2005年7月2日土曜日

演奏能力開発エクササイズ アコースティック・ギター

 私は本当に運がよかったと思うのですが、ギターをはじめた当初に、偶然書店にこの本が置かれているのを見つけまして、中を見てみれば結構しっかりした内容です。DVDもついているし、音の出し方やフォーム、手指の使い方についても学べるのではないかと期待できます。しかし、ギターに限らず、音楽系の雑誌が充実しているわけでもない普通の駅前の書店で、こんなちゃんとした内容の本を見つけることができたのですから、やっぱり私は運が良かったと思います。実際その後も、この本が補充されることはなかったのですから、本当に縁というものは不思議です。

この本が扱う内容は、基本的に伴奏に使うようなフレーズなので、最近はやりのフィンガースタイル・ソロ・ギターを志向する人にはあまり向かないかと思います。シンプルなアルペジオからはじまり、ハンマリング・オンやプリング・オフ、スライドなどを取り混ぜたフレーズに発展して、けれどやっぱり一貫してこれはバッキングギターのための教本だと思います。

私がこの本を使いはじめたのは、本当にギターをはじめた最初の頃でありまして、だからひとつの単元を終えるのに何ヶ月もかけていました。それこそ簡単なものなら一週間もかければなんとかなったのが、難しいものとなるとひと月とかかかりましたからね。けれどやっていればだんだん上達してくるので、今では、難しいものは別ですが、手も足も出なくて困るというようなことはへりました。

とはいいましても、弾けるということはどういう状態であるかは難しい問題かと思います。私は、ただ単に譜面に書いてある風に弾けるだけでは弾けるとは考えませんので、そういう意味では私は未だこの本をちっとも弾けません。実際進捗にしても亀の歩みで、二年かけてPart 4までしかたどり着いておらず、折りに頭に戻り、復習と確認の日々。それに私はホセ・ルイス・ゴンサレスの『ギター・テクニック・ノート』をメインに取り組んでるもんだから、『演奏能力開発エクササイズ』を練習できない日も多く、— 後数年は楽しめそうだと思っています。

『演奏能力開発エクササイズ』では、ジャズ系やブルース系など、いろいろなスタイルが紹介されているので、それも楽しみのひとつです。ひとつのジャンルに偏るんじゃなくて、まずこの本で概略みたいなものをつかんでみて、興味のあるものがあれば、あらためて深く取り組んでみるというのもよさそうです。

そういう点では、導入にも非常に適した本だと思います。

あ、そうだ。ギターの伴奏中心の本といっても、ピックを使ったストロークとかは扱われていないので、そういうのを求めている人には向かない本だと思います。

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