2010年7月22日木曜日

『まんがタイムスペシャル』2010年9月号

『まんがタイムスペシャル』2010年9月号、発売されました。表紙は『スーパーメイドちるみさん』を中心に、新連載の『BARジャックビーン』そして『パンむすめ』が飾っています。加えてもうひとつ、『ベツ×バラ』もありまして、蚊遣り豚と朝顔のうちわ、夏のらしさはここに集中しています。

『パンむすめ』、樹るうの新連載です。リニューアルオープンしたパン屋さん、こぐまベーカリーをいかにもりたてようかという物語。祖父の店をつぐというちはる。製パン学校で出会った夏緒とともに、一度は閉店したパン屋を再興しようという、その心意気が伝わってわくわくさせてくれて、なかなかにいい感じです。技術は夏緒だのみだけれど、パンそしてパン屋に向ける愛の深さはちはるも負けてない。いかに店を知ってもらい、足を運んでもらおうか、その工夫、パンに焼きゴテで宣伝を焼き付けてチラシにするっていうのね、その効果と欠点はこぐまベーカリーの将来有望であること占って、この店をめぐる騒動なのか交流なのか、大いに期待できそうだ、そんな感想いだきました。

『BARジャックビーン』、佐藤両々の新連載です。バーの見習い従業員、橘実果がヒロイン。バーのマスターは親戚とのことだけれど、その兄さんには理不尽な姉があって、さすが佐藤両々ものというべきか。優しい弟と酷い姉。酷さでもって弟への愛を示そうとでもいうのか。いや、この漫画は過去のに比べると比較にならないくらい優しい姉だとは思います。ちょっとどんくさいマスター。けど、お客さんの様子を見て、いろいろ配慮する優しさがあって、こういうところが人気だったりもするんだろうなあって思ったりしたのでした。でも、こういう性格、あの姉に仕込まれたりしたのかも知れないななんて思えて、いや、このあたりは先の話でありますね。

『ひよっこシスターの安息』、変わらずよい感じ、面白いです。前回はあまりその人柄の描かれなかった先輩シスターたち、ちょっとずつ描かれてきまして、シスター八木沼、この人なんかフランクで可愛い人だなって思いましたよ。そしてシスター雛形とまずいラーメン屋の交流。いや、まずいのは試作だけで、店自体は普通なのか。どう見てもうまくいきそうにない、そんな様子が面白いなあ。シスター雛形の無責任なはげまし、でもなんだか本当にうまくいきそう、そんな気持ちになれる。この前向きさがとてもいいです。

『早乙女寮別館ものがたり』、松子さまがのりのり! これは面白い。別荘、洋館にて夏休み過ごすことになって、ロケーション最大に利用したお嬢様ごっこ。もう、のりのり。少女小説の設定ひっぱってきて、ちかまで巻き込んでの本気の遊び。非常に素晴しい。ごっこ遊びの、どんどん夢の広がっていく反面、現実が全然追い付かない。そのギャップが面白く、そして七恵さんですよ。いきなり、状況もわからんままに巻き込まれる。しかも酷い配役! 面白いなあ。お嬢様への憧れもそうですけど、松子さま、ほんと可愛い人だと思いましたよ。

  • 『まんがタイムスペシャル』第19巻第9号(2010年9月号)

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