2009年8月14日金曜日

レス・ポール読本

 昨日は仕合わせだといっていた私ですが、今日はちょっと悲しいです。レス・ポール氏が亡くなられたとのこと。まあ、お年もお年だったものなあ。94歳、肺炎で、ニューヨークの病院で、家族や親しい人たちに見守られながらなくなったという話です。私がこの人のことを知ったのは、ギターをはじめてからのことで、あのクラシックな風貌のエレキギターがレスポールというのはかろうじて知っていたものの、それがギターを作ったギタリストの名前そのままであるというのは正直驚きました。へー、人名だったんだ。で、まだ存命で、しかも現役でライブやっているっていう話で、また驚くことになるのですが、それが多分2003年のこと。その年の冬に私ははじめてのエレキギターを買うのですが、それがレスポール・カスタムで、そうか、あれからずいぶんたってしまったんだなあ。なんだか、ぽっかりと空虚な気持ちに落ち着きなく、そぞろいろいろ思い出してしまいます。

私がレスポール・カスタムを選んだのは、当時、それを推す人が多かったということもあったのですが、あまりにメジャー路線と感じられたフェンダーのストラトキャスターを避けたという、裏道歩きの本能でしょうかね、で、スタンダードでなくカスタムというのも、裏道歩きゆえでしょうかね。実をいうと、その作られた由来からすればジャズにも使える、その後の使われかたを見ればロックにも使える、そうしたポジティブな理由もあったりしたんです。けれど、アームがついてないからチューニングが狂わない、面倒くさくないというネガティブな理由もあったりして、ともあれ私はレスポールを買ったのでした。ただし、ギブソンじゃなくてエピフォン。さすがにギブソンは高すぎました。でも、頑張ってエピフォン・ジャパンを探して買ったんですね。

その当時、駅前の書店に枻文庫が充実していて、ふらりと寄っては買おうかな、どうしようかなと迷っていたのが『レス・ポール読本』でした。レスポール使ってるミュージシャンの所有する楽器の紹介や、インタビューを集めた本なのですが、まあこれが目に毒な本でして、豪華絢爛ヴィンテージ・レスポールがぞろぞろと写真付きで出てきては幻惑するんですね。結局、この時、この本を買うことはなかったのだけれど、書店で買おうかどうか迷ってたことを覚えています。で、タキシードが似合うようにデザインされたというカスタム、黒一色でね、これ、かっこいいなあって思って、そんなこともあって黒のカスタムを探すことになったんですね。

 私にとってのレス・ポール氏との接点は、エピフォンのレスポールと、時々、本やネットから伝えられる情報と、それから過去の逸話、ソリッドボディのエレキギターを世界で最初に作ったとかね、商品化はレオ・フェンダーが先だけど、そうした伝説であったのですが、 — それくらいだったのに、訃報を聞いてこんなにショックを受けるとは、自分自身、思いもしないことでした。ライブの映像など見たら、なんか人のよさそうなじいさんで、CDとか欲しいと思いながらも、なにから買ったらいいかわからなくて買ってなかったり、そんな感じに後回し後回しにしてきたのは、まだ存命だからという、そんな気持ちがあったのかも知れません。

今日、亡くなったというニュースを知って、とりあえず『レス・ポール読本』を買ってきました。レス・ポール氏については、冒頭に少し載っているくらいですが、一応それでもトリビュートみたいなつもりで。それから、去年公開の映画、『レス・ポールの伝説』のDVDも注文して、ええ、こうしたもろもろ、遅ればせながら。そして、いつか余裕ができたら、レスポールを一本買おうと思います。

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