決でありまして、いや、ほんと、子供は子供で、妹の友人という立場利用して通い詰めるし、大人は大人で、金の力振り絞ってホストクラブに通い詰めるし。もう、両方が無茶。でも、こうした争いの影にちゃんとお兄さんの株があがる。ああ、いい人なんだなあってわかる、そんなエピソードが描かれて、だからこそ、先生のろくでもない面が強調されている、そんな風に思うのでした。しかし、奈子ちゃん、えらい酷い目にあって、そして彼女の真っ直ぐさが状況をさらに面白く変えまして、もう、まりかちゃんの決意。これには腰抜けそうでした。無茶! もうこれは、お兄さん逃げて! そういうしかない状況であります。

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