『まんがタイムラブリー』が出ましたね。13日発売と思いきや、今月は12日発売とのことで、いったいどうしてだろう? いや、盆のからみでしょう。今、世間では盆、ということで、帰省する人あり、今週金曜から始まるお祭りに向けて出発する人もあり、けれど私にはなんら変わらぬ日常が待っています。仕事にいく。盆休みってないんだ……。けど、特に用事があるわけでもないから、仕事に出ます。でもさ、空いた電車で楽々通勤というのもよいものです。
『白衣とリボン』、主人公が大改造を受けて、ちょっといけてる青年になるという話。ええ、落ちは予想どおりでした。白衣がないとはじまらない、そんな彼女ですから。しかし、あの冷たい顔はちょっと魅力的です。
『パニクリぐらし☆』の蝉が、なんだか蝉っぽくなくて、冗談抜きでなんか怖いと思わせる生物になっていたのですが、蝉の資料を前にじっくり見るとかできない、現実においても虫が苦手というような話があったのではないかと推察されて、ちょっと面白かったり。しかし、風呂場を見られるのってそんなに嫌なものなのかな。ワンルームマンションとかだと、トイレ借りると自動的にバスルームも拝見、なんて仕組みになってるわけですが、とくに問題にされたりはなかったんだけど、まあ人それぞれなんでしょうね。
『できる女には秘密がある』が短期集中連載だそうです。オンとオフの落差が激しい姉さん。でも、こういう女性は現実にありそうですよ。とりあえず、この姉さんの場合、床が見えているのは弟のおかげのように思いますが、でも、常に気を抜かないみたいな人よりもいいじゃん、なんて思ったりもするんですね。そして、よくできた弟はモテたりもして、しかしこの姉のために女性に対する幻想みたいなのはもう消えさってたりして、だからちょっと距離おいてたりして、でもそれくらいのほうがいいのよ。特に女性からしたら、この弟はすごくいいと思います。しかし、仲のいい姉弟ですね。
『ペンとチョコレート』、原稿捜索の話であったのだけど、途中、警察で差し挟まれたヒント、ああ、この子がかかわってくるなと思ったらばっちり。しかし、もう見付からないものと覚悟を決めたヒロインはちょっとよかったな。心の中で罵ってましたとかいったりして、けど本当に残酷な言葉は吐かない。モチベーションあげて、厳しい状況を超えようとしている姿はよかったと思います。で、原稿は見付かって、めでたしめでたしだけど、ただめでたしではすまされない。そういう匂いを残して次回に続いて、ええ、結構好きです、この漫画。楽しんで読んでるって思います。
『ただいま独身中』、辻灯子の新作です。OLもの。年齢30歳。したたかなお嬢さん。魅力的じゃんか、と思うのはいつもどおりだけれど、ちょっと抜けてるというか、弱さがないわけでもないけれど、もう弱いばかりでもないのよっていう、そういうバランス、とても素敵です。で、乙女心とかね、こりゃ可愛いじゃん。
結婚は、うまくいけば仕合わせだけど、しくじればこれほどに不幸なものもないと思う私にとっては、ひとりで過ごす不幸を無理にでも飲み下して、時に寂しさや虚しさにつぶれそうになりながらでも、誰からも求められない悲しさに打ち拉がれながらでも、強気に生きていく、そういう人生もありだと思うのさ。そういう人生でなければ見付けられないものもあるのだと思いたい。だから、楓さん、生きたいように生きるのがいいよ。あなたの人生を見付けるのがきっといいよ。
『ミニっきえにっき』、マイク、やるじゃん! 私は結局、いくつになっても夏休みの宿題は締め切り前にあがらなかったよ。過去に、相互扶助と利害の一致とやらを学んだマイクにとって、今年の夏の学びは、人を信じてはいけないってところでしょうか。自分のことは自分で片を付ける。そして、他者にはやさしく。ハードボイルドだぜ、マイク。最高にかっこいいよ!
