『まんがタイムきらら』2010年8月号、昨日の続きです。
『≒ — ニア・イコール』、これまでは鏡の向こうの世界、翔の周辺がメインに描かれてきたけれど、今回は椿姫の周辺が描かれることとなって、しかしこれは思いもしない展開となりました。私はてっきりこの人は、周囲に馴染めず、それこそひきこもるように、身を潜めて暮らしているのだと思っていたのだけれど、とんでもない。すごくできた子じゃないか。でも、これは非常にまずい頑張り方。生徒会では頼りにされ、部活においても活躍して、けれどそうした虚像を築くことで、本当の自分を隠しているっていうね。これ、決めつけるのはなんだけれど、子供の頃、ただただ愛されたという、そんな体験が希薄なんじゃないか。できる自分、結果を出せる自分じゃないと愛されない。そういう思いを積み重ねてきた結果が、自分の駄目さ、弱さを見せられない今に繋がってるんじゃないか。
頑張ることで愛される、そうした環境で、負けることができない戦いを続けている人は、いつか能力気力体力の限界を迎えて、倒れていくってことが多いんです。すべてがそうじゃないけれど、登校拒否やスチューデント・アパシーの原因になったりする。そうなんだろうなあ、椿姫は今まさにその倒れる直前の地点に達してるんだろうなあ。私は翔の意見には賛同しないけれど、椿姫の置かれてる状況、その問題はわかる気がする。駄目な子でも、弱い子でも、失敗したり、期待に応えられなかったりしても、それでも椿姫のことが好きだよと、君の価値はそこなわれてなんかいないよ、そういってくれる相手、そして、そうと実感させてくれる誰かが必要なんだろうな、そんなこと思ったのでした。
『うさかめコンボ!』、七月といえば七夕、ということで鬼ごっこですよ。って、なんで鬼ごっこ? いや、楽しいからいいのだけど。というわけで、生徒会メンバーと全生徒の壮大な鬼ごっことあいなるのですが、このダイナミックな鬼ごっこ状況、めちゃくちゃ面白いです。これは、前作『こどもすまいる!』では描けないタイプの大騒ぎでありますね。登場人が高校生、ひとりひとりを思いっきり動かせるからこそのダイナミズム。追い詰める、狙撃する、そして必殺技。無茶なんだけれどもさ、その無茶を無茶として楽しませてくれるだけの勢いがあるから、読んでいて気持ちよくって、これはいいよ、すごくいいよと思えるのです。しかし酷い目にあっているさっちん。この人、なんだか好きですよ。すっかりお気に入りです。
『三者三葉』、扉絵見て最終回かと思って、おののきました。いつもキュートな双葉、しかし今回はいつも以上に可愛くて、って、どうした中身が変わってしまったか!? いや、桜に批判されたのか。しかし、女の子ぶる双葉、あの小鳥さんのお喋りのコマなんて、もう禍々しくて最高で、女子力なんのといいながら、そうした風潮にうんうんうなずいて受け入れたりしてない、クールな視線みたいなものが感じられて、いやもうしびれました。こうしたものの裏側の、演技というか演出というかの曝露? このスタンス。わりきっちゃって開き直っちゃった、そうした印象がひしひし感じられて最高です。しかして、女子力ゼロの双葉、これが一番可愛く魅力的でございますな!
『アイオーンコード』、超能力学園ものでありますが、その各人の能力、うまく使って話に絡めているなと感心して読みました。過去を見る能力、予知能力、強運。どれも無駄遣いされてるような感じがするんですが、とりわけヒロインの能力、
ところでどうでもいいんだけど、この大げさな能力名、実はちょっと恥ずかしいです。その恥ずかしさも味のうち、って感じではありますけどね。
最後に一言だけ。『うぃずりず』、爺さんが死んでしまいそうで、怖いです!
- 『まんがタイムきらら』第8巻第8号(2010年8月号)
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