『よつばと』の英語版が届いて、うちではにわかに『よつばと』ブームが起こっております(といっても、私一人ですが)。『よつばと』というのは、なんだかのんびりとした時間が流れる実に心穏やかにしてくれる漫画なのですが、特に私は「あさぎのおみやげ」の回にそうしたのんびり感を強く感じまして、こののんびり感というのは作者の沖縄に感じる時間の流れなのでしょうか。あずまきよひこって、どうも沖縄ファンみたいですもんね。
で、あさぎが買ってきた沖縄のCDに沖縄っぽさを感じた風香がウクレレ弾いたりするんですが、これって実際いい感性だと思いますよ。私も、ウクレレ練習するとき沖縄らしさを感じて、沖縄の音階で、それっぽいのをやったりしてますもん。
というわけで、今日は私のウクレレ入門に役立った本を紹介したいと思います。
『高木ブーの楽しくウクレレ』は、ウクレレ入門ではあるのですが、技巧書としての入門書ではなくて、ウクレレの楽しさ、面白さを伝えようとする一般書、読み物ととらえるのがよいのではないかと思います。徹底的にわかりやすさ、親しみやすさを押し出しているから、これからウクレレを学ぼうという人には物足りないのではないかと思います。ええ、私も当初はそう思ったものでした。
けれど、ウクレレというのはそもそもがやさしい楽器で、もちろん高度なこともできるし、高い音楽性のある楽器であるのも確かなのですが、入門しやすさは弦楽器中随一であるといっていいと思います。そうしたウクレレの親しみやすさや、楽しみというのを、まず知りたいという向きにはこの本はとても向いていると思います。ウクレレという楽器の説明があって、どういうふうに楽器が作られるかという記事もあって、そして簡単な奏法の解説。楽譜も掲載されているから、ちょっと心得のある人ならほどなく弾けるようになるでしょう。
こんなふうに、ウクレレという楽器を知って、親しむために必要なものが、いいあんばいに用意されているのがこの本のよさであります。
そして巻末の二章、高木ブーを離れてのコラムがよかったですね。ウクレレのよさを再確認することができ、さらにはフラについてもちょっと知ることができて、ウクレレにまつわる世界が一気に広がったように思えます。
ウクレレ入門、特に速習的なものを求めるなら向かない本であると思いますが、まずはウクレレを好きになって、長くつきあっていきたいなと思う人には良い本なんではないかなと、そんなふうに思います。
- 高木ブー『高木ブーの楽しくウクレレ』(岩波アクティブ新書) 東京:岩波書店,2002年。
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