2005年5月14日土曜日

フランス語四週間

『フランス語四週間』は、私が大学院一年の冬休みに取り組んだフランス語の自習書です。研究室に、学生よもっと勉強せよという無言の圧力として四週間シリーズが蔵書されまして、ちょうどフランス語の復習をしたいと思っていたところでしたから、渡りに船と借り出したのでした。だから残念ながら購入したわけではありません。

四週間シリーズというのはなにかといいますと、ひとつの言葉を四週間でマスターするというのを基本姿勢とした語学自習書のシリーズでありまして、もちろんフランス語の他にもたくさん出ています。英語ドイツ語という現代西欧語は当たり前、ラテンギリシャといった古典語や、マライ語とかゲール語みたいなマイナー言語も扱う、実に貴重なシリーズなのです。

この四週間シリーズ、なにがすごいかといいますと、一単元が一日で終わるのです。確かフランス語では、初日でスペルと発音のルールが終わったはず。翌日に名詞の基礎をやっつけ、その翌日ではまた別の単元をやっつけというふうに、ちぎっては投げ、ちぎっては投げの、速習自習書なのであります。

基礎的な文法はだいたい最初の二週間で完了。三週間目には簡単な短文を読み始め、最終週は長文読解にチャレンジ。いやあ、実に実践的ではありませんか。

けれど、この速習主義には問題がありまして、なんというか、これから語学でもやってみようかというような初学者には向かないのです。以前にその言葉を学んだことがあるとか、あるいはなにかひとつでもしっかりと外国語を修めたみたいな人が新しい言語にチャレンジしたいとか、そういう場合でないとちょっとお勧めできません。私にしてもフランス語の復習用に取り組んだわけですから、はじめての語学自習書としてはちょっと癖がありすぎるように思います。

けれど、この癖さえなんとかなるなら、結構お勧めのシリーズなのです。私はフランス語四週間を二週間でやっつけたのですが、結構勘所を押さえた解説が嬉しくて、あれ、ここはどうだったっけかなあという疑問が出れば、うまい具合にその解説がくるというような、そんな感じであったのです。私は基本的に本には書き込みをしないたちで、しかもこの本は借り物でしたからなおさらです。ノートに必要事項を書き写すというスタイルで勉強しました。必要事項といいましても、ほとんど丸一冊筆写したといったほうが正しいかも知れません。この、書き写すあるいは再構成するというのは、勉強法としてはなかなかよかったように思います。

四週間シリーズは文法中心読解中心なので、会話とかを重視したい人には向かないでしょうが、逆に会話中心でやってきた人が文法をおさらいしたいという向きにはよいかも知れませんね。私は、会話には文法事項の暗記は不要と思っているのですが、それでも文法は知らないより知ってたほうがいいわけで、だからちょっとステップアップしたいと考えてる人には、よいかも知れません。

けど、文章とかは古いですよ。癖もありますし、合わない人には合わない本だと思います。

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