お盆も終わり、さあ通常営業に復帰しようかという初日に買ったものは、『まんがタイムファミリー』10月号でした。『ファミリー』が出れば、8月もいよいよ後半戦ですね。暑くて過ごしにくい、そんな季節ももうすぐ終わる。もう少しの我慢だ。早く過ぎてくれよと思っているのですが、でもまだ暑い日は続くでしょうね。しかし、こうした暑さも夏の風情。直に秋がやってきて、うつろう季節にしんみりとする。雑誌は、そうした気分をちょっと先取りさせてくれます。
『おかいあげ』は、ヒロイン大丸が五百円貯金をやっているという話から、昔の五百円玉は今のと違って白銅貨であったとか、そうした話になったのですが、今の若い人って、白かったころの五百円玉って知らないの? だとしたらちょっとショックかもなあ。ああ、私はもちろん五百円札を知っています。今見るとなんだかおもちゃのお札みたいで、驚きます。しかし、伊丹フロアマネージャー、素敵です。花の命は結構長い、ですよ。
『美大道!』、さらにキャラクターが増えて、なんかうるさいお姉さん。芸術系の学科には、こういう人いるかも、っていうのは偏見ですが、結果を気にして思い詰めているより、こうして開き直った方がきっといいんだろう、そんな風に思うから、この人はこれでありかもって思います。身近にいたら迷惑そうにも思いますけど。ものごとに前向きに取り組めたらば、ちょっとくらいの苦難は乗り越えられそうに思う。それこそ、ふてぶてしいくらいの態度でちょうどいいのだろうなって思うから、気迫に欠けているヒロインに、いい影響を与えてくれたらきっとよい。そんな感想持ちました。
『つれづれいーの』、コマ割り漫画でゲストです。ヒロインは眼鏡。今、芳文社ではタイムグループあげて眼鏡押しなんでしょうか。なんか、新作における眼鏡ヒロイン率が異様に高いのですが、もしかして今、空前の眼鏡女子ブーム? 私、もしかしてターゲットにされてます? とはいうけれど、ヒロインが眼鏡ならなんでもいいなんて話はさすがにありません。とはいうけれど、さすが眼鏡だ、三倍増しというだけはあります。ちょっと駄目そうなヒロインはべらぼうに可愛くて、結局私はキュートなヒロインと、ちょっと不思議なメルヘン風味に押し切られてしまうんだろうなって思います。雰囲気は嫌いじゃないです。ただ、ちょっと掴みどころがわかりにくい。そんなふわふわな感じでもあります。
『教師諸君!!』、やっぱりこれいいですね。変わりもののコスプレ社会科教師の実力が発揮されて、好きこそものの上手なれではないけれど、対象に向ける愛、それがいきいきとした授業を成立させる力なのかも知れません。空振りに終わった深沢先生にしても、その士気の高さはすごくよくて、教えたい、伝えたいと思う、そうした気持ちがうまく噛み合いさえすれば、教師という仕事はすごく面白いものになりそうだぞ。そんなことを思わせるような回でした。しかし、ヒロイン、西名先生、魅力的だと思います。こんな人に教わりたい、あるいは教えることがあるなら、このようにありたい、だなんて思います。
『夫婦とチュー!』、猫漫画、他誌からのゲスト掲載みたいです。猫好き夫婦の、奥さんがわから見た猫と家族の観察記といった感じでありますが、とにかくクールな猫が魅力的です。充分に大人になった猫なのでしょうか。まだ、やんちゃなところはあるみたいだけれども、基本的にクール。クールな猫もいいなと思いました。ところで、間違いさがし、ちょっと難しかったです。ちゃんと自力で見付けられましたけど、最後のひとつで手間取りました。
『おこしやす』、さら、っていうのは京都の言葉なんですか。サラピンはさすがに方言かもって思うけれど、さらはよそでは使わないですか。一応、辞書には載っていて、新ないし更とあてるみたいですね。でもって問題、女はそーゆーアイテム無いよなぁ 着ると何割増しみたいな
ですが、あります、あります、ありますよ。たとえば、めg、じゃなくて、喪服とか八割増しくらいだと思います。和装の喪服もいいけれど、あのヨーロピアンな喪服、ベールなんかしちゃってるのとか、最高じゃないですか。でも、この漫画では、喪服とかあんまり出てほしくないですね。
『かのじょにごはん』は、ちょっと好みからははずれる漫画なんだけれど、でも面白いです。エキセントリックな妻。彼女の行状のおかしさが漫画の肝ですが、ただエキセントリックってだけではなく、なにか魅力と感じさせる、そんなところがあるように思います。
『おはよ♪』の冷え切った萌香ちゃんが、点目、線三本の口、最高に可愛くて、民芸品みたい。次のコマでは、ちゃんと生きて動いていたので、安心しました。しかし、萌香ちゃんはすっかり美少女になってしまいました。最初はもっさりした、垢抜けない子だったのになあ。
『よめ×ヨメかなたさん』は、なんだかすごい部下が出てきたかと思えば、上司も開眼しようとしていて、しかし息子の妻の方のかなたさんは、結婚できたことがそんなに嬉しかったのか。いや、結婚できないんじゃないかと思われていたことがくやしいんだろうな。そして、落ちは、ああ、こうきたら、こう落とすよねと思えるようなもので、しかしほんの少しの振りでこれだから、盲点でした。やられたって感じ、すごくよかったです。
『まかないガール』、いい感じの落ち着いた雰囲気、いいと思います。あっけらかんとして、明るいヒロイン。すっとぼけたようであり、しかしいたらないながらも真面目、素直と感じさせる、その人柄が魅力的。ぱっと灯りがついたような、ほのぼのとくつろげるような、そんなゆったりさもすごくいいと思います。ところで、あのじゃが芋の処理。あれはありだと思います。すごくよくできてる。うちの玄関に飾りたいくらい。実にいいセンスだと思うんですけど、駄目ですか? あ、そうだ。卵の殻で酢ってできるんですか? これは知りませんでした。調べて、夏休みの研究テーマにしたいと思います。
『ハモニカ文庫』が最終回。街角の風景、誰が主役というわけでもない、けれど誰もが主役である、そんな漫画でした。ただ、自分の生活を送っている、そんな人たちの暮らしの一コマが、次の誰かの人生の一コマにからんでいる。人のつながりというものを感じさせる、そんな仕掛けが楽しくて、大仰でドラマチックな展開は見られないけれど、だからこそ、自分たちの日常を暮らす人たちの生活にしみじみとあふれる、息吹きのようなものが光ったのだと思うのです。
素敵な漫画でした。大好きでした。
『きょうも幸あれ』、年の離れた妹が可愛くてしかたのない兄さんが主人公。優しいことが取り柄といったような、平凡さがよいのでしょうか。黒髪のおっとり美少女に思われたりしていて、しかし兄貴は気付かない。今回は妹の介入がなかったけれど、妹の妨害うんぬん関係なしに、前途多難な恋心であると思います。
- 『まんがタイムファミリー』第27巻第10号(2009年10月号)
引用
- 久保田順子「おこしやす」,『まんがタイムファミリー』第27巻第10号(2009年10月号),109頁。
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