『アイムホームあかり』、こちらも短期集中連載だそうです。若い大家さんもの。そんな彼女のことがちょっと気になっている、そんな店子の温水さんが勝手に振り回されてというか、空回りして、そちらが話のメインみたいになっています。でも、素直で素朴な大家さん、あかり、魅力的だなと思えて、この雰囲気は実際とてもいいと思って読んでいます。
『視界良好』、眼鏡もの。短期集中連載だそうです。OLのお嬢さん。すごく可愛いお嬢さん。眼鏡だからじゃ、あるかも。実際、絵は整っていて、きれい。で、キャラクターは可愛い。そして眼鏡。まあ、世の中には白衣じゃないとはじまらない人もいるといいますから、眼鏡でないとはじまらない、そういう人があってもおかしくはないと思うんです。眼鏡にからむネタの数々。そこまではコアではない。眼鏡使っている人なら共感できるようなのもある。そして、そこに偏愛が加わって、普通ばかりでもない、偏ってばかりでもない、いい感じのバランスを実現しています。
『ヒーロー警報』は栄一大活躍。って、栄一って誰? あれ、そんな名前だったっけ? ヒロシとかそんな名前じゃなかったっけ? と一瞬思って、落ちで笑って、けど、状況的には失恋かも知れないけれど、気持ちとしては永遠って感じだから、フラれ王のHにはきっといい話だったんですよ。ある種予想できる落ちではあったのだけど、途中のあの人のせいでこの方向はないと思ってしまったから、王道を意外性もって楽しむことができました。いい話だったと思います。
『ごめんね、委員長!』、ゲストです。面白かった。キャラクターがみな可愛い。それだけでなく、暴走系ヒロインに巻き込まれて、なんとなくほだされちゃう委員長、幸坂瑞が可愛くって、これはもうすっかり思惑どおりってやつですか? あおりによると、ヒロインは委員長ではないらしいので、つまりは彼女が毎回暴走に巻き込まれる役割を担う、ってことなんでしょうね。今回みたいな感じなら、今後も読みたいな。そう思える漫画でした。
『蝴蝶酒店奇譚』、ライの里帰り。なんか、怪談ばなし思わせるような雰囲気、だけどちょっと切なく感じさせるものがあって、こうした悲恋? 成就されることのない恋心みたいなの、すごくいいなと思います。作者の得意なのでしょうか。なんだかしみる、すごくいい話でありました。
『OLのハナミチ!!』、ゲストです。31歳ヒロイン。辻灯子のもそうだけど、昨今はやりのアラウンドサーティってやつ、婚活ものってことみたいです。しかし、ワタナベさん、いいじゃないか。いや、眼鏡だからじゃないよ。同僚エザキ君をお前と呼ぶ。エザキ君 ハナミチの殺気を感じないのか?
飾り気のないフランクな口調。とうがたっちゃっただけかも知れないけど、ぶったところのないところがいい。女子力とかいうんですか? 私、姉のおかげで軽く女性不信
ですから、ああいうの受け付けないんだ。それこそ、で。何がロマンスなんだろ
、そういっちゃえるような女性の方がずっと魅力的と感じてしまう口なので、アラサーヒロインものは私にはとても楽しいようですよ。
そして、『だんつま』。相変わらず、子供みたいな奥さん。皮肉の通じない奥さん。しかし、ちょっとした台詞に面白さがあると感じます。普段運転するのは私 眠くなるのも私
とか、そうしたところの軽妙さ。それが持ち味なんでしょうね。そして、音楽の犯人の判明。こうした話を聴くと、私には団地住まいは難しそうです。それをこなせてるんですから、ひなよも実際ちゃんとした人なんだと思うです。
- 『まんがタイムラブリー』第16巻第9号(2009年9月号)
引用
- 霧乃摩周湖「OLのハナミチ!!」,『まんがタイムラブリー』第16巻第9号(2009年9月号),183頁。
- 浅谷歩「できる女には秘密がある」,同前,74頁。
- 霧乃摩周湖,前掲,186頁。
- 渡辺志保梨「だんつま」,同前,197頁。
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