『まんがタイムオリジナル』2010年9月号、発売されました。表紙は、これはもう元気そのものといった感じの山下でありますが、上半身水着で、いったいこれはどうしたものだろう、そう思っていたら、夏フェスとか、そういったものなのでしょうか。榊先生、そして『明日もひまわり荘』、『らいか・デイズ』、『おやすみ魔法使い』、皆が楽器やマイクを持っていて、なるほど、これはライブの会場であるかとわかる。なるほど、夏といえば音楽フェスティバル、そうした連想のはたらくほどになっているんですね。
『ハルコの晴れの日』、おお、特別編だ。これ、ハルコさんが駄目な男と出会っていく、そんな漫画であったんですけど、今回は先輩をメインに据えて、少年にオムライス指南。とはいえ、そこまでいくのに紆余曲折があったんですけどね。謎の少年、店に通いつめていた理由。べたではあるのだけど、そのべたがよかったと思います。
『満開!Sister』、今回は母さんが大活躍ですよ。しかし、なんだかだらしない、というか純情そのものといった父、面白いな。その父の結婚した人、椿さん、チャーミングな女性。ちょっと豪放。この豪放さは、娘にも受け継がれているっぽくて、そして椿さん大逆転。追い詰められた武士の、母さん連呼は非常に素晴しかった。なんのかんのいって、この人は照れ屋なだけなんだろうなって、そう思える一コマでありました。
『社長サマは無計画』、春風道人の新作です。3回連続掲載とのこと。マイペースそのものといった社長。商売のセンスがないらしいという彼女をいかに支え、会社をつぶさないようにするか。そうした主人公のがんばりを見ていけばよいだろうか、といった感じの漫画であります。以前掲載されていたもの、『今日から寺バイト』が好きだったから、うまいこと広がっていってくれるといいなって思っています。
『アトリエZOOへようこそ!』は精霊流しを扱って、精霊船っていうんですね。故人の思い、好きなものだとかを具体的にかたちにして、そして爆竹をどんどん鳴らしてって、それはそれはすごく派手であるのですが、このきのこさんの感想、あれは以前に長崎の精霊流しの様子、テレビで見た時に私も思いましたよ。しかし今回も楽しく話して、楽しくいろいろやっている、そんな雰囲気であるのですが、その発端には老いたペットの話があったわけで、ああ、覚悟しちゃってますか。こうして、なんでも受け入れる覚悟してしまえば、それはもう違ってくるのかもなあ。死という悲しいものも、派手な船に乗せて流していく。そうした精神性、その根本にあるのが覚悟なのかな。などと、おそらくは作者の意図しないことまで思ってしまったのでありました。
- 『まんがタイムオリジナル』第29巻第9号(2010年9月号)
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