2009年8月2日日曜日

サックス・プレイヤーのための演奏能力開発エクササイズ

 私はサクソフォンも吹くのだけれど、これまで練習してきたのがクラシック系のメソッドばっかりだったから、ジャズやポピュラーなんかもやってみたいなという憧れがありまして、一応ジャズメソッドとかも持ってるのですけど、どうもこうしたメソッドというのは、独習するには難しいところがあって、だって、いくら音階やフレーズをさらっても、それがジャズスタイルになっていなければ意味がない。ジャズのフレーズをクラシカルスタイルで吹いてみましたってことにしかならないから、ここはちょっとDVDかなにか、教則ビデオが欲しいなと思っていたのです。ということで、買ってみました、リットーミュージックの教則DVD。『サックス・プレイヤーのための演奏能力開発エクササイズ』であります。

DVDの講師は、ジム・オドゥグレン。バークリー音楽院の教師なのだそうですが、ごめんなさい、存じ上げておりませんでした。けれど、こうしたプロフィールを見るかぎり、信頼できそうであるな、そんな気にさせてくれます。さらにいうと、私は『演奏能力開発エクササイズ アコースティック・ギター』も持っているのですが、これが結構よかったんです。私の、最初に買ったギターの教本になるのかな? 基本的なフレーズがあるかと思えば、ちょっとトリッキーなものもあって、その多様性がよかったと思っていて、こうした記憶があるために、『演奏能力開発エクササイズ』のシリーズは信頼できるという印象を持っているのですね。

さて、サックス・プレイヤーのためのエクササイズ、これひととおり見てみてどうだったかといいますと、最初はちょっと戸惑いました。だってね、楽器の持ち方、構え方、姿勢についての説明があって、確かにこれらは大切なんだけれど、こんな基本的なところから説明するんだって驚いたんです。丁寧なのはいいけれど、本編60分のDVDです。丁寧すぎて、扱われる内容が少なくなったらちょっといやだなあと思った。けれど、それはまったくの杞憂というものでした。いやね、段々扱う内容が高度になっていくのはいいのだけれど、そちらではむしろ説明が少なくてですね、テクニックの説明やコツの紹介なんてのはあるのだけれど、基本的には自分で頑張れの世界です。サブ・トーンなんて、当然知ってるかのように扱われる。アルティッシモ(フラジオ、ハーモニクス)も、一応は運指を用意したけど、他にもいろいろあるから、自分でも探してみてね。実にしびれます。いや、実際楽器の習得なんてのは、自助努力でしかならないんだから、こうした教え方は悪くない、っていうか、こうならざるを得ないと思います。けど、どう考えても初心者向けじゃないよなあ。中級から上級を狙おうという人くらいを対象にしているように感じます。

さてさて、私もさっそく付属の解説書を頼りに練習してみましたよ。マウスピースはMeyerの5MM、以前買ったジャズ用のものですね。楽器はYAMAHAの875、クラシック向きらしいけど、そこはもう気にしない。とにかく吹けりゃいいんだ。その勢いで、スケールとかインターバルの練習をどんどんさらっていったんだけど、Exercise 14. ハーモニクス・スケール・エクササイズでストップしてしまいました。

これ、最低音域のBb-C-D-Eb-D-C-Bbのフィンガリングのままで、第2倍音、第3倍音の音を鳴らしましょうというエクササイズで、このミのフラットまでのスケールならできるんですよ。けれど、これの次、Fまでくると無理。どうしてもFで基音に戻ってしまって、で、このエクササイズはGまで使うパターンも用意されていて、正直、参りました。解説書を見ると、FやGでハーモニクスを出すのは難しいけれど、勢いよく速めにプレイすると少し出しやすくなるはずです、なんてことが書いてあって、実にあっさり風味。しかし、これ本当に難しいな、できないよ。とはいうけれど、DVDの模範演奏ではちゃんと出てるわけで、だから自分もできるはず、そう信じて自助努力を続けるしかない。ええ、楽器の練習なんてそんなもんです。コツというか、勘をつかめば、できるようになるさ。その意気で、うんうんいいながら吹き続けるしかないんです。

どんどんさらったといっていましたが、それは楽勝だといいたいのではなく、とりあえず全体を軽く概観して、それからきっちり、模範演奏を参考に、ニュアンスまで含めて練習していこうと、そういうつもりであったのですね。だから、ハーモニクスは今は出せないとわりきって、常の練習に組み込んでやるくらいでいいのかも知れません。まずはざっと全体を経験する。それからきっちりと腰を据えて取り組んでいく。急いでもしかたないから、少しずつ、身に染ませる感じで、習っていこうと思います。

